My Photo
May 2025
Sun Mon Tue Wed Thu Fri Sat
    1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30      

Thursday, 01 May 2025

4月の読書メーター

4月の読書メーター
読んだ本の数:6
読んだページ数:1577
ナイス数:96

歌よみに与ふる書歌よみに与ふる書感想
歌や句が説明的と評されることがあるので「そういやこの本にそんなことが書いてあったような」と思って読んでみたら、レヴェル高過ぎというか、これが理屈っぽいんだったら一体どうすればいいのと思うことしきり。とつくにの文学に負けまいという意気やよし、とは思うものの、「それってあなたの感想ですよね」と云いたい時もないわけではない。昔は特に文学的素養がなくても日記に三十一文字を書きつける人も多かったと聞くけれどこの説のおかげで絶えてしまったという話も聞くけど本当だとしたらそれは子規の本意ではなかったのではないかなあ。
読了日:04月06日 著者:正岡 子規
新版 徒然草 現代語訳付き (角川ソフィア文庫)新版 徒然草 現代語訳付き (角川ソフィア文庫)感想
なんだかものすごくおもしろくてつるつると読んでしまった。そういう時機だったんだろう。「口裂け女って昔からあったんだなあ」とか「平安時代の言葉遣いがよかったのに今は違う云い方をする」とぼやいている言葉が実は平安時代はくずした云い方だったのが正しい云い方に戻ってたりとか。ビジネス書を読むよりもこの本を読んだ方がいいのではと思う一方で、この本もさらに昔のいろんな本からの引用が多かったりして、そういう点でも世の中ってあんまり変わらないんだな。
読了日:04月08日 著者:兼好法師
暗い旅 (河出文庫 く 6-1)暗い旅 (河出文庫 く 6-1)感想
愛ってそんなに俗なものなのだろうか。裕福な家に生まれて人並はずれた(というほどでもないのかもしれないが)容姿と頭脳とに恵まれるといろいろめんどくさいのかもしれない。少女小説というのがどういうものかよくわからないけれど、この恋に恋するというか自分の理想の恋愛を求める感じがそうなのかな。と、文句を書きつつもおもしろく読んだ。この小説にも出てくるけれど、styleに趣があってつい読んでしまうのだ。
読了日:04月14日 著者:倉橋 由美子
Eichmann in Jerusalem: A Report on the Banality of EvilEichmann in Jerusalem: A Report on the Banality of Evil感想
陳腐な悪とは例えば山本夏彦が書いていたとある百貨店の5階だかにある家電売場に冷蔵庫を運ぶ話かなと思っていた。百貨店のエレベータは客専用なので業者は使えない、だから冷蔵庫を背負って5階まで運んだ、それを百貨店の店員はただ見ていたという。でもこれではないらしい。そこで本書を読むことにした。参考文献はあるものの、どの記述がどの本から取られているのかわかりづらい。他の本にあたってみたい。最初に解説がありそれを読んだ結果、アレントは非ドイツ系ユダヤ人に対して偏見があったという偏見を持ったまま読んでしまった気がする。
読了日:04月18日 著者:Hannah Arendt
コンビニ人間 (文春文庫 む 16-1)コンビニ人間 (文春文庫 む 16-1)感想
昭和の企業戦士(という括りは乱暴だが)が定年退職して自宅にいるようになると似たような感じになったりするのかな。企業というところに過適応してしまって他の場所での振る舞い方がわからない。それは配偶者も同じで。主人公というよりは白羽のようになるのかも。「マニュアル人間」とは揶揄するときに使う言葉だけれど「でもみんな暗黙の了解として成り立っているマニュアル通りに生きてるんでしょ」という感じ。自分の思い通りに生きている人もいるのだろうけれど、そう誤解している人もいるんだろうなと思った。
読了日:04月22日 著者:村田 沙耶香
City of Glass (New York Trilogy, 1)City of Glass (New York Trilogy, 1)感想
sleuthということばの音の無味無臭さといおうか風のような感じといおうかそんなイメージで読み進む(“sleuth”は出てこなかったような気もするけれど)。クールなんだけどどことなく切ないのは、主人公のいどころのなさ、それをよしとする部分に起因するのかなあ。あとはニューヨークという街の印象かな。行ったことはないけれど、ここに描かれている街の印象。
読了日:04月27日 著者:Paul Auster

読書メーター

Thursday, 03 April 2025

3月の読書メーター

3月の読書メーター
読んだ本の数:5
読んだページ数:1675
ナイス数:38

現代思想入門 (講談社現代新書 2653)現代思想入門 (講談社現代新書 2653)感想
哲学はどこから始めたらいいのか。古代ギリシャからはじめて順々に進むのがいいのか。そう思いつつこの本を読むと、実際のところそうなんだろうけれど、でもひとまず「現代」思想をわかりやすく説明していて唸る。
付録の「現代思想の読み方」は哲学以外の本にも使えそうな気がする。
著者の「欲望年表」はこういうところから来ているのか、と思うことしばし。紹介されている本を読む日がくるかどうかはわからないが。
読了日:03月01日 著者:千葉 雅也
The Art of Statistics: Learning from Data (Pelican Books) (English Edition)The Art of Statistics: Learning from Data (Pelican Books) (English Edition)感想
統計学もPPDACサイクルを回すという話に興味を覚えて読むことにした。Problem, Plan, Data, Analysis, Conclusion and Communicationの頭文字を取ったもので、最初に問題を定義・理解してからプランをたてるというあたり『イシューからはじめよ』の「イシュー」に近い感じかなと思った。長年患者を殺害していた医師の書いた死亡診断書の数からいつ頃その事実に気づけただろうかとか駐車場から発掘された頭蓋骨がリチャード三世である確率は、とか取り上げている例もおもしろい。
読了日:03月15日 著者:David Spiegelhalter
カモメの日の読書 漢詩と暮らすカモメの日の読書 漢詩と暮らす感想
再読。今回、食に関する描写がいいなあと思いつつ読んだ。また、著者には武道の心得があって、パリで痴漢に遭った際、相手が保険に入っているかどうか、怪我をしても医者に診てもらえないのではないかと考えるという話にも感じ入った。痴漢はボクシングを嗜んでたようで、結局著者は鳩尾に二発食らうわけだが、それでも相手のことを慮るなんて。そういう人の書いたものと思って読むとまた趣深い。
読了日:03月19日 著者:小津夜景
神聖喜劇 (第一巻) (光文社文庫 お 9-5)神聖喜劇 (第一巻) (光文社文庫 お 9-5)感想
「え、そんなこと云ったら酷い目に合わされるでしょ!」とドキドキしながら読み進めると、案外そうはならない。理不尽さには理不尽さの所以がある、というようなことが回想からの回想や古今の書物等の引用をともなって延々と語られていく。敵地で敵国民を焼き殺したことが隠亡とつながるくだりには「すごい、そこまで云っていいのか!」と一瞬気の遠くなるような衝撃を受けた。小津夜景が勧めていた小説で、書店で5冊並んでいるところを見て腰がひけていたけれど、もっと早く読めばよかった。それくらいおもしろい。
読了日:03月28日 著者:大西 巨人
三橋敏雄の百句 (百句シリーズ)三橋敏雄の百句 (百句シリーズ)感想
俳句は初学者ながら「俳句ってこういうもの」という思い込みを次から次へと覆されてゆく。読みながら、句作はやめるかもしれないな、と思い、でも俳句を読むのはやめないな、と思わせる。以前『眞神』を勧められて読んだことがあるけれど、全然読めてなかつた。池田澄子の読みに教わることが多い。句集や歌集は手に入れることが難しいことが多いが、こうした名句集のような書籍は実にありがたい。
読了日:03月30日 著者:池田澄子

読書メーター

Sunday, 02 March 2025

2月の読書メーター

2月の読書メーター
読んだ本の数:7
読んだページ数:1524
ナイス数:39

「何回説明しても伝わらない」はなぜ起こるのか? 認知科学が教えるコミュニケーションの本質と解決策「何回説明しても伝わらない」はなぜ起こるのか? 認知科学が教えるコミュニケーションの本質と解決策感想
前半は認知バイアスの話で、類書を読んでいると「もう読んだよ」と思ってしまう。この部分が「コミュニケーションの本質」なのだろう。後半は「解決策」の方で、いままで性格や非認知能力の低いせいだと思っていたことが実は認知の問題だったということが示されていたりもする。システム2で経験を積んでシステム1の精度を上げましょうという話なのだと思うが、それがむつかしいんじゃないのと思うし、作者も指摘しているとおりその道を選ばない人は楽だ。楽をする人がフリーライダーになるのでは? それはそれでいいのかな。
読了日:02月02日 著者:今井 むつみ
幸せについて幸せについて感想
なんとなく違和感を覚えていることについて、「それは幸せといっていいのか」と云われること一度ならず。普段見ても見ていないこと、目を背けていることを見つめさせられる本。最近、詩(詩集ではないかもしれないが)を読んで同じように思うことが多い。
読了日:02月04日 著者:谷川俊太郎
いつかたこぶねになる日 (新潮文庫 お 115-1)いつかたこぶねになる日 (新潮文庫 お 115-1)感想
白居易の詩の訳が武部利男風なところとか、たまらないな、と単行本を読んだときも思った。文庫は持ち歩きやすいので、あちこちに持って行ってあちこちで読みたい。
読了日:02月10日 著者:小津 夜景
無垢なる花たちのためのユートピア (創元文芸文庫)無垢なる花たちのためのユートピア (創元文芸文庫)感想
以前表題作が無料公開されていた時に読んだことがある。70年代の少女まんがを彷彿とさせるような部分があると思ったが、その後著者のエッセイでまんがは読まないということを知った。知らないで書くと似るというのはこういう現象なのか。著者の短歌にも感じることがある瞋恚を昇華させたようなきらめきが随所に見られるように思う。とても冷静に自身の怒りに相対している感じ、とでもいおうか。こういう感想って読む側の限界だな、と思いながらも記す。
読了日:02月15日 著者:川野 芽生
Macbeth (AmazonClassics Edition) (English Edition)Macbeth (AmazonClassics Edition) (English Edition)感想
テナント&ジャンボの『マクベス』をスクリーンで見ていろいろ確認したくて読んだ。舞台の方はあちらこちらをカットしていたんだな。史記の淮陰侯列伝を読んだ時も思ったけれど、よく使う云い回しが出てくると「うわっ、出た!」とものすごく盛り上がる。出典はこれなんだー、という気分。あと『マクベス』というとどうしても『蜘蛛巣城』を思い出してしまうのだが、ここからあの映画になるのかー、としみじみしてしまう。思っていたより「男(man)」であることを重んじる内容に思えた。
読了日:02月17日 著者:William Shakespeare
Macbeth (NHB Classic Plays): (Donmar Warehouse edition) (English Edition)Macbeth (NHB Classic Plays): (Donmar Warehouse edition) (English Edition)感想
演出のマックス・ウェブスターをはじめ美術、音響と音楽それぞれ担当及びディヴィッド・テナントとクシュ・ジャンボのインタヴュー記事、リハーサルの記録、そしてリハーサル時点での脚本が掲載されている。インタヴューでは持続可能性に関しての質問があることに驚いた。ナショナル・シアターの『フェードル』に使った大道具を再利用したという。またジェンダーの問題についても話していて「ベクデル・テスト」ということばも見える。インタヴューを読んだあとだと原作からカットしたり変更したりした部分もよりおもしろく読めた。
読了日:02月23日 著者:William Shakespeare
星の嵌め殺し星の嵌め殺し感想
一首一首書き写しながら再読。書き写すうち、自分もこんな歌が作れたらなあと思うことしばしば。この字が好きなのかなあとかこのことばをよく使うなとか思うことも。書き写す時は一旦記憶して、でもひらがなか漢字か、空白があるのか句読点が打たれているかなどを確認しつつしていた。詩は、覚えることに意味がある。といってここに掲載されている歌はなかなか覚えられないのだけれど。
読了日:02月26日 著者:川野 芽生

読書メーター

Saturday, 01 February 2025

1月の読書メーター

1月の読書メーター
読んだ本の数:8
読んだページ数:1275
ナイス数:40

病牀六尺病牀六尺感想
本当に寝起きもままならないような病人が書いているのかと思うが、読んでいくと最初のうちは訪問客についての描写があるが、だんだん減っていくように感じる。俳句の鑑賞についてはいままで触れたことのあるものとはかなり異なるように思った。求めている先が違うとでも云おうか。絵のことはよくわからないのだけれども句の鑑賞の延長のようなつもりで読んだ。本人はもちろん、ご家族もさぞかし大変だったのではと推測するが、そういうことは書かれていない。確か岸田森が晩年の子規を演じたドラマがあったように思う。見てみたい。
読了日:01月03日 著者:正岡 子規
小説・落第忍者乱太郎ドクタケ忍者隊最強の軍師小説・落第忍者乱太郎ドクタケ忍者隊最強の軍師感想
アニメ版で一番好きなのは食堂のおばちゃんが燃え尽き症候群になる段(そういうサブタイトルではないが)な自分が見ても楽しいのだろうかと悩みつつ見に行った映画はとてもおもしろく、原作小説が復刊されていたことを知り読んでみた。登場する国(というか)の状況や他国との関係などがわかりやすく、また映画が原作を生かしつつ映画独自のエピソードをうまく展開していることに唸る。忍者の用いる武器の図解などもあって親切。
読了日:01月04日 著者:阪口 和久
遅考術 じっくりトコトン考え抜くための「10のレッスン」遅考術 じっくりトコトン考え抜くための「10のレッスン」感想
認知バイアスがあるのは仕方がない。どういうものがあるかを弁えてそれに対処するようにしようという本だと受け取った。それはそれとして、家族も友達もみな陰謀論を信じている状態を考えた場合、ひとり遅考術を使い「そうじゃないんだ」と抵抗するのはとても難しいのではないかという気がした。そういうときはアダム・グラントの『Think Again』を参考にするのかなあ。これもまた時間がかかるよっていう話だ。
読了日:01月13日 著者:植原 亮
悟浄歎異 —沙門悟浄の手記—悟浄歎異 —沙門悟浄の手記—感想
中島敦が西遊記を書いていたらどんなだったろうと妄想しつつ再読。
読了日:01月18日 著者:中島 敦
悟浄出世悟浄出世感想
『荘子』に出てくる人たちへの違和感がちゃんとことばにされている。
読了日:01月18日 著者:中島 敦
差別感情の哲学 (講談社学術文庫 2282)差別感情の哲学 (講談社学術文庫 2282)感想
高校に入るまでは女の人への差別を問題だと思っていたところ、米国でそういう活動をする団体の人たちと話す機会があり、「それって男の人から機会を奪うことにはならないのか?」と疑問に思ったあたりから、ではどうあればいいのかわからずにいる。そういう人間には向いている本だと思う。奴隷の子孫と奴隷を使役していた人の子孫とが仲良く暮らせる世の中がいいのだろうか。現在の「多様性」は逆差別なんだろうけど、その「多様性」というお題目がないと差別がなくならないというのが問題なんだろうなとは思った。
読了日:01月19日 著者:中島 義道
天才による凡人のための短歌教室天才による凡人のための短歌教室感想
今回はじめて短歌を作ることを目的として読んでみた。そうして読むと、いままで読み飛ばしていたのか読んでも忘れていたのかわからないが、そうした点がいくつも見つかった。なんとなくだが、俳句に比べて短歌の方が師系とかうるさくなさそうだし、結社に入っている人も少ない感じがする、というのもそのひとつ。短歌を作っているあいだは今後も読み返す本だと思う。
読了日:01月23日 著者:木下 龍也
はじめての短歌 (河出文庫 ほ 6-3)はじめての短歌 (河出文庫 ほ 6-3)感想
中年の男の人が平日の昼間に公園でしゃがみこんでいると職務質問に合う、そんなことはこどものころはなかったように思う、というようなことが書かれていて、現在はもっと厳しくなっているんだろうなという気がした。なんだろう、「ボブ」とか「だあだあおじさん」のような人への非許容の結果といえばその通りだけれど。歌舞伎座などを見ても六代目の舞台の中継などは客席の子どもの泣き声なんかも入っていたりするけど今はそんなものは許されない。全体的に人は人を縛る世の中になっていると思う。だから短歌や俳句が流行るのかもしれない。
読了日:01月24日 著者:穂村 弘

読書メーター

Wednesday, 01 January 2025

12月の読書メーター

12月の読書メーター
読んだ本の数:6
読んだページ数:1250
ナイス数:24

カフカ俳句 (単行本)カフカ俳句 (単行本)感想
編者の「句(と敢えて呼ぼう)」の抜き出し方がすばらしく、とてもおもしろく読んだ。ただ気になるのは、「あるある」とか共感を覚えるか否かに関わる文言が評の中に多いように感じたことだ。共感を覚えないことや違和感のあることに目を向けた方がおもしろいことも増えるように思うがなあ。俳句にしてもカフカの作品にしても、そうなのではないだろうか。無論、共感を覚える一言・一句に救われるということはあるし、それも素晴らしいことだと思っているけれど。
読了日:12月03日 著者:フランツ・カフカ
すごい短歌部すごい短歌部感想
歌集や句集にはひたすら短歌や俳句が連ねられていて、「これはどう読んだらいいのだろう」と悩むこともしばしばだ。勿論なんだかよくわからなくても「なんとなく、これ、好き」でいい。でもこの本の木下龍也のようにちゃんとことばにしてもらえると短歌や俳句の楽しみ方の一端がわかるような気がする。当然木下龍也の読みなわけで読者ひとりひとりの読みが別にあるわけだが、手引きがあるのはありがたい。
読了日:12月13日 著者:木下 龍也
連句の教室: ことばを付けて遊ぶ (平凡社新書)連句の教室: ことばを付けて遊ぶ (平凡社新書)感想
『おくのほそ道』を読んでいたら連句も一緒に掲載されていてこの本のことを思い出した。和光大学の講義で連句を教え学生に付けさせるさまを見ていると、「転じる」こと、目の前にある文章から離れた発想をことばにするむつかしさを感じる。だいたいそんなこと学校では教わってこないしね。でもできるようになったら楽しいだろうなあ。川本喜八郎の人形アニメーション『冬の日』を褒めているのに改めて気がついた。川本喜八郎は『冬の日』は連句としてなっていないとその筋の人たちに云われて懲りたという話だったけど、評価している人もいたのだ。
読了日:12月16日 著者:深沢 眞二
A Christmas Carol (Illustrated) (English Edition)A Christmas Carol (Illustrated) (English Edition)感想
君子は豹変す、という。ブレないなんてのはくだらないことなのだ。自分が間違っていたことがわかったら即あらためる。それが君子であり、悪いことをやめるのはブレることではない。最終的なスクルージの姿にそんなことを思う。
『ドクター・フー』のチャールズ・ディケンズ回で「God Rest Ye Merry, Gentlemen」が流れる場面があって、この物語の冒頭にこの歌の歌詞が出てくるのを知り、「このころからあった歌なんだなあ」とやはりこの時期になると口ずさんでしまう。
読了日:12月21日 著者:Charles Dickens
飛ぶ教室 (新潮文庫)飛ぶ教室 (新潮文庫)感想
こどものころのことを忘れないというところから、そういえば『クリスマス・キャロル』のスクルージは最初にこどものころのことを思い出すよう仕向けられるのだったなあと思い出す。
何度読んでも「頭のいい生徒」と「成績のいい生徒」が別というのがすばらしく感じられる。映画化作品のうちの一つでは一人にされてしまうのではなかったろうか。そして「頭のいい生徒」には禁煙さんと道理さんのような関係になる相手がいない。そのうちできる? どうだろう。
読了日:12月25日 著者:エーリヒ ケストナー
後宮小説(新潮文庫)後宮小説(新潮文庫)感想
第1回日本ファンタジーノベル大賞の告知があった時、こんな物語が出てくると誰が想像したろうか。勝手な予想だが、応募作の多くはいわゆる「剣と魔法」的な物語だったのではないか。第1回の受賞作がこの小説で本当によかったし、そのためその後の受賞作も俗にいう「ファンタジー」にとらわれることのない不思議な小説が多かったのだろうと思う。際どいことをそう感じさせないように書いていて、これはこの後の酒見賢一作品に通じるところがあるなあと思う。再読。
読了日:12月31日 著者:酒見 賢一

読書メーター

Sunday, 01 December 2024

11月の読書メーター

11月の読書メーター
読んだ本の数:5
読んだページ数:1630
ナイス数:30

幻象録幻象録感想
前々回の米国大統領選の時カメラに向かって「ポリティカル・コレクトネス(以下PC)にはうんざりだ!」と叫ぶ米国の人がいてなぜPCはそう受け取られてしまうのか、ちょっとわかった気がする。戦時下、戦争賛美の歌を作った歌人が多かったのは、それまで役に立たないと思われていたものが役にたつうれしさから、という話にも納得すると同時に恐ろしい気がした。役に立たなくてもいいんだよ、とかね。王徽之くらいの気持ちでいきたい。著者の書くことが必ずしも全て正しいわけではないが、とても参考になると思った。歌の読み方の参考にもなる。
読了日:11月03日 著者:川野芽生
「腸と脳」の科学 脳と体を整える、腸の知られざるはたらき (ブルーバックス B 2273)「腸と脳」の科学 脳と体を整える、腸の知られざるはたらき (ブルーバックス B 2273)感想
最終的には規則正しい生活とバランスのとれた食事を心がけましょうということになってしまうが、こんなことが研究されていてまだまだはっきり云えないことも多いとなれば、今後この道を目指す人も出てくるのではあるまいか。出てきてほしいと思う。参考文献や索引があって嬉しい。スカトロジー的な話が苦手な人にはちょっとつらい本かもしれない。
読了日:11月06日 著者:坪井 貴司
パティさんの編み物知恵袋パティさんの編み物知恵袋感想
理解していれば忘れないと書いてあるけれど、多分理解していても忘れる。友人が貸してくれた本なので、買うと思う。ゲージを取って自分で計算してヴェストを編んだことがあつていまでも寒い時にはよく着るけれど、「クッキー算」と云われた方がわからないと思うし、あまり日本語がこなれていないなあと思う箇所もある。二色刷りなので本当だったら違う色にした方がいい編み目の色が同じ色でわかりづらいところもある。でもこれも写真とかにしちゃうともっとわかりづらいんだろうということを橋本治の編み物の本を読んだことのあるものは知っている。
読了日:11月06日 著者:パティ・ライオンズ(Patty Lyons)
八犬傳 上 (角川文庫 や 3-12)八犬傳 上 (角川文庫 や 3-12)感想
映画を見てきて再読。虚の『南総里見八犬伝』の件はダイジェストなのにそう思わせない面白さ。実も馬琴と北斎とのやりとりの妙や馬琴自身の出自・暮らしがこちらも興味を引くように描かれている。新聞連載の頃から大好きだった小説。挿絵が切り絵なのも気に入っていた。同時期に司馬遼太郎が『箱根の坂』を新聞に連載していて、「新聞の連載小説ってなんて面白いんだろう」と思っていた。
読了日:11月14日 著者:山田 風太郎
八犬傳 下 (角川文庫 や 3-13)八犬傳 下 (角川文庫 や 3-13)感想
今年は『ルックバック』『それいけアンパンマン! ばいきんまんとえほんのルルン』と創る者にとって響きまくる映画が公開され、『八犬伝』もこの原作にもうちょっと沿ったクライマックスとラストにしていればそうなっただろうになあと思うとちょっと残念だ。見に行く前にそうなるといいなと期待していたからだ。まあそれは原作で読めるからいいか。この版と新装版とどちらも読書メーターで最近読んだという人があまりいない。映画が公開されたというのに書店に行っても原作本が並んでいない。それもまた残念なことだ。
読了日:11月26日 著者:山田 風太郎

読書メーター

Friday, 01 November 2024

10月の読書メーター

10月の読書メーター
読んだ本の数:7
読んだページ数:1244
ナイス数:37

今を生きる思想 ハンナ・アレント 全体主義という悪夢 (講談社現代新書)今を生きる思想 ハンナ・アレント 全体主義という悪夢 (講談社現代新書)感想
『エルサレムのアイヒマン』が読みたかったのだが書店になく、本棚を見て回るうちに見つけた本。「悪の陳腐さ/凡庸な悪」について知りたかったわけだが、題名からも見えるように主に『全体主義の起源』について書かれている。先に読んでよかったかもしれない。本の内容とは関係ないけれど、本のカバーは湿気のせいかめくれてくるし、本文に使っている紙もあまりいいものではないようでめくりづらいのが残念。
読了日:10月03日 著者:牧野 雅彦,ハンナ・アレント
ことばが変われば社会が変わる (ちくまプリマー新書463)ことばが変われば社会が変わる (ちくまプリマー新書463)感想
『「自分らしさ」と日本語』がおもしろかったので読んでみた。「セクハラ」という言葉が生まれたことで生まれた社会の変化や他人の配偶者をどう呼ぶかという点は興味深く読んだが、「セクハラ」「パワハラ」という軽い言葉の影響や「女子」という言葉を使う場合としての「女子トイレ」などに触れられていないのはちょっと納得いかないな。紙幅の問題だとは思うけれど。すこし話はそれるが、いまは飼い犬・飼い猫についても「亡くなる」という言葉を使うんだな、ということも知った。
読了日:10月04日 著者:中村 桃子
すべての、白いものたちの (河出文庫 ハ 16-1)すべての、白いものたちの (河出文庫 ハ 16-1)感想
普段目を背けて暮らしていることに目を向けさせられる。ひどくつらい。そんなこと、考えないで生きていきたいのに。これを読んだ人たちはみんなどうしているのだろう。自分は多分、読んだことを考えないようにしないと生きていけない気がする。普段は文学賞には興味がないのだが「詩的散文」を翻訳でも享受できるのかとても興味があったので読んでみた。読んで、「ああ、そういうことか」と思った。翻訳家の人もすばらしい。他の作品を読むかどうかは、ちょっと考えてしまうけれど。
読了日:10月13日 著者:ハン・ガン
星の嵌め殺し星の嵌め殺し感想
小説も読んだけれど、川野芽生は短歌が好きだなあ。一読「あ、これは川野芽生の歌かも」と思えるものがあるからだろう。『かわいいピンクの竜になる』を読んだ後だと解像度(というのか)の上がる作品も多くて読み込み甲斐がある歌集だと思う。
読了日:10月20日 著者:川野 芽生
イシューからはじめよ――知的生産の「シンプルな本質」イシューからはじめよ――知的生産の「シンプルな本質」感想
試験の長文読解問題の長文をいきなり読むのではなくてまずは問いを確認しようという話だと思った。ただ試験なら問いは与えられるけれど、現実の世界では問いも自分で考えなければならない。その対処法を説明しますよ、ということだろう。対処法はできれば試してみたいと思うものが多く読んでよかったと思う。ただ「イシュー」という言葉に引っかかる。辞書の語義まで引っ張り出して説明するわりには辞書の名前や何版かという情報がないところにもひっかかる。もっと違う意味に使う気もするし、著者云うところの「手垢のついた」言葉なんじゃないか。
読了日:10月22日 著者:安宅和人
人生が変わるゲームのつくりかた ――いいルールってどんなもの? (ちくまQブックス)人生が変わるゲームのつくりかた ――いいルールってどんなもの? (ちくまQブックス)感想
ゲームを作りたいと思わなくても、「ああ、だからあのゲームは面白いのか」とか「あのスポーツのルールはどうなんだろう」などとわかったり考えたりできるのが楽しい、「自分マトリックス」については、著者も普段人は(主語デカいが)自己検閲が働いていてときに邪魔と思っているのかなと思った。「自分マトリックス」は試してみたい。
読了日:10月23日 著者:米光 一成
決定版 名所で名句 (角川ソフィア文庫)決定版 名所で名句 (角川ソフィア文庫)感想
「俳句」ってこうやって鑑賞するのかととても勉強になった。名所ついては歴史から観光名所まで簡潔に説明されていて行ったことのない場所もわかりやすい。いま読むと能登地方の句や説明に胸ふさがる思いがする。
読了日:10月28日 著者:鷹羽 狩行

読書メーター

Thursday, 10 October 2024

9月の読書メーター

9月の読書メーター
読んだ本の数:5
読んだページ数:879
ナイス数:36

中学生から知りたいパレスチナのこと中学生から知りたいパレスチナのこと感想
パレスチナのことに限らず、「ものごとはこうやってとらえる/考える」という本かと思う。ほかの地域の問題、地域にかかわらずなにか問題だと思われるものはこうして考えていくといい、というような。既知のことや自分の専門に引きつけて考えることの弊害もないわけではないが、それは複数人集まって意見を交わすことで解決できるのかもしれない。
読了日:09月02日 著者:岡真理,小山哲,藤原辰史
きりしとほろ上人伝きりしとほろ上人伝感想
美文とはなんだろうか。そう思ってWeb検索をかけたところ橋本治が美文について書いた記事に出会い、そこに「美文の要素がすべて入った」作品といってこの「きりしとほろ上人伝」が紹介されていた。それを意識しつつ読んだ。完結平明わかりやすい文章のもてはやされ、「作家はなにを書きたかったのでしょう」と問われる文章とは真逆の、作者自身が自分から距離を置いて書いた文章を存分に楽しんだ。
読了日:09月12日 著者:芥川 竜之介
婦系図婦系図感想
新派だと(新派でしか見たことがないが)このお蔦のはかなげな美しさが出ない。鬼灯を鳴らして蛙とやりとりするような稚気がない。め組の活躍するところもお蔦がとっちゃうし。舞台だと湯島の境内だけでお蔦を終わらせることはできないんだろう。最後はモドリというかぶっ返ったかのような主税のようすが芝居のようでおもしろい。登場人物を表現するのに何を身につけているかで表すのも趣深いが、知識がなくてよくわからないのが悔しい。再読。
読了日:09月17日 著者:泉 鏡花
惑亂 新鋭短歌シリーズ惑亂 新鋭短歌シリーズ感想
短歌と俳句のちがいとはこういうものなのか、と思う一方で、自分の読んだ句集や詩歌集はこの歌集よりすこし新しいものなのかもしれない。この歌集に掲載されている作品の方がどことなく嫩い感じがする。また、俳句の方が客観的(とでもいうのか)で、個人の思いやなにかから遠いからそう思うのかもしれない。歌の方が近いだろう。
本当は紙の本でほしくて日本の古本屋さんでずっと見張っていても埒があかなかったのでKindleで。でもこれは紙で欲しい。ネット歌枕発掘ブロジェクトでもらったAmazonポイントで購入した。
読了日:09月18日 著者:堀田 季何
フラワーズ・カンフーフラワーズ・カンフー感想
小津夜景の本は随筆もずいぶんと読んだしどれもとても気に入ったけれど、やはり好きなのは夜景の句なのだなあとしみじみ思った。それと、この本にも『花と夜盗』にも俳句以外の様々な形態の詩(だろう)が掲載されているのも楽しい。なにか自由なのだ。句も本の形式も。
これも本当は紙の本でほしいところだがなかなか見つけられずにいるのでKindleで。
読了日:09月19日 著者:小津夜景

読書メーター

Sunday, 08 September 2024

8月の読書メーター

8月の読書メーター
読んだ本の数:5
読んだページ数:1967
ナイス数:44

カラマーゾフの兄弟〈中〉 (新潮文庫)カラマーゾフの兄弟〈中〉 (新潮文庫)感想
高潔な人物とはどんな人をいうのか。ゾシマ長老は高潔だったのか。生前長老はドミートリイの為すだろうことを憂えてアレクセイに告げるけど、長老の死後すぐに腐臭がしたのはその予測が間違っていたということなのか。
過去に読んだ時はとても読みづらかったように思うが、そして劇的な登場人物が多いのにはちょっと疲れてしまうが、このまま下巻にうつりたい。
読了日:08月11日 著者:ドストエフスキー
カラマーゾフの兄弟〈下〉 (新潮文庫)カラマーゾフの兄弟〈下〉 (新潮文庫)感想
大審問官がつらいという話だが、ホフラコワ夫人のお喋りの方が断然だるいし、検事の話にも「なんの証明にもなってないじゃんよ」とうんざり。下巻に来て「もしかしたら読み終わらないかも?」と思うほど。「なぜ少年たち? 続篇にそなえて?」と疑問に思いつつ、これって父親からの愛情の有無と父と子どもとどちらが死ぬか(まあスメルジャコフは死ぬわけだけど)それも殺人か病死かという対比のようなものがあるのかなと思ったりした。過去になんであんなに読むのに苦労したのかわからない。全体的にはそれくらいおもしろく読んだ。
読了日:08月23日 著者:ドストエフスキー
父が子に語る科学の話 親子の対話から生まれた感動の科学入門 (ブルーバックス B 2268)父が子に語る科学の話 親子の対話から生まれた感動の科学入門 (ブルーバックス B 2268)感想
理科や科学系の科目のテストを受けるとする。教師がつけたまるやばつとともにテストが返ってくる。そうしたら「絶対に正しい科学というものがあるんだな」と思うだろう。理科に限らないけれど、なんとなくだが学校で教わったことや本で読んだことが「実は正しくないかもしれない」という状態に人は(主語デカい)不安を覚えるのじゃあるまいか。この本を読んでいてそんなことを考えた。
読了日:08月28日 著者:ヨセフ・アガシ
てんとろり 笹井宏之第二歌集てんとろり 笹井宏之第二歌集感想
本名で新聞に投稿していたという歌を正気とするならば、筆名で作っていた歌は狂気(というと大げさか)だろうか。見えないものが見えている。聞こえないものが聞こえている。味わうことのないものを味わっている。歌人(広く詩人といってもいい)とはそういたものなのかもしれないが、この二分された歌を見比べると強くそう感じる。
読了日:08月29日 著者:笹井 宏之
中学生から知りたいウクライナのこと中学生から知りたいウクライナのこと感想
何よりもまず「知りたい」と思うことが重要なのだと思った。云い尽くされたことではあるものの、いまは情報過多で自分の関心を引く情報だけを取り込もうとしてもそれさえ全部は受け止められない。無関心でも世の中が広めたいと思っている情報は否応なく目に留まる。そんな中で、知りたいと思い、情報を追い、自分で考えることが大切。この本で云っていることはそういうことなのだと思う。ただ、知りたい気持ちや好奇心を抱き続けるには相当のエネルギーが必要で、それをどう充填していくかが課題かなぁ。
読了日:08月30日 著者:小山哲,藤原辰史

読書メーター

Wednesday, 07 August 2024

7月の読書メーター

7月の読書メーター
読んだ本の数:5
読んだページ数:1459
ナイス数:30

えーえんとくちから (ちくま文庫)えーえんとくちから (ちくま文庫)感想
音読はしていないけれど、おそらく口に出したらやわらかい音の多い短歌が並んでいる気がする。透明感ややさしさの謎はそこにもあって、もちろん決してそれだけではなくて、何度でも読み返したい歌集だと思った。TikTokとTwitterで開催されていたネット歌枕発掘プロジェクトで歌集を読むよう勧められ、手にした中の一冊。
読了日:07月03日 著者:笹井 宏之
カラマーゾフの兄弟〈上〉 (新潮文庫)カラマーゾフの兄弟〈上〉 (新潮文庫)感想
読み始めてあまりのおもしろさに止まらなくなる。以前読んだときえらく苦労した記憶があるんだが、何に引っかかったのだろう。キリスト教かなあ。今回も確かに「キリスト教がわからないと難しい」と思うことがあったが、とにかく登場人物がどうなるのかを知りたくて読み進めてしまう。ドストエフスキーの描く登場人物に自分を投影しなくなったからかなあ。年を取ったし。若い頃は「これは自分の未来の姿だ」と思い耐えられなかったものだけれど。野田地図の「正三角関係」が『カラマーゾフの兄弟』を題材にしていると聞いて読むことにした。
読了日:07月15日 著者:ドストエフスキー
はじめての短歌 (河出文庫 ほ 6-3)はじめての短歌 (河出文庫 ほ 6-3)感想
みんなだまされている。穂村弘は総務部で役付きにまでなった人だ。そんな、「蝶のくちびる」が落ちてないかどうか探しているような人である訳がない。というよりは、そういう面もあり、そうでない面もあり、なのだろう、本書にもあるとおり。でもやっぱりみんなだまされているような気がしてならない。もちろん自分が一番だまされている。
読了日:07月18日 著者:穂村 弘
言語を生みだす本能(上) (NHKブックス)言語を生みだす本能(上) (NHKブックス)感想
20世紀も押し迫ったころの著書のため、コンピュータにとって音声認識が大変むつかしいという話が書かれている。いまだとSiriやアレクサはどうかな、と思うが、多分、Siriやアレクサには会話はできない。二、三回前にこちらが云ったことや自身が云ったことも覚えていないし、ましてや昨日伝えたことなんて、だろう。そこはひょっとしたら情報の保護という考え方もあるのかもしれないけれど。そんな感じで現状と照らし合わせつつ、楽しく読んだ。言語とかことばとかになぜだか惹かれる。
読了日:07月28日 著者:スティーブン ピンカー
ひとさらい 笹井宏之第一歌集ひとさらい 笹井宏之第一歌集感想
『えーえんとくちから』を読んで、ほかの作品も読んでみたいと思い手にした。『えーえんとくちから』に掲載されている作品も多いが、こちらの方が攻めた感じの作品が多く、こちらを先に読んでいたらまた印象も違ったろうと思った。以前もよそに書いたけれど、詩集とか歌集とか句集とか、すてきな装丁の本もよいけれど、常に持ち歩いて手元に置いておきたいものもあって、これはそんな歌集。
読了日:07月31日 著者:笹井 宏之

読書メーター

より以前の記事一覧