Saturday, 01 August 2020

7月の読書メーター

7月の読書メーター
読んだ本の数:2
読んだページ数:566
ナイス数:35

哲学塾の風景 哲学書を読み解く (講談社学術文庫)哲学塾の風景 哲学書を読み解く (講談社学術文庫)感想
人の抱くような悩みはすでに過去の(偉)人が悩んでいる、と云われる。だが、ここに書いてあるような精読をしなけりゃならないとしたら、それでも過去の人の悩みを読むだろうか。読んだとして、参考になるんだろうか。哲学の本もそうで、読んで意味あるの? 多分ないんだろう。最初はむつかしくて挫折しそうになったが、途中から参加者の生徒さんたちのようすがおもしろくなってきて読み通すことができた。音読って大事なんだろうな。
読了日:07月09日 著者:中島義道
レトリックと人生レトリックと人生感想
時間はメタファーでしか語ることができないと云われている。最近は「時間というものはない」と云う説もあるし。未来は先、過去は後ろのことなのに、「二週間後」は未来で「先週」が過去なのは文化に根ざしたものだという。なるほど、異文化間コミュニケーションがむつかしいわけだ。終わりの方は欧米の哲学における客観主義への批判が熱い。これで索引がついていたら文句はないのだが、ついていたら分厚くなり過ぎてしまうのかな。
読了日:07月29日 著者:ジョージ・レイコフ,マーク・ジョンソン,渡部 昇一,楠瀬 淳三,下谷 和幸

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Thursday, 02 July 2020

占はないタロット

米光一成の『思考ツールとしてのタロット』を読んだ。
多分、三回めくらゐだ。

はじめて読んだときに、「コレポン(correspondenceの略)」つておもしろいな、と思つた。
日本語にすると「連想」だといふ。

たとへば先日健康診断に行つたときのことだ。
腹部エコーを見てもらつてゐるときの自分といふのはまるで「吊るされた男」だな、と思つた。
身動きできないし(しやうと思へばできるけどそれでは診察できない)、自分の意思でなにかするといふことができない。
さういや腹部エコーのときに天井を見てゐて、蛍光灯といふのは隣同士にならんでゐてもお互ひに出会ふことはまづないし、会ふとしたら最初に設置されるときか最後にはづされるときかのどちらかなんだなあ、と思つたりもした。
おそらく、互ひに互ひの存在に気がついてはゐるけれど、決して相見えることのない間柄だ。
いはゆる腐女子の人ならそこからなにかすばらしい物語のひとつも生み出すのだらうけれど、残念ながらさういふ素養に欠けてゐるのでコレポン(連想)もここまでだ。
また、健康診断で訪れたクリニックには女の人が多く、みな黙してゐるので「女教皇」のやうだとも思つたな。
看護師さんが多いからだけれど、技師さんにも女の人が多くて、言葉数が少ないのにみなさんそれぞれ技量や知識に富んでゐるやうすが見受けられて、「女教皇」といふのはそんなに間違つたコレポンではないと思ふ。

これだけでも十分楽しいのだけれど、本ではタロットカードを占ひの道具としてではなく、題名通り思考の道具として使ふことを勧めてゐ。

人から相談を受けたときのことを思ひ出してみやう。
的確な忠告をしたと思つたところが、相手から「そうぢやない」とか「なんにもわかつてない」とかひどいことを云はれた経験はないだらうか。
これつて、相手は「大変だつたね」とか「苦労してきたんだね」とかねぎらひのことばを求めてゐるだけつていふ、よくあるアレといふこともあるけれど、相談するといふことはもう自分で答へがわかつてゐるつてこともあるんだよね。
さういふときにタロットカードを出してきて、過去・現在・未来とそれぞれ一枚づつカードを引いてもらふ。
でも、カードの解釈はしない。
ただカードの象徴することばだけを伝へる。
過去のカードが「吊るされた男」で現在が「女帝」、未来が「世界」だとする。
過去は忍耐の時だつたけど、いまはそれが実つてきてゐて、さらに未来は充実した状態になるだらう、とか。
#逆位置はこの際考へないことにする。
さうすると、相談してきた人は勝手に解釈して、自分の納得する答へを導き出す。
タロットカードは、かういふ風にも使へますよ、といふのだ。

なるほどねえ、と、はじめて読んだときにも思つたのだが、それきりになつてしまつてゐた。
実はこの方法は易でも使へるなと思つたからといふこともある。
ただ、易は六十四卦もある。
なかなか覚えきれない。
大アルカナの22枚ならなんとかなりさうだけれども。

でも、タロットカードよりも卦の方が移り変はりゆくやうすをよくとらへてゐて、おもしろいと思ふんだけどね。

そんなわけで、何度か挫折して、もう易はちよつとわきにおいて、まづはタロットでやつてみやうと思つた、といふのが先月末のことだ。

とりあへず、コレポンは楽しい。
これだけは云へる。

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Wednesday, 01 July 2020

6月の読書メーター

6月の読書メーター
読んだ本の数:8
読んだページ数:1737
ナイス数:26

新実存主義 (岩波新書)新実存主義 (岩波新書)感想
自然主義や還元論がどういうことで現在どういう位置付けなのかということがまったくわからないため、書いてあることから類推しつつ読む。むつかしい。哲学科に進学したいという同級生に「哲学なんか勉強してなんになるつもりなの(「どこに就職するつもりなの」の意だと思う)?」と訊くもう一人の同級生というのを目撃している身としては、今だったらモデルがいるのにね、と思わないでもない。
読了日:06月02日 著者:マルクス・ガブリエル
愛とか正義とか―手とり足とり!哲学・倫理学教室愛とか正義とか―手とり足とり!哲学・倫理学教室感想
さらっと読んでしまったなーと思って再読。案の定、全然読めてなかった部分が多い。多分、今後も読み返すと思う。
読了日:06月07日 著者:平尾 昌宏
The Path: What Chinese Philosophers Can Teach Us About the Good Life (English Edition)The Path: What Chinese Philosophers Can Teach Us About the Good Life (English Edition)感想
マインドフルネスとか瞑想(meditation)に抱いていた違和感が解説されている。だいたいは考えていた通りだ。世の中をそして自分を変えていくのは日々の小さな積み重ね。そうなのだが、ここに書いてあることを実践しようとすると、心身ともに健康でないとむつかしいなと思う。まずはそこからか。
読了日:06月12日 著者:Michael Puett,Christine Gross-Loh
暇なんかないわ 大切なことを考えるのに忙しくて: ル=グウィンのエッセイ暇なんかないわ 大切なことを考えるのに忙しくて: ル=グウィンのエッセイ感想
文学賞を望んでいるのは宣伝広告に携わる人たちだし、経済ばかりがはてしなく成長できるわけがなく、植物だって生きているし、男の組織内では女は男の模造品にならざるを得ない(いまのところ)。最初は強烈だった罵倒表現も使われるうちに威力を失っていく。幾度うなづいたことだろう。空飛び猫がまた読みたくなってしまった。
読了日:06月17日 著者:アーシュラ・K・ル=グウィン
細胞の中の分子生物学 最新・生命科学入門 (ブルーバックス)細胞の中の分子生物学 最新・生命科学入門 (ブルーバックス)感想
小胞体ストレス応答を説明するために、遺伝子からタンパク質、細胞から細胞内小器官などを段階を追って解説した本。化学式などは最小限なので取りつきやすいが、途中で置いていかれてしまった。筆者自身の他の科学者との競争の話が興味深い。生物学に元々興味のなかった人向けにとノーベル賞の逸話が多く、なにを評価されて受賞に至ったのかわかるようになっているのもおもしろかった。
読了日:06月28日 著者:森和俊
History: Why It MattersHistory: Why It Matters感想
歴史を学ぶことがなぜ大切かということや、歴史学における偏向などについて語る本。1980年代半ばごろの米国の高校の教科書を見て驚いたものだった。米国史が南北戦争の終わるあたりからはじまるのだから。そういうものだったらしいとこの本を読んで知った。以前、「なぜ歴史家は大地震を無視するのか」という内容の本を読んだが、この本には大地震についてふれた部分がない。まだまだ歴史学にはさまざまなアプローチがありそうだ。
読了日:06月29日 著者:Lynn Hunt
思考ツールとしてのタロット (こどものもうそうブックス)思考ツールとしてのタロット (こどものもうそうブックス)感想
再読。コレポン(correspondence)っておもしろいと前回読んだとき思ったのにその後すっかり忘れてしまっていたので、今日はやってみた。「いまの自分は「吊るされた男」のようだなー」とか「この場所って「女教皇」のよう。女の人ばかりだしみんな黙しているし」とか考えだすとおもしろい。易での卦でやりたいと思っていたが、64は多過ぎるかな。ある状態から別の状態への過渡期というイメージは易の方が強いように思うのだが。
読了日:06月30日 著者:米光一成
空飛び猫 (講談社文庫)空飛び猫 (講談社文庫)感想
「暇なんかないわ 大切なことを考えるのに忙しくて」を読んでいて読みたくなって購入。最初の方にある人間の描写を読んでいてアニメの「ガンバの冒険」を思い出す。挿絵もすてき。
読了日:06月30日 著者:アーシュラ・K. ル・グウィン

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Monday, 01 June 2020

5月の読書メーター

5月の読書メーター
読んだ本の数:5
読んだページ数:1349
ナイス数:22

タイムトラベル 「時間」の歴史を物語るタイムトラベル 「時間」の歴史を物語る感想
「時間旅行」という考えは比較的新しくウェルズの「タイムマシン」がほぼ最初という。毛色はだいぶ違うが昔の人は今の人ほど色を細かく識別していなかったという話を思い出した。「オデュッセイア」などを読むと空の色を表現していないとかそういう話。「時間とはなんぞや」と思っていたころ本屋で偶然出会った。先に量子論で時間を説明する本を読んでしまって「わけがわからん」と思い、手に取るのが遅くなってしまった。こちらを先に読むのだったな。
読了日:05月01日 著者:ジェイムズ グリック
孤独の価値 (幻冬舎新書)孤独の価値 (幻冬舎新書)感想
ここでいう「孤独」は「solitude」だ。「loneliness」ではない。最初に読んだ時は、孤独とは物理的にも心理的にも余裕のある人に許されたものだろうと思った。ハンガリー当局に七年のあいだ不当に監禁されていたエディス・ボーンの場合は精神が頑健だったこともあろうがやはり豊かだったのだろう。
今回読んで思ったことは、世の中には孤独を必要としない人もいるんだろうなということだ。そしてそういう人がメジャなのだろう。今回のことで「孤独は悪」「孤独は避けるべきもの」という人が増えないことを祈るばかりだ。
読了日:05月02日 著者:森 博嗣
教え学ぶ技術 ──問いをいかに編集するのか (ちくま新書)教え学ぶ技術 ──問いをいかに編集するのか (ちくま新書)感想
オックスフォード大学で実践されているチュートリアルを紙面で再現しようとしたもの。同大学では一人の教員が一〜三人の学生を相手に個別指導をするのだという。これだけ少人数だと教員と合わなかったら大変だなあと思ったが、合ったら合ったで「罠」があるのだそうな。先生の話がおもしろいとその場ではわかった気がするが、あとになって考えてみるとわからないというのがそれ。何事もまずは一人で読み書き考える時間が必要で、それがないといくら他者とやりとりをしてもムダというのはブレイン・ストーミングを考えるとよくわかる。
読了日:05月15日 著者:苅谷剛彦,石澤麻子
Solitude: In Pursuit of a Singular Life in a Crowded World (English Edition)Solitude: In Pursuit of a Singular Life in a Crowded World (English Edition)感想
前書きに出てくるエディス・ボーンの逸話が強烈だ。ボーンはハンガリーの秘密警察に突然拉致され、七年の間拘束されていたという。その間、暗闇の中に六ヶ月監禁されていたこともあったし、独房はほぼベッドくらいの広さしかなく、手を伸ばせば天井に触れるような高さだった。そこで如何に過ごしてきたか、それは本篇を読むといいと思う。また、ジョン・ハート主演映画やスティングの「Englishman in New York」でも知られるクエンティン・クリスプの逸話もおもしろい。孤独とは何か、という点では物足りないが。
読了日:05月18日 著者:Michael Harris
愛とか正義とか―手とり足とり!哲学・倫理学教室愛とか正義とか―手とり足とり!哲学・倫理学教室感想
哲学というと先人の学説(というのか)を学ぶものという印象があるが、そればかりでもないんですよ、という。とてもわかりやすく書いてあると思うけど、例としてあげている映画やマンガがいつまで通用するかが気になる。わからなくなったら書き直せばいいのかな。あと、逆接の接続詞の使い方に特徴があって、読んでいてときどきひっかかる。
読了日:05月21日 著者:平尾 昌宏

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Wednesday, 06 May 2020

孤独と俳句、孤独の怖さ

solitude は孤独と訳される。
loneliness が孤独でつらいといふ意味を持つ単語だとすると、solitutde は孤独で楽しいといふ意味を持つ。

孤独で楽しい。
そんなことがあるだらうか。
さう思ふ人もゐるだらう。
森博嗣の「孤独の価値」でいふ「孤独」は、solitude の意味の孤独を書いた本だ。

孤独であることは寂しいことだ。
これは、ステレオタイプ、一種の押しつけだとこの本にはある。
大勢でどんちやん騒ぎをするのが好きな人間がゐれば、一人でしづかに過ごすのが好きな人間もゐる。
孤独であることが寂しいことであるなら、寂しいのが好きな人間もゐる、といふことだ。

また、孤独な状態、一人でゐることでしかできないことがある。
なにか新たな発想を生むことなどがそれにあたる。
職場などではよくブレインストーミングと称して大勢で集まつて意見を出し合ふことがある。
ブレインストーミングだけでは決して新たな発想など生まれない。
事前に参加者一人一人がじつくり考へる必要がある。

俳句にたとへてみるとわかる。
句会だけでは俳句は生まれない。
作らない句会にしても、まづ先人の句を読んで選ぶといふ作業がある。これは一人で行ふ必要がある。
句会の参加者一人一人がじつくり考へて句を作り或は句を選び、それを句会の場で発表してはじめておもしろい感想が生まれる。
ときには作者が考へてもみなかつた受け取り方があつたりもする。
そして「今日の句会も楽しかつたなあ」と思ひつつ、帰宅して一人で句作をする。

孤独な状態は孤独でない状態と対になつてゐるといふのもさういふことなのではないか。
孤独な状態を「寂しい」といふことにし、他人と一緒にゐる状態を「楽しい」といふことにしやう。
「楽しい」ときがあるからより「寂しい」と思ふ。
また、「寂しい」ときがあるから「楽しい」と思ふやうになる。
サインカーヴのやうに、「楽しさ」の頂点と「寂しさ」の頂点とがあつて、人間とはそのあひだを行き来してゐるといふのだ。
この本では、その振り幅が大切だといふ。

先ほどの俳句の例でもそのとほりなのではないかと思ふ。
一人で句作して、大勢で句会をする。
句作に励めば励むほど、句会は楽しからう。
句会が楽しければ楽しいほど、句作もまた楽しくならうといふものだ。

ひとつだけ気になることがある。
森博嗣は、孤独を受け入れることは自由になることだと書いてゐる。
そして、自由になるには、なぜ自由になるのか、自由になつてなにをするのかをもつと考へた方がいい、と。
それをしないと、おそらく「小人閑居して不善を為す」といふ故事のとほりになるのだらう。

人が孤独をおそれる理由は、そこにあるのではあるまいか。
つまり、自由になつてしたいことなんてない、自分がほんたうにしたいことなどわからないし、わかりたくもない、と。
わかつてしまつたら、明日から仕事になど行けなくなつてしまふ。

孤独のおそろしさは、そこにある。

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Saturday, 02 May 2020

4月の読書メーター

4月の読書メーター
読んだ本の数:2
読んだページ数:512
ナイス数:19

ことばの教育を問いなおす (ちくま新書)ことばの教育を問いなおす (ちくま新書)感想
読みながら思うことはさまざまあったが、第9章の大学受験の話が重た過ぎて「どうしてこんなことになってしまったのだろう(まだ実施には至っていないけれども)」と思わずにはいられない。自分はもう大学には行かないし、身近にもそんな人間はいないのに、なんでこんなにがっかりしてしまうのだろう。大学受験のために、ことばの教育があらぬ方向に行ってしまうことを憂うからか。 大村はまが自分の先生だったら、反抗していたかな、とちょっと思ってしまった。
読了日:04月03日 著者:鳥飼 玖美子,苅谷 夏子,苅谷 剛彦
ハーバードの人生が変わる東洋哲学: 悩めるエリートを熱狂させた超人気講義 (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)ハーバードの人生が変わる東洋哲学: 悩めるエリートを熱狂させた超人気講義 (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)感想
世界のありとあらゆるものは分断されてはおらず、つながっている。おなじことでもさまざまな捉え方ができる。この内容で「易経」がないのがちょっと不思議だが、大学の講義ではあるのかもしれない。みうらじゅんが「マイ仏教」の中で云っていた「自分なくし」を思い出した。
読了日:04月11日 著者:マイケル ピュエット,クリスティーン グロス=ロー

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Wednesday, 01 April 2020

3月の読書メーター

3月の読書メーター
読んだ本の数:5
読んだページ数:1403
ナイス数:19

俳句は入門できる (朝日新書)俳句は入門できる (朝日新書)感想
云われてみると現在俳句をめぐる逸話が思いつかない。でもそれってこの本にも書いてあるけど、「ただでさえ俳句を作るというのは「その人は当事者じゃない」感のある行いだ。(p.39)」からということもあるのではないか。俳句にはどこかとても客観的なところがあるから。
読了日:03月01日 著者:長嶋 有
独学で歴史家になる方法独学で歴史家になる方法感想
日頃覚える疑問を解決する方法などないかと思って読んでみた。「こんなことを調べてみたらどうでしょう」という著者からの提案があったり随所に「これを調べてみる人はいませんか」という問いかけがあったりして、かえって気になることが増えてしまった。調べるかどうかは不明だけども。見かける自然科学系の論文にはほぼ単著がないけれど、歴史学とかならあるのかな。自分史ならあるか。一時自分史ブームだったことがあったように思うけれど、いまでもそうなのだろうか。
読了日:03月06日 著者:礫川 全次
Nabokov's Favorite Word Is Mauve: What the Numbers Reveal About the Classics, Bestsellers, and Our Own Writing (English Edition)Nabokov's Favorite Word Is Mauve: What the Numbers Reveal About the Classics, Bestsellers, and Our Own Writing (English Edition)感想
米国と英国のハリー・ポッターのファンフィクション(二次創作)を比べると、米国の作品の方が「bloke」「blimey」「brilliant!」といった原作に出てくる英国味のある単語をたくさん使う傾向があるのだという。デジタル化された作品をPythonで解析したという。英語はスペースで単語がくぎれるからいいよなあ。日本語の形態素解析エンジンにもいろいろあるようだから、ちょっと試してみたい気はしている。再読。
読了日:03月13日 著者:Ben Blatt
日本近現代史講義-成功と失敗の歴史に学ぶ (中公新書)日本近現代史講義-成功と失敗の歴史に学ぶ (中公新書)感想
各人が各章を担当していて、やたらと大げさな表現を使う人がいれば、こなれていない文章を書く人もあり、といった感じだが、そういう方が目立つので全般的には読みやすいといえるのかもしれない。ただ、紙幅にかぎりのあるせいか、「えっ、いままでそんな話、してた?」と思うような結論もあったりはする。参考文献が豊富な点と索引があるところがいい。
読了日:03月22日 著者:山内昌之,細谷雄一
装丁物語 (中公文庫)装丁物語 (中公文庫)感想
カバー裏の決められた位置にバーコードが二つばっちり印刷されていて、著者が見たらさぞ嘆くことだろう。著者名と題名だけで「ああ、あのカバー」と思い出せる本が何冊かある。懐かしい。以前、新書版で読んだけれど、本屋で見かけてつい買ってしまった。買ってよかったと思う。バーコード以外は。
読了日:03月26日 著者:和田 誠

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Friday, 28 February 2020

2月の読書メーター

2月の読書メーター
読んだ本の数:5
読んだページ数:1237
ナイス数:20

NHK俳句 ひぐらし先生、俳句おしえてください。NHK俳句 ひぐらし先生、俳句おしえてください。感想
弟子のもずく君が出来過ぎ君なんだけどイヤミがない。もずく君は料理の達人でもあって、ひぐらし先生と二人で食事をする場面を読んでいると、「旬のものを食べるっていいものなんだなあ」と思う。地球温暖化の進む中、次第になにが旬でなにが季節のものなのか判然とはしなくなってきているが、そんな世の中だからこそ俳句を作らない人にも楽しめる本なのではないかなあ。
読了日:02月13日 著者:堀本 裕樹
ユリイカ 2019年5月臨時増刊号 総特集◎橋本治ユリイカ 2019年5月臨時増刊号 総特集◎橋本治感想
あれもこれも読み直したい。そんな気分になる。そして、あれもこれも読んでいないことに気づく。そんなことは読む前からわかっているし、橋本治の全著書を追いかけるなんて無謀ということもわかっているけれど。
読了日:02月16日 著者:橋本治,高野文子,高山宏,さやわか
進化のからくり 現代のダーウィンたちの物語 (ブルーバックス)進化のからくり 現代のダーウィンたちの物語 (ブルーバックス)感想
エンリケ・イグレシアスからサウザーときて内臓逆位に触れ、そこから巻貝・カタツムリの右巻き・左巻きの話に及ぶ。おもしろい。出てくる人もみな個性的。でも「日本の科学が自由で、豊かで、誠実で、活力に満ち、世界に対して存在感を発揮していた最後の時代のことである。(p.217)」という一文に思わず涙してしまう。おそらく2000年代のことだ。Twitterでおもしろいと紹介されていたので読んでみた。おもしろい。でも今はどうなの? 日本の科学はどうなってるの?
読了日:02月22日 著者:千葉 聡
The Secret Life of Pronouns: What Our Words Say About Us (English Edition)The Secret Life of Pronouns: What Our Words Say About Us (English Edition)感想
代名詞や冠詞、前置詞に接続詞といった普段はあまり注目されない単語の使い方で為人がわかるし、嘘をついているか否かもある程度の精度でわかるという。これ、日本語だとなににあたるのかね。punctuationの話もあるから、そのあたりは日本語にも適用できるのじゃあるまいか。
読了日:02月28日 著者:James W. Pennebaker
なぜ歴史を学ぶのかなぜ歴史を学ぶのか感想
いい本なのだろうと思いつつ、読んでいてしっくりこない表現が多くてつまずくこと一度ならず。訳者あとがきからの印象では下訳担当の問題なのではないかと思う。もったいない。
読了日:02月28日 著者:リン ハント

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Saturday, 01 February 2020

1月の読書メーター

1月の読書メーター
読んだ本の数:7
読んだページ数:1796
ナイス数:22

セレクション関口存男 和文独訳漫談集セレクション関口存男 和文独訳漫談集感想
ゲーテのことばに「Wer fremde Sprachen nicht kennt, weiß nichts von seiner eigenen. 」というのがある。「外国語を知らぬ者は母国語についても何も知らない」という意味だそうで、この本を読むと「そういうことなのか!」と合点がいく。日本語をそのまま訳すのではなくドイツ語にしやすいように云い変えてから訳す。そのためにはドイツ語として自然な表現を知らねばならぬし、日本語の特徴も知る必要がある。ドイツ語の部分が多いけれど、他の言語にも通じることが多い。
読了日:01月04日 著者:関口 存男
The Big Over Easy: An Investigation with the Nursery Crime Division (Nursery Crimes)The Big Over Easy: An Investigation with the Nursery Crime Division (Nursery Crimes)感想
去年この著者の本が翻訳された(「雪降る夏空にきみと眠る」)のが嬉しくて再読。ナーサリー・クライム課の刑事ジャック・スプラット (could eat no fat) が配属されたばかりのメアリー・メアリーや異星人のアシュリーその他変わった同僚たちとともにハンプティ・ダンプティ殺害事件に挑む。事件を横取りしようとするエリート刑事の邪魔にあったり娘がプロメテウスと恋に落ちたりジャックは忙しい。登場人物やイヴェントがマザー・グースや童話と関連あったりするから翻訳はされないかなあ。相変わらず世界がよくできている。
読了日:01月09日 著者:Jasper Fforde
ヴァーチャル日本語 役割語の謎 (もっと知りたい!日本語)ヴァーチャル日本語 役割語の謎 (もっと知りたい!日本語)感想
役割語はダニエル・カーネマンいうところの「システム1」で処理できるということか。ことば遣いによって差別が発生する理由もなんとなくわかった気がする。「ドラゴンボール」に登場する孫悟飯が両親とはまるでことば遣いが違うのは、読者に受け入れてもらえるようにという考えもあったのかな、と思った。
読了日:01月12日 著者:金水 敏
だから、何。だから、何。感想
数年ぶりに手にした中野翠のコラム集は、やはりおもしろかった。中野翠のいいところは「自慢だけど」とはっきり書くところかな。普段TLで「人知らずして呟く」という感じの呟きをいくつも目にしているからかもしれない。旅行の手配をしてくれる妹夫婦に「いちおう」感謝、なんてのもいい。毎年楽しみにしていたのだが、どこか気に触る部分が増えてきてしばらく読んでなかった。読まずにきた分も読んでみようかな。
読了日:01月13日 著者:中野 翠
The Fourth Bear: A Nursery Crime (A Nursery Crime Novel)The Fourth Bear: A Nursery Crime (A Nursery Crime Novel)感想
三匹のくまのベッドが三つの理由がそれだったとは……とか、読み返してなおおもしろい。前作同様不死身といおうか無敵の相手に命を狙われる主人公ジャック・スプラット。今回はちょっとターミネーター風味かな。この本では続きがあることになっているが、いまのところ出る気配がないのがさみしい。
読了日:01月29日 著者:Jasper Fforde
桃尻語訳 枕草子〈中〉 (河出文庫)桃尻語訳 枕草子〈中〉 (河出文庫)感想
「枕草子」は「をかしの文学」かについて「ただあたしは、単純に「あはれなり」の人間じゃなくて、「いみじうあはれにをかしけれ」って言っちゃう人間なのよね(p126)」と云っちゃうところが「メチャクチャジーンときてすてき」だ。自分が「すてき」と思っていることも他人から見たらどーってことないんだろうなって見てるっていうのがね、すっごくすてき。
もうあれから一年なんだな。早いね。
読了日:01月30日 著者:橋本 治
ぼくは翻訳についてこう考えています -柴田元幸の意見100-ぼくは翻訳についてこう考えています -柴田元幸の意見100-感想
柴田元幸のことばを集めたcommonplace bookといった趣。余白がたっぷりあるのでmarginaliaを書き込んで自分だけの一冊にもできる。大半はどこかで読んだことがあるが、バラク・オバマの演説を訳すときに「humble」を「謙虚」とは訳したくない、抽象語や漢語よりもっと平易なことばを使いたいという旨の発言を読んで購入を決めた。
読了日:01月31日 著者:柴田 元幸

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Friday, 03 January 2020

子曰く

「論語」の素読をしてみた。
「子曰く、学びて時にこれを習ふ。亦説しからずや」と声に出して読むわけだ。
やつてみると、読めると思つてゐた白文が案外読めてゐないことがわかつた。
なんとなく雰囲気で読んだ気になつてゐたんだな。
また、「さういう意味だつたのか」と思ふこともしばしばある。
字を目で追つてゐるだけでは読み飛ばしてゐる部分もあつたといふことだらう。

そんなわけで、「素読、いいぢやん」と思つてゐる。
「素読」本来の意味は「意味を考へずに声に出して本を読むこと」らしいのだが、どうしても意味は考へてしまふ。
学而編の冒頭などは有名だし古典の授業でも取り上げられてゐたりするからなほさらだ。
もしかしたらあまり読んだことのない漢籍の本の方が素読に向いてゐるのかもしれない。
さう思はないでもないのだが、やはりここは「論語」だらうといふ気がしてゐる。
「論語」だつてそのうちよく知らない文章が出てきて、否が応でも意味を考へずに読むしかなくなるはずだ。

ところで、読書する際に黙読するやうになつたのはごく最近のことだ、と聞いたことがある。
その昔は読むことはすなはち音読することだつた、ともいふ。
音読してゐたのか黙読してゐたのか、記録にはなかなか残つてゐないさうなので、しかとはいへないやうだが、さういふの、おもしろいよね。

だいたい、「読書はいい」といふ話があるけれど、読書つていつからそんなにひろまつたのよ、といふ話もある。
TVが広まるまでは「本を読むのはやめなさい」と云はれてゐたといふ話も聞くしね。
でもスマートフォンにとつて代はられたTVについては「TVはいい」とは云はれないから、読書にはなにかしらいいところがあるんだらうとは思ふけれど。

今年は、少なくともこの後は、この点についてちよつと考へてみるかな。

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