Friday, 08 December 2017

ミスのなくならないすごい文章術

毎日新聞・校閲グループのミスがなくなるすごい文章術」を再読した。
仕事で誤字・脱字のチェックをする機会がありさうだつたからだ。

前回読んだときも思つたけれど、「違和感を与へるうちは(そのことばの使用を)やめた方がいいでせう」なんてな場合、どうすればいいんだらう。
違和感を感じる人がゐるかどうかつて、どうやつたらわかるんだ?
書いてみなければわからないのではないだらうか。

書く方は違和感がないから使ふのだ。
「ら抜きことば」に対して「さ入れことば」といふのがある。
「やらさせていただく」とか「行かさせていただく」とか、「さ」が余分に入つてゐることばである。
文章で書いてあるのはあまり見た記憶がないが、耳からはよく聞く。
坂東玉三郎といふ歌舞伎役者がよくこれをやらかす。
玉三郎が云ふからだらう、それに続く若い役者もよくこの「さ入れことば」を使つてゐる。

玉三郎も若い役者たちも、「やらさせていただく」と口にして、違和感を覚えないのだと思ふ。
若い役者はとくにさうなのだらう。
だつて玉三郎が云ふのだもの。
違和感のあるわけがない。

「ら抜きことば」がすでにかなり浸透してゐるのとおなじやうに「さ入れことば」も自然なものに感じる向きが増えてゐるやうに思ふが、それに対して「違和感を覚える人も多いんですよ」と云つてもあまり効果はないやうな気がする。
だつて周囲の人々は使つてゐるのだもの。

「「さ入れことば」は文法的に間違つてゐますよ」と教へることはかんたんだ。
でもそれで「さ入れことば」を使はなくなるかといふと、それはないんぢやないか。
だつて遣ひなれたことばなのだもの。

そんなわけで、この本を読んだらほんたうにミスのない文章が書けるのかといふと、その限りではない。
漢字の使ひわけについても、「常用漢字表を見ろ」といふわりには「常用漢字表にしたがつてゐればいいわけでもない」とも書かれてゐる。

おそらくミスのない文章を書くには「自分の書いたことを疑つてかかる」こと、それにつきるのだらう。
内容はもちろん、ことば遣ひ、文字の選び方に至るまで、疑つてかかる。
さうすれば、あるていどミスを防げるのではあるまいか。
でも、疑つて、なにが正しいかつてどうやつて確認すれはいいのだらう。
辞書だつて人間の作つたものだ、絶対正しいとは限らない。
文法にしたつて人によつて説が違つたりする。

ミスのない文章など書けるわけがない。
さういふことなのだと思ふ。

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Friday, 01 December 2017

11月の読書メーター

11月の読書メーター
読んだ本の数:7
読んだページ数:1954
ナイス数:24

A Tale of Two CitiesA Tale of Two Cities感想
同じことばのくり返しの生み出すリズムに乗せられてぐんぐん読めてしまう。再々読くらいだと思うけれど、おどろくほど記憶にない部分と一字一句覚えている(という気になるだけでほんとはそんなに覚えてなどいない)部分とがある。この何日間か、電車に乗るときに読むようにしていて、電車に乗るのが待ち遠しかった。そんな小説。
読了日:11月02日 著者:Charles Dickens
シナリオの構成シナリオの構成感想
構成についてはもちろんシナリオに関する考察などおもしろい。「シナリオは会社勤めのような気持ちで書くのがもっともよい」と規則正しい執筆生活を勧めるあたりは最近のライフハックにもよく見られる話だ。シェイクスピアの「ジュリアス・シーザー」、自身の「裸の島」、原作と映画両方の「エデンの東」の構成の解説がおもしろい。溝口健二について書いた文章も興味のある向きにはおもしろいのではないかと思う。
読了日:11月06日 著者:新藤 兼人
トップランナーの図書館活用術 才能を引き出した情報空間 (ライブラリーぶっくす)トップランナーの図書館活用術 才能を引き出した情報空間 (ライブラリーぶっくす)感想
12人のトップランナーへのインタヴュー集。学術文体で書かれた著者によるまとめにもあるとおり、みな図書館に対して肯定的というのがおもしろい。そうなるだろうと考えて選定したわけではないというが、無意識のうちにそう選んでしまったようにも思える。図書館以外の話も大変興味深い。自分の図書館とのつきあいについて記憶を掘り起こしてみようかな。
読了日:11月09日 著者:岡部 晋典
先生は教えてくれない大学のトリセツ (ちくまプリマー新書)先生は教えてくれない大学のトリセツ (ちくまプリマー新書)感想
卒業後のことを見据えて大学時代を過ごそう、という内容なのだと思う。いったん卒業して就職してしまったらほぼ不可逆な現状を考えるともっともなことではあるのだが、大学に入学した時点でどうなりたいかわかっている学生ってどれくらいいるんだろう、とも思う。恵まれた環境に育った人なら選択肢もたくさんあろうがなあ。それとは別に講義中の学生の私語について書かれていたのが興味深い。何しに大学に行ってるの?
読了日:11月11日 著者:田中 研之輔
今夜ヴァンパイアになる前に―分析的実存哲学入門―今夜ヴァンパイアになる前に―分析的実存哲学入門―感想
原題は"Transformative Experience"。あることを経験したらいまの自分とはまた違う自分になってしまうようなことを体験するかどうか決める際に何を決め手に判断するのか。例えばヴァンパイアになれるとして、なるかどうかどう判断するのか。解説によるとこの本を読んだあと「ジョジョの奇妙な冒険」を読み返すといいのだそうな。
読了日:11月14日 著者:L・A・ポール
警視庁草紙 下 山田風太郎ベストコレクション (角川文庫)警視庁草紙 下 山田風太郎ベストコレクション (角川文庫)感想
今世紀の初め頃この話を原作としたTVドラマがあった。上巻はともかく、下巻の趣はあのドラマにはなかったように思う。ドラマはドラマでおもしろかったんだけどね。話がどんどん収束していって、読み直すと「これがああなるのか」とか「この人とあの人とが関係あるのか」というのが見えておもしろい。ときどきメタになるのも実は好きだ。
読了日:11月20日 著者:山田 風太郎
A STUDY IN SCARLET (annotated)A STUDY IN SCARLET (annotated)感想
そういやブリガム・ヤングが出てくるんだったっけか、と思いながら読み返す。当時はこういう受け取られ方をしていたのか知らん、とか。
読了日:11月25日 著者:Sir Arthur Conan Doyle

読書メーター

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Wednesday, 01 November 2017

10月の読書メーター

10月の読書メーター
読んだ本の数:8
読んだページ数:1905
ナイス数:19

The Annotated Lolita: Revised and UpdatedThe Annotated Lolita: Revised and Updated感想
冒頭の「アナベル・リー」が何をか言わんや。なぜアリスはありでロリータはなしなのか。アリスは劣等感にはつながらないがロリータは直結するからか。などと考えながら読んだ。確かに「mauve」、何度か出てくるなあ。注釈はざっと眺めたていどだが、やはりあるとありがたい。読み返すときに注釈もじっくり読むつもり。
読了日:10月03日 著者:Vladimir Nabokov
大学生・社会人のための言語技術トレーニング大学生・社会人のための言語技術トレーニング感想
初読のときに「理屈っぽい人間は嫌われる。そうでない社会を作らないと言語技術は広まらない」と書いたが、でもやっぱり自分に足りないのはこういうものの見方なんではないかと思って再読。
読了日:10月06日 著者:三森ゆりか
面白くて眠れなくなる化学 (PHP文庫)面白くて眠れなくなる化学 (PHP文庫)感想
前書きに「その日やったことを夕食の時に生徒が家族に話すような授業を目指す」という旨のことが書いてあって、それだけでOKという気分。中学の時の理科の教師はよく「理科の先生は命がけだ」と云っていたけれど、そのとおりだ。時折「ここにもうちょっと説明があれば」と思うところもあるけれど、このヴォリュームだから仕方がないか。
読了日:10月08日 著者:左巻 健男
弟子弟子感想
孔子の泄冶評を知ったのはこの話でだったと記憶している。それまで儒教というのはあるじへの絶対といっていいような服従を強要するものだと思っていた。「ベンチがアホやから野球がでけへん」でもいいんだ、と思った。その後、尽くすに足る相手を見つけることができるなら、そして自ら働くことができるなら。主人公にはそこのところを理解してほしかったな、と当時も思った。
読了日:10月11日 著者:中島 敦
牛人牛人感想
元ネタは何度か読んでも覚えられないのにこれだと一発で覚えてしまう。それでも時間が経つと「はて自分はいったいなにでこの話を読んだのだろう」と悩むことがある。でも話は忘れない。
読了日:10月12日 著者:中島 敦
和歌でない歌和歌でない歌感想
三十前なのかー。
「和歌」とはなんだろう。いま「和歌」と呼べる歌がどれほどあるのか。などと考え乍ら、自分もまた喘鳴をわれと聞きつつ読んだ夜を思い出す。
読了日:10月12日 著者:中島 敦
論語 (中公文庫)論語 (中公文庫)感想
中島敦の「弟子」を読んだ勢いで再読。でも通読するような本じゃない気がする。全部一気に読むことも必要だけど、ゆっくり時間をかけて読んだ方がよさそう。そこから一字一字を問題にするようになったらおしまいではあるけれど。世の中、探せば出てくることは覚えなくてもいいという風潮があるが、覚えておいた方がいいこともある。この本に書かれていることもそのうちの一つなんじゃないかな。著者独自の新釈もあるけど、出版年が古いのでどれくらい「新」なのかはわからず。
読了日:10月19日 著者:孔子,貝塚 茂樹
老子 (講談社学術文庫)老子 (講談社学術文庫)感想
この本の解説とは違うけれども、無にたどりつくにはとにかくあれこれつめこむことが必要なのではあるまいか。ひたすらつめこんで、つめこんだ先にあるのが無なのではないか。そんな気がした。
読了日:10月23日 著者:金谷 治

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Sunday, 01 October 2017

9月の読書メーター

9月の読書メーター
読んだ本の数:6
読んだページ数:1583
ナイス数:25

Nabokov's Favorite Word Is Mauve: What the Numbers Reveal About the Classics, Bestsellers, and Our Own Writing (English Edition)Nabokov's Favorite Word Is Mauve: What the Numbers Reveal About the Classics, Bestsellers, and Our Own Writing (English Edition)感想
古今の著名な英米文学を入手してどの単語をいくつ使っているのかを分析する。それだけの話なのだが、これが滅法おもしろい。これを可能にしたのはコンピュータの技術なのだが、分析の切り口を決め結果を解釈をするのはいまのところまだ人間のようだ。分析にはPythonを用いたとある。久しぶりに電車を乗り過ごすくらい夢中になって読んだ。日本文学でも同じことやってる人いないか知らん。
読了日:09月01日 著者:Ben Blatt
古文の読解 (ちくま学芸文庫)古文の読解 (ちくま学芸文庫)感想
「これからの若者は理系の勉強をするべきだ。それでなければ日本の未来はない」というような考えから書かれた本である、と解説にはある。古典をもっぱらにしない受験生に如何に合格点を取るかを指南する本。そのはずだが、内容は古文に限らず現代文や英文など外国語で書かれた文の読解にも役立つように思える。
読了日:09月09日 著者:小西 甚一
大人のための国語ゼミ大人のための国語ゼミ感想
「お米をとぐ」という表現を見かけなくなったのはこういうところに起因しているのかなあ。お米はいまや「洗う」ものになってしまった。それも「わかってもらいたい」と思えば仕方のないことなのだろう。こどものころから質問力がないので、これを機に鍛えたい。
読了日:09月12日 著者:野矢 茂樹
語彙力がないまま社会人になってしまった人へ語彙力がないまま社会人になってしまった人へ感想
たとえば「偏頗」ということばを職場の打ち合わせの場などで用いたとして、上司や同僚から「語彙力のある人だ」と思われるだろうか。答えは否な気がする。やってみたことはないから絶対とは云えないけれど。最終章にある語彙力の鍛え方は参考になる。外国語の習得にも役立つのではないかと思っている。
読了日:09月13日 著者:山口 謠司
思考ツールとしてのタロット (こどものもうそうブックス)思考ツールとしてのタロット (こどものもうそうブックス)感想
易の参考にと思って読んでみたところ、タロット自体に興味を惹かれることになる。「コレポン(コレスポンデンスの略)」という考え方がとても興味深い。かんたんに云うと連想かと思う。疲れているときは連想力が全然働かないんだよなー。「想像と言葉」や「はぁって言うゲーム」にも興味はあったけど「ひとりじゃできないんだろうなあ」とあきらめていた。機会があったらこの二つも体験してみたい。
読了日:09月15日 著者:米光一成
いとも優雅な意地悪の教本 (集英社新書)いとも優雅な意地悪の教本 (集英社新書)感想
初めて読んだ橋本治は「桃尻娘」で、「世の中ほんとにこうだったらイヤだなあ」と思ったものだった。当時友人にそう云ったら「え、こういうもんでしょ?」と返って来たように記憶している。そういう人の書く意地悪というのはこういうものなのかもしれないなあ。ってあれから何年たっていると思っているのか。
読了日:09月25日 著者:橋本 治

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Friday, 01 September 2017

8月の読書メーター

8月の読書メーター
読んだ本の数:7
読んだページ数:2457
ナイス数:20

漢文入門 (現代教養文庫 578)漢文入門 (現代教養文庫 578)感想
著者による訳文のうち「当時は流行語かなんかだったんだろうなあ」と思われることばの意味がよくわからない。もしかすると原文の方がわかるのではないかという気がする。現代語訳ってむつかしいんだな。そのときだけわかればいいという面もあるとは思うけれど。読んでいて「漢文って楽しそうだな」と思える。
読了日:08月02日 著者:魚返 善雄
The Secret Life of Pronouns: What Our Words Say About UsThe Secret Life of Pronouns: What Our Words Say About Us感想
シャーロック・ホームズが外見などからその人の職業その他をあてる、その種明かしを読んでいるような気分になる本。話し言葉や書き言葉から代名詞や冠詞、前置詞といった機能語を数えてその使用方法から話し手・書き手の性格を読み取る。日本語でもおなじような結果になるというけれど、日本語の場合はなにを数えるんだろう。
読了日:08月10日 著者:James W. Pennebaker
新八犬伝 結 (角川文庫)新八犬伝 結 (角川文庫)感想
やっと親兵衛が登場して、でもすぐに物語は終わる。この巻ではとうとう父の仇を討った道節がしかし虚しさを覚え、この世の地獄を作り出すのは力や権力を持った者だと悟った親兵衛はひとたびは侍を捨てようと思う。そんな中、さもしい網干左母二郎にもいいところがあったりしてちょっと和む。「新八犬伝」も録画が見つかったりするといいのにな。
読了日:08月15日 著者:石山 透
史記 12 列伝 5 新釈漢文大系 (92)史記 12 列伝 5 新釈漢文大系 (92)感想
このくだりを読んでいると、「儒者って、ダメぢゃん?」という気がしてしまうのは僻目なのか。単に武帝に阿った人が多いからそう見えるだけなのか。竇太后って呂后の下で生き残ってきた人なんだよな。そう思うともう一度そのくだりを読み直したいという気になる。
読了日:08月20日 著者:青木 五郎
町奉行日記 (新潮文庫)町奉行日記 (新潮文庫)感想
一作目の「土佐の国柱」で、一豊の望んでいたことは「民の心をひとつにする」であって、「郷士の除外」ではなかったのではないのかなあ。作者はそう思ってはいないのかもしれないが、読んでいてそういう感じがした。「云わなくても通じる」という話が多い。そういう物語、いまの人も好きだよね。表題作はセリフもちょっと洒落ていて、ドラマ化・映画化されるのもむべなるかなといったところ。
読了日:08月22日 著者:山本 周五郎
目白雑録 (ひびのあれこれ)目白雑録 (ひびのあれこれ)感想
他人に対する批評ももちろん、喫煙室にたむろするぼーっとした喫煙者であるおじさんたちと同類であることを否が応でも思い知らされつつタバコはやめられないなどと自らのことを書く部分も楽しい。
読了日:08月24日 著者:金井 美恵子
概説文語文法 改訂版 (ちくま学芸文庫)概説文語文法 改訂版 (ちくま学芸文庫)感想
参考書としてではなく、一般書として文法書、それも文語の文法書を書こうという意欲・情熱はどこから生まれてくるのだろう。そんなことを思いながら読む。冒頭の「文法とは」とか「文・文章・文節・語」などの説明は口語にも置き換えられる。文法を覚える意義などもとても興味深い。
読了日:08月28日 著者:亀井 孝

読書メーター

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Tuesday, 01 August 2017

7月の読書メーター

7月の読書メーター
読んだ本の数:7
読んだページ数:2528
ナイス数:18

タンパク質の一生―生命活動の舞台裏 (岩波新書)タンパク質の一生―生命活動の舞台裏 (岩波新書)感想
9年前の出版ながら、「こんなことまでわかっているのか」と驚くともに、「でもじゃあなぜそうなの?」と思ってしまう。アポトーシスとか「自殺」と云われるとなんだか悪いことのように思えてしまう自分にはむつかしかったなー。
読了日:07月01日 著者:永田 和宏
泣き虫弱虫諸葛孔明 第伍部泣き虫弱虫諸葛孔明 第伍部感想
「三国志演義」に出てくる大抵はしょーもない詩はどうでもいいけど、土井晩翠はちょっと反則だよね。「泣け」と云われている気がする。しかも最後は(おそらく)「蜀相」だしね。英雄でなくてもね。「もしかしてこれはあの作家の三国志をチクリと刺しているのか」と思われる部分もあって、ちょっと刺激的だ。終わっちゃったわりにさみしくないのは「第壱部から読みなおそーっと」と思っているからかな。なんか終わった気がしない。エンドレスにつづいている。それもまた宇宙なのかも。
読了日:07月06日 著者:酒見 賢一
詩歌三国志 (新潮選書)詩歌三国志 (新潮選書)感想
詩歌「三国志」というよりは詩歌「諸葛亮」だろうな。曹操を詠んだ詩だってそれなりにあると思うし、杜甫はみづからを曹植になぞらえた詩を作ってるし、「三国志」にまつわる詩はもっとヴァラエティに富んでるんじゃないかと思うけれどそれを云うのは野暮なんだろう。
読了日:07月08日 著者:松浦 友久
泣き虫弱虫諸葛孔明 第四部 (文春文庫)泣き虫弱虫諸葛孔明 第四部 (文春文庫)感想
「三国志演義」を読んでいると、赤壁の戦いが終わったあたりから物語のトーンが変わりはじめ、周瑜の死以降はガラリと変わる気がする。この本も第壱部・第弐部とその後とトーンが違う。そういうことなのではないか、と愚考している。
読了日:07月13日 著者:酒見 賢一
The Transcendental Murder (English Edition)The Transcendental Murder (English Edition)感想
ヘンリー・デイヴィッド・ソローとエミリー・ディキンスンとは恋仲だった?
その証拠となるふたりの書いた手紙を持っていた人物が殺される。
犯人は? その動機は?
ハヤカワ文庫のミステリアス・プレスで「エミリー・ディキンスンは死んだ」と「消えたドードー鳥」とを読んで、ホーマー・ケリーものを全部読んでみたいと思ったものだったが、シリーズ第1作となるこの小説は期待したほどおもしろくはなかった。期待しすぎたのかも。
読了日:07月24日 著者:Jane Langton
痛覚のふしぎ 脳で感知する痛みのメカニズム (ブルーバックス)痛覚のふしぎ 脳で感知する痛みのメカニズム (ブルーバックス)感想
痛みは慢性化すると精神的な要素が原因になってくるという。科学的にわかってきたことも多いが、痛みを客観的にはかる方法がないことを考えると、この後もしばらくはふしぎなままなのだろう。デフォルトモードネットワークというのがおもしろかったな。
読了日:07月27日 著者:伊藤 誠二
新八犬伝 転 (角川文庫)新八犬伝 転 (角川文庫)感想
ここで「椿説弓張月」かー。TV番組を見ていたころはぜんぜんわからなかったけど、それだけ荒唐無稽な話ということか。あるいは馬琴だから相性が合うのか。読みながら頭の中で自分勝手な人形劇を妄想してしまう。
読了日:07月29日 著者:石山 透

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Sunday, 02 July 2017

6月の読書メーター

6月の読書メーター
読んだ本の数:7
読んだページ数:1853
ナイス数:20

Slaughterhouse-Five (English Edition)Slaughterhouse-Five (English Edition)感想
多分読むのは三度目だと思ふのだが今回が一番おもしろかつた。テンポがいいんだと思ふ。これを読むと「ローズウォーターさんあなたに神のお恵みを」も読みたくなるといふ副作用があるなあ。
読了日:06月01日 著者:Kurt Vonnegut
鳥類学者だからって、鳥が好きだと思うなよ。鳥類学者だからって、鳥が好きだと思うなよ。感想
読み進むうちに「この文体、飽きたよ」と思ふこと一度ならず。雑誌連載だから仕方がない。それに自分ではまづ体験することのないやうな話ばかりだしね。コセイドンが出てくるに至つては「なにをどう見聞き読みして育つたのですか?」と訊きたくなるほどだ。
読了日:06月07日 著者:川上 和人
新八犬伝 起 (角川文庫)新八犬伝 起 (角川文庫)感想
ときどき坂本九の聲が聞こえてくる。そしてあの太棹の音も。みなさん書いているけれど、ほんとに信乃さんの迂闊さといおうか人のよさには開いた口がふさがらないが、だから物語が進んで行くのさねぇ。
読了日:06月12日 著者:石山 透
So You've  Been Publicly Shamed (English Edition)So You've Been Publicly Shamed (English Edition)感想
読み返してみたらいろいろ忘れている。最初は著者のbotの話からはじまるんだったか。いま読み返すと fact check の話とか出てきて興味深い。参考文献の書き方もいま読むとなんとなく執拗に感じる。ほかの本でもこうなのかもしれないけれど。
読了日:06月19日 著者:Jon Ronson
新八犬伝 承 (角川文庫)新八犬伝 承 (角川文庫)感想
ズンバラリ(ン)とか、最近聞かないよなー。小栗判官照手姫まで出てくる。当時は通用したのだろう。こどもがわからなくてもおとなは知っている、とかさ。ものごとは一方向だけから見てはいけない、いろんな方向から見ないと、とか、教訓ももりだくさんだ。人形劇を部分的にであれ見たことのある人なら場面場面のようすは脳内で補完できるんだろうけれど、そうでない人はどうなんだろう。この書き方で問題ないのかな。
読了日:06月22日 著者:石山 透
毎日新聞・校閲グループのミスがなくなるすごい文章術毎日新聞・校閲グループのミスがなくなるすごい文章術感想
この本を読んだからといってミスのない文章が書けるようになるわけではない。どのことばを使うか、このことばを使っても理解されるか、なぜ自分はこのことばを選んだのかを自分で判断できるようになることが大切だ、と書いてあるとおりだ。常用漢字表を持ち上げておきながら、そこに書いてあるからといってなんでも使っていいというわけではない、という。そういうものなんだよな、結局。
読了日:06月23日 著者:毎日新聞・校閲グループ 岩佐義樹
三国志で攻略!センター漢文12 (大学JUKEN新書)三国志で攻略!センター漢文12 (大学JUKEN新書)感想
テストはないと思ふとものすごく楽しく読める。でも身につかない。世の中さうしたものなのかもしれない。「短歌行」は知つてゐるのとチト違ふ。「対酒当歌」を「酒に対して歌に当たる」と読み下してゐるところに好感を覚える。
読了日:06月27日 著者:高橋忠彦

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Thursday, 01 June 2017

5月の読書メーター

5月の読書メーター
読んだ本の数:6
読んだページ数:1543
ナイス数:6

Pride and Prejudice (Wisehouse Classics - with Illustrations by H.M. Brock)Pride and Prejudice (Wisehouse Classics - with Illustrations by H.M. Brock)感想
なんで「高慢」なのかよくわからなかつたが、「pride」なわけはわかつた気がする。pride=高慢ではないといふことか。それにしてもみんなよく喋る。こんなに喋るのかー。
読了日:05月09日 著者:Jane Austen
大江戸歌舞伎はこんなもの (ちくま文庫)大江戸歌舞伎はこんなもの (ちくま文庫)感想
結局ここに戻つてきてしまふ。歌舞伎関連の本を三冊選べといはれたら、この本と釘町久磨次の本とそのときの気分で一冊だなあ。
読了日:05月11日 著者:橋本 治
佐藤君と柴田君佐藤君と柴田君感想
The Expanding Universe of English、読んだなあ。The Shrinking Universe of Englishを見てみたいと狂ほしく思うた昔を思ひ出す。
読了日:05月14日 著者:佐藤 良明,柴田 元幸
幽霊たち (洋販ラダーシリーズ)幽霊たち (洋販ラダーシリーズ)感想
巻末に単語一覧がついてゐるのが発売当初は目新しいやうに思つたが、Kindleに慣れてしまふと巻末までいつて一々単語を探すのが億劫。翻訳で読んだことがあるのでそれでもなんとかなる。翻訳で読んだのに原文でも読んでしまふといふのはいつたいなんなんだらう。書くつてなに? 生きてゐる証つて?
読了日:05月16日 著者:ポール オースター
シティ・オブ・グラス City of Glass (ラダーシリーズ Level 5)シティ・オブ・グラス City of Glass (ラダーシリーズ Level 5)感想
主人公(だらう)の足跡を地図上でたどりたくなつてくる。文具好きとしては赤い手帳が気になるなあ。
読了日:05月20日 著者:ポール・オースター
警視庁草紙 上 山田風太郎ベストコレクション (角川文庫)警視庁草紙 上 山田風太郎ベストコレクション (角川文庫)感想
登場人物に著名人が多いところを楽しむか、隅のご隠居(元・町奉行)と川路大警視との目に見えぬ戦ひを読むか、はたまた明治初期のあれこれに思ひを馳せるか……全部か。以前NHKでドラマ化された番組を見てゐた。ドラマはドラマでおもしろかつたけれど、原作のもつ雰囲気はなかつたやうな気がしてゐる。
読了日:05月26日 著者:山田 風太郎

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Monday, 01 May 2017

4月の読書メーター

4月の読書メーター読んだ本の数:3読んだページ数:713ナイス数:11Wuthering HeightsWuthering Heights感想サーズデイ・ネクストのシリーズでヒースクリフは超絶人気者といふことになつてゐる。なぜなのだらう。読んでもわからなかつた。悪は好きなはずなのだがなー。ヒースクリフは悪ではないんだな、きつと。読了日:04月13日 著者:Emily Brontë
昔話 (講談社文芸文庫)昔話 (講談社文芸文庫)感想文明とは、といふ話だと思ふが、その一方で「洗練とは」といふ面もあるやうに思ふ。読了日:04月19日 著者:吉田 健一
時間の言語学: メタファーから読みとく (ちくま新書1246)時間の言語学: メタファーから読みとく (ちくま新書1246)感想時間は抽象的なものなのでメタファーを使用しないと語れない、とか、時間の流れは未来から来るのかはたまた過去からか、そして視点はどこにあるのか、といつたあたりはおもしろかつた。しかし、「時は金なり」を「時は命なり」に変へなければといふ主張がどこからやつてくるのか不明。危機感はわかるし、世の中このままではいかんだらうとも思ふのだが、いささか唐突な結論に感じた。読了日:04月25日 著者:瀬戸 賢一
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Sunday, 02 April 2017

3月の読書メーター

3月の読書メーター読んだ本の数:7読んだページ数:1680ナイス数:46Living with a Dead Language: My Romance with LatinLiving with a Dead Language: My Romance with Latin感想出版会社で編集をしてゐた著者は退職するにあたつてラテン語の勉強をはじめる。こどもが巣立つた後アルコール依存症になつて死んだ母のやうにはなりたくないし、もともとことばには興味があつたからといふのが理由だ。大学のラテン語の講義を聴講するところからはじまつて著者がラテン語を習得していく様を読んでいくわけだが、これが存外面白い。本好きで業界の人といふと文学的な読みづらい文章を書く人が多いが、この本は別。とても読みやすい。古典の研究者とSFファンとは似たところがあるといふ説も興味深い。読了日:03月07日 著者:Ann Patty
C. Auguste Dupin The Trilogy/ The Murders In The Rue Morgue/ The Mystery Of Marie Roget/ The Purloined Letter (English Edition)C. Auguste Dupin The Trilogy/ The Murders In The Rue Morgue/ The Mystery Of Marie Roget/ The Purloined Letter (English Edition)感想何十年ぶりかに読んで「こんなにせりふだらけだつたつけか」と思ふなど。「盗まれた手紙」は「マリー・ロジェの謎」でしでかしたことを回収しようとしたのかな、といふ気もする。読了日:03月11日 著者:Edgar Allan Poe
深川安楽亭 (新潮文庫)深川安楽亭 (新潮文庫)感想短篇集。大まかにわけると師と弟子もの(理解者もの)、生まれつきだから仕方ないもの、笑ひ話、といつたところか。説教臭さが苦手だつたが、「四人囃し」や「あすなろう」、「深川安楽亭」を読むと、「生まれつきだもの」と開きなほれる気もする。映画では壊滅状態になつてしまふが、原作ではちやんと深川安楽亭は安泰だ。ああいふ場所はなくてはならない。いま現実にどこにあるのかわからないけれど。読了日:03月16日 著者:山本 周五郎
ほんもの: 白洲次郎のことなど (新潮文庫)ほんもの: 白洲次郎のことなど (新潮文庫)感想Obituaries といつたところか。知人の死後、とくに直後にその人のことを書くのはむつかしいなあ。著者が國學院の教授から素読を習ふくだりで「源氏物語」の冒頭を「いずれのおほん時にか」と書いてゐて、やはり國學院の人は「御時」は「おほんとき」と読むのだなあと思うたりした。「あたくし」といふ一人称は一度は使うてみたいものである。読了日:03月17日 著者:白洲 正子
ドラマ「鬼平犯科帳」ができるまで (文春文庫)ドラマ「鬼平犯科帳」ができるまで (文春文庫)感想比較はむづかしいんだなあ。吉右衛門の「鬼平」と前三作との違ひが述べられてゐるところを読むと、書かれてゐないのに「だから吉右衛門の「鬼平」の方が優れてゐる」と書いてあるやうに読めてしまふ。僻目なのかな。吉右衛門の「鬼平」が他の三作と違ふ点として平蔵と久栄との衣装がそれとなくお揃ひになつてゐるやうに見受けられる点があつたのだが、それについての言及はなかつた。単に自分の妄想だつたのかもしれないし、わからないことはわからないままでいいのかもしれない。読了日:03月21日 著者:春日 太一
虎の夜食虎の夜食感想全部フィクションなのか! 読んだといふよりは一通り目を通したといつた状態。これからじつくり読む。読了日:03月25日 著者:中村 安伸
人はなぜ物語を求めるのか (ちくまプリマー新書)人はなぜ物語を求めるのか (ちくまプリマー新書)感想自己中心的であると云はれ続けてきて、この本を読んで「さういふことだつたのか」と腑に落ちること一度ならず。でも横入りされたらやつぱり不機嫌になるんだらうなあ。読了日:03月28日 著者:千野 帽子
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