Thursday, 30 September 2021

弘法は紙をも選ばず?

セーラー万年筆のオンラインショップで買物をした。
セーラーショップオリジナルのレクルふでDEまんねん万年筆の宵闇を買ひ、一緒に買つた女子いろdaysのレディカクテルを入れた。
これがとても書きやすい。
これまでも深緑色の軸のふでDEまんねんを使つてはゐたが、どうもうまく使へた試しがない。
年賀状用と思ひ、つねより丁寧に書かうとするからだらうか。
それともペンについてくるインクとの相性がよくないのか。
そんなわけで、結局ふでDEまんねんの出番はなく、セーラー万年筆の長刀研ぎで年賀状を書くことが多い。
なぜ長刀研ぎなのかといふと、ある程度太く書けて、ペンをひつくり返せば細くも書けるからだ。
全体的には普通に書き、自分の住所と名前の部分だけ細く書くといふ風に使つてゐる。

ふでDEまんねんは使ひこなせないなと思つてゐたのに、レクルふでDEまんねん万年筆は書きやすい。
自分なりに書いてみてインクがかすれるといふことがないといふのがとにかくうれしい。
いままでのふでDEまんねんだと書き出しがかすれがちだつたんだよね。
万年筆を使ふときはどちらかといふとペンを寝かせがちなので、ふでDEまんねんだと基本的には太い線で書くことになる。
ボールペンのときは立てがちなので、さうやつて書くと細字になる。
不器用な自分でもそのあたりはわりと自由自在にできる。
楽しいなあ。

セーラー万年筆ではズームといふペン先も好きで使つてゐる。ナガサワ文具センターオリジナルの甲南マルーンといふ万年筆のペン先にズームを選んだ。
これがまたすこぶるよい。
ズームはペン先に工夫があつて、わりとどんな角度で書いても書けるやうになつてゐるといふ。
例によつて基本的には太い線で書くことになるのだが、さうするとインクの色が楽しめていいんだよね。
線が太いからインクの濃淡が出やすい。
それでゐて必要に応じて細字でも書ける。
さうなるとそのペン一本あればいいぢやんといふ話になるが、さうもいかないのが我ながら情けない。

ところで、最初、レクルの試し書きにはロディアのメモ帳を使つてゐた。
線が太くなりすぎることがあつて制御しづらいなあと思つてゐたが、かういふものなのかなとも思ひながら書いてゐた。
それがなんの気なしに丸善の萬年筆物語の便箋に書いてみたらばこはいかに。
書きやすいぢやあないですか。
同じやうに書いてゐるつもりなのに、線が太くなりすぎるといふことがない。
もしかして紙のサイズが違ふからペンの持ち方が変はりそれで違ひが出るのかとも思つたが、どうもさうではないやうだ。
紙の吸水性のせゐなのかなあ。
Rhodiaのメモ帳だとわりと書いたままの太い線になるのだが、萬年筆物語ではちよつときゆつとしまつた感じの線になる。

紙によつて書き味が違ふことは重々承知してゐたつもりだ。
たとへば同じペンを使ふのでもMoleskineに書いたときとSmythsonのPanamaに書いたときとではまつたく書き味が異なるし、そもそも線の太さも変はる。
Moleskineに書いた時の方が太字になり、Panamaに書いたときの方が細字になる。
でも、書いた字の見栄えがこんなに変はるとは思はなかつたなあ。
紙によつてうまく書け(たやうな気にな)るなんて、はじめてかも。
いつもどうせうまく書けないよと思つてゐたからなあ。

弘法大師は紙も選ばぬのかもしれないが、さうでないものは紙も選ばないとダメなんだなあ。

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Wednesday, 22 September 2021

マルマンのクロッキーダイアリーがほしい

マルマンのクロッキーダイアリーを使つてみやうかと思つてゐる。
マルマンのクロッキー帳の最初の15ページくらゐが自分で日付を書き込むやうになつてゐるカレンダー式の予定表になつてゐて、あとはクロッキー用紙といふ手帳だ。
ほぼA6横サイズのものと真四角に近い形のものとある。

もうせん使つてみたいと思ひつつ、Bullet Journal形式にするやうになつてから無地は使ひつらいなあと思つて手帳の選択肢からはづしてゐた。
今回なぜ候補にあがつたかといふと、とにかく書き留めたいことがあることに気づいたからだ。
Bullet Journal形式は、インデックスやコレクション・ログから考へて、あとから検索することも視野に入れた手帳だ。
つまり、ある程度といふよりはできるかぎり読み返しやすく書くことを前提としてゐる。
さう思つてゐる。

でもさうできないこともあるよね。
いま咄嗟にメモを取りたいときとか。
自分でいへば『ドクター・フー』などを見ながら「このセリフはメモにとりたい!」と思つたときとか。
さういふときは走り書き、もつといへば殴り書きになつてしまふ。
Bullet Journalに走り書きしてあとで清書してもいいけれど、それだといくらページがあつても足りない。

そこで、下書き用といはうか、昔でいふ計算用紙のやうな手帳がひとつあるといいなあと思つたのだつた。
実際、今年は手持ちのマルマンのクロッキー帳で似たやうなことをしてゐた。
なぜ「マルマン」と書くかといふと、別段こだはつてゐるわけではなく、手に入りやすいのがマルマンのものだからだ。
もちろん、マルマンのクロッキー帳の紙がいいといふこともあるけれどもね。
万年筆で書いてもにぢまないしもちろん裏抜けもしない。やつがれの持つてゐるペンやインキの範囲では、だけれども、それで十分だ。
難点は、ぱらぱらとページをめくりにくいといふことか。
手帳やノートといふのは、使ひ終へたページをなんとなくめくつてゐるときにはつと気づくことがあつたりする。
それは情報カードでやればいいのではといふ話もあるのだが、うーん、さうなんだよなあ。
このあたりの情報と情報との連携については、悩むところではある。

だが、いづれにしても下書き用にクロッキー帳があるといいなと思ふ一方で、だつたら手帳形式のものを使つてみたいなと思つたのである。
考へてみたら、普通のクロッキー帳を買つてきて、最初の何ページかに自分でカレンダーを書いて使へばいいやうな気もしてきたが。
この文具屋の店先に手帳の並ぶ季節、見つけたら買つてみたいと思つてゐる。
クロッキー帳だと無地といふのもいいんだよね。
子どものころ使つてゐたお絵描き帳の延長のやうな感じがするところが気に入つてゐる。

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Wednesday, 01 September 2021

2022年の手帳

来年の手帳として、まづはRollbahnのTagesbuch+Notizbuchを買つた。
例年だとこの時点で二冊は買ふのだが、今年は干支柄の表紙のものを一冊だけ買つた。
明るいブルーグレイの地に白い虎のゐる表紙だ。
ロルバーンの干支柄の表紙は毎年気にいつてゐて、今年も牛柄を使つた。
さういや今年のロルバーンも地は青いな。ちよつと紫がかつてゐて、periwinkleとでも呼びたいやうな色合ひだ。
例年この時期にRollbahnの手帳を二冊買つてゐたのは、だいたい三ヶ月で一冊を使ふペースだからだ。自分のペースでBullet Journalをやつてゐるとそんな感じになる。
一冊めの半ばをすぎるくらゐには四月始まり用の手帳が店頭に並ぶのでそこから一冊選び、二冊目を終へ三冊目も二ヶ月目に入るころ十月始まりの手帳が世に出回るのでそれを買ふ。
さうして一年に四冊ペースで使つてきたのだが。
今年ほぼ日手帳weeks MEGAを使つてみたらことのほかよかつたのでやはりこれも使つてみたいのだつた。

そんなわけで、今年はあと来年用のほぼ日手帳weeks MEGAを買ひ、LEUCHTTRUM1916のソフトカヴァーのB6サイズを買つてみたいと思つてゐる。

LEUCHTTRUMのB6サイズは去年、「もうこれ以上来年の手帳は不要だ」と思つた時期に発見した。
LEUCHTTRUMにB6サイズがあつたならあとかねがね思つてゐたので楽しみである。
ただ、内容がどうなつてゐるのかよくわからないのがちよつと難だな。
実物を手に取つて中身を見てみたら「自分にはむかない」といふことがわかるかもしれない。
とにかく自分はRollbahn形式で、月間予定表があつて、残りは全部方眼用紙といふやうな手帳を求めてゐるからだ。
それにそぐわはない手帳はちよつと買ふ気にならない。

そんなわけで、来年はほとんど冒険はしない。
今年使つてよかつた手帳をまた使ふといふ感じだ。
手帳もやはり使つてみないとわからない点とかあるしな。
Rollbahnを使つてゐるときはこれを超える手帳はないと思つてゐるが、ほぼ日手帳weeks MEGAを使つてゐると「この程度の大きさなのになんでも入るなんてすぐれものだ」と思つてゐる。

いまのところの課題は、最近MemoFlowyを使つてメモをよくとるやうになつたことで、デジタルと手書きとの融合をどのやうに行ふか、だ。
いまはとにかくなにか思ひ浮かんだらMemoFlowyに記入してWorkFLowyにうつす。そして時にWorkFlowyを見直し、最終的にはScrapboxへと移送する。
デジタルのすぐれてゐるところは、検索性が高いことだ。
手書きのメモでは記憶を頼りにページを繰つて目的の内容にたどりつくことが多い。
デジタルなら検索をかければ一気に結果を取得できる。
この便利さはほかには変へがたい。

手書きとデジタルとをもつとうまく連携できるといいんだがな。
来年の課題はそれかな。

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Wednesday, 30 June 2021

文房具への愛着

サクラクレパスのBallsign iD 0.4が気に入つてゐる。
ミステリアスブラック(パープルブラック)とフォレストブラック(グリーンブラック)とを持つてゐて、どちらもいい色だ。
気に入つてゐる点は主に三つ。
まづ書きやすいこと。
ちよつとすべるかな、と思はないこともないが、まつたくすべらないよりは好みだ。
次に細く書けること。
0.38のuni-ball oneより描線が細い。ちよつと書き込みたいとか書き足したいといふ用途にとても向いてゐる。
そしてにぢんだり裏抜けしたりしづらい。
すくなくともいままで使つてゐてにぢんだことも裏抜けしたこともない。
いいことづくめだ。

三菱鉛筆のuni-ball oneも好きで、ほぼ0.38ばかりだが何色か持つてゐるし、中でもブルーブラックは書き込み用、すなはちマージナリア用に3本用意した。
自宅に置きつぱなしにしてゐるものと、持ち歩くものと、予備。
uni-ball oneも書きやすいし(書き出しがかすれるといふ人もゐるが、自分が使つてゐる範囲ではさうしたことはいまのところない)、にぢみも裏抜けもしないのだが、ちよつと描線が太いんだよね。
まあ、Ballsign iD 0.4に比べると、といふことだけれども。

昔の本、とくに聖書にあるやうなやたらとマージンの大きい本ならいざ知らず、大抵の書物はマージンがそんなに多くはない。
あー、歌集とか句集とかは大きいか。
あと、最近だと『独学大全』のマージンがかなり大きくとつてあると思つてゐる。これはきつと書き込む人用なんだらうなと思つてゐるんだけど違ふかな。
いづれにせよ、自分が読む本にはそれほどマージンがさほど大きくない。
さうすると、できるだけ細く書けるペンがいいんだよね。

でもなー、uni-ball one、買つちやつたしなあ。
使ひきつたらBallsign iDにしてもいいけど、いつになつたら使ひ切るやら。
なにしろ用途がマージナリアだからねえ。

それで思ひ出したのが、岸裕子のまんがだ。
多分、「玉三郎 恋の狂騒曲」の中のどれかだつたと思ふ。
人は一度愛着を失つたものには二度と見向きもしない、といふのだ。
どんなに寵愛を受けてゐたものでも、或は寵愛を受けてゐればこそ、それを失ふと、二度と愛されることはない、と。
そのころはよくわからなかつたけれど、なるほど、かういふことなのかな、と思ふ。

あんなにuni-ball oneのことを気に入つてゐたのに、いまはBallsign iDに夢中、みたやうな。
Ballsign iDはブラック系の六色だけだから、uni-ball oneのブルーブラック以外の色はいままで通りに使つてゐるけれど。
ブルーブラックへの愛は戻らないかもしれない。
無論、Ballsign iDが製造中止などといふことになつたら話はまた別かもしれないが。
でもさうしたら、岸裕子のまんがでいくと、uni-ball oneではなくて、なにか別の新しいペンを求めてしまふんだらうな。

いまのところ、まだBallsigh iDのブルーブラックは買つてゐない。
そこは自分なりにけぢめかなあと思つてゐる。

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Thursday, 24 June 2021

ペン沼とは云はないが 

インク沼といふものがある。
世にあふれる多様で美しい万年筆インクの世界のことを指すと思つていいと思ふ。
「沼」だからさうした世界にはまる人が後をたたない。
もちろんやつがれも万年筆インクは好きだ。
でもそんなにはまつてゐるとはいへない。
少なくとも自分ではさう思ふ。
万年筆のインクにまつたく興味のない人から見たらはまつてゐるやうに見えるかもしれないが、インク沼にはまつてゐる人から見たらまつたく大したことはない。そのはずだ。

その証拠に、自分の持つてゐて使つてゐるペンにどのインクが入つてゐるかすべて把握してゐる。
別段記録を残してゐるわけではないのに、だ。
いまぱつと目に入つたペンでいふと、エルバンの紫色のペンにはエルバンのヴィオレパンセを入れてゐて、グラーフ・フォン・ファーバーカステルのペルナンブコにはラミーのターコイズを入れてゐる。
ターコイズ軸のキャップレスには色彩雫の紺碧、緑色のキャップに灰色の軸のカクノには色彩雫の稲穂、ペパミントグリーンの軸のカクノには色彩雫の竹林、赤いキャップで透明軸のカクノにはプラチナのフォレストブラック、赤いキャップで黒い軸のカクノにはプラチナのシトラスブラック、紫色の軸のカクノには色彩雫の天色、ピンクのキャップのカクノにはナガサワ文具センターのルノワール・ピンク、A.S.Manhattaner'sには山鳥、中屋万年筆の昇竜にはプラチナのブルーブラック、パイロットカスタム823にはウォーターマンのブルーブラックを入れてゐる。

我ながら無駄な記憶だと思ふのでなんとかしたいが、おかげで記録を確認しなくてもインクの補充ができるのでまあいいかと思つてゐる。
これが可能なのも、手持ちのインクの種類が限られてゐるからだ。もしもつとたくさんインクを持つてゐたらかうはいかないと思ふ。
なぜインク沼にはまらないのか。
さまざまなインクを見るたびに、気に入つた色を見つけてはほしいと思ふ。
だつたら買へばいいのになぜ買はないのか。

いろいろ考へてみたが、自分はインクよりペンに重きをおいてゐるからだと思ふ。
書きやすいペンがいい。
まづはペンありきで、次がインクだ。
上の例を見てもわかるとほり、長く使ふだらうペンには長く存在するだらうインクを入れてゐることからもわかる。
冒険はしない。
すぐになくなりさうなインクや限定インクは長く使ふだらうやうなペンやここぞといふ時に使ふ勝負ペンには入れない。
とはいへ、純正のブルーを入れてゐたデルタのドルチェ・ヴィータは製造中止になつてしまつたからいまはラミーのブルーを入れてゐるし、上にも書いたペルナンブコには最初はモンブランのブルーブラックを入れてゐて、次には同じくボルドー、これが製造中止になつてしまつたのでカランダッシュのターコイズグリーン、それも製造中止になつてしまつたので、さんざん悩んでラミーのターコイズを入れてゐる次第だ。

以前はさういふ無謀なこともしてゐたけれど、さうしたことは次第にしなくなつて、いまはペンに入れるインクを決めたらそのあとは変へないやうにしてゐる。
限定インクを入れるときはゆくゆくはインクを変へることを心して入れる。
万年筆のインクを変へるのは化学変化もあつてめんどくさいからだ。

だつたらガラスペンを使へばいいではないか、といふ意見もあるかと思ふ。
インク沼の広がりにあはせてガラスペンの人気もたかまつてゐることは見てゐてなんとなく理解してゐる。
ガラスペン、きれいだもんね。
特にこれからの季節、涼しげでとてもよい。
かくいふやつがれもガラスペンは一本持つてゐる。
佐瀬工業の、一度インクをつければA4一枚くらゐ書けるといふガラスペンが手元にある。
しかし、なんとなくおそるおそる使ふせゐかあまり出番がない。
そもそもA4一枚くらゐ書くといふことがあまりない。
あつても結果としてさうなつてしまふので、書き始めるときにはどうなるかわからない。
あと、ガラスペンは書いてゐてペン先をつぶしさうな気がしてちよつと怖いんだよね。
つまり、怖々使ふことになる。

ペンはさうしたことはあまり気にせずに使ひたい。
それでなくても万年筆は気をつけて使ふ点がいくつもある。
キャップにぶつけないやうにだとかどこかにひつかけないやうにだとか落とさないやうにだとか。
それはボールペンや鉛筆でもさうなんだらうけれど、万年筆でそれをやると致命傷になりかねない。
そんなわけで、とつさにメモをとる時にはキャップレスやキュリダスになりがちといふこともある。

でも、書き心地を考へたらやつぱり万年筆はやめられないんだよね。
筆圧をかけずともするすると書けて気持ちよく、いつまでも書いてゐたい気がしてくる。
しかもいい色のインクが入つてゐて、描線の中にインクの濃淡が見てとれたりもして、なんともいへない。
書いた後はインクの色がすこしづつ変はつていくのもいい。

さう、ペンとインクとは切つても切れない関係にある。
でもどちらかといふとペンの方に重きを置いてゐるんだよね、といふ、それだけの話。

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Wednesday, 23 June 2021

消へるボールペンの謎

新型コロナウィルスのワクチン大規模接種会場で、「消せるボールペン」のことが話題になつてゐると聞いた。
もしかしたらワクチン接種の会場ではどこでも困つてゐるのかもしれない。
フリクションといふその手のボールペンは、2本ほど持つてはゐる。
いづれもとある文房具店でもらひ受けたものだ。
お店の人は親切に「フランスで大人気」と教へてくれた。

しかし、残念ながら「フランスで大人気」といふことばはやつがれの心には響かない。
エルバンのヴィオレパンセといふインクがかつてはフランスの学校で使はれてゐたといふのはちよつと響く。
実際、手持ちの万年筆にもこのインクを入れてゐて、日々使つてゐる。
ファッション関連では「フランスで大人気」は大方の人に響くのだらう。
最近はさうでもないのかな。

文房具はどうだらう。
「フランスで大人気」はやはり重要なのだらうか。
フランスの文房具……さうだなあ。クレール・フォンテーンのノートは好きだなあ。
サイズと罫線種類とが自分の好みにぴたりと合ふものとなかなか出会ふことがないのでいまは使つてゐないが、合ふものがあつたらほしいし使ひたいノートだ。
エルバンのインクについては書いたとほりヴィオレパンセを愛用してゐる。
ウォーターマンのクルトゥールライトとクルトゥールは使つてゐる。金ペン堂で求めたモンブランのマイスターシュテックにはウォーターマンのブルーブラックが入つてゐる。お店のおすすめだつたからだ。
ほかは残念ながらわからない。
あまり舶来趣味がないこともあるし、そもそも自分には分不相応といふ思ひもある。

ただ一つ云へることは、フリクションの人気は「フランスで大人気」だからではないだらう。
その証拠にフリクションをくれた文房具店以外で「フリクションはフランスで大人気」といふ話を聞いたことがないからだ。
フリクションは、さうでなくても人気がある。
それはわかつてゐる。
だがなんで人気があるのかわからない。

消したいのなら、または消す必要があるかもしれないなら、鉛筆で書けば済むことだ。
間違へたら消しゴムを出してきて消す。そして書きなほす。
それでいいではないか。
なぜボールペンにその機能が必要なのかが解せない。
だいたいボールペンといふのは書いた文字が消へたら困る状況で使用する筆記用具ではないのか。
以前はその役割は万年筆が担つてゐたのだらうが、いつのまにかボールペンがその座を占めるやうになつて久しい。
実際、葬儀に必要な書類に記入する際、古典ブルーブラックインクの入つた万年筆を使つてゐたら、「ここは黒字でお願ひします」と云はれ、黒インクの入つた万年筆を取りださうとしたら「ボールペンで」と云はれたことがあるくらゐだ。もしかすると複写式の書類だつたのかもしれないがそこのところは忘れてしまつた。だいたい葬儀用の書類に記入する時といふのは常の精神状態になかつたりするしね。

間違へたらそれがわからないやうに訂正したいとか訂正しても大丈夫な場合で、しかも書いたものが消へてもいいことといふのはそんなにあるだらうか。
たとへば学校で使ふノートなどもボールペンで書いた方がいいといふ説もある。
書き間違へた部分はそれとわかるやうに残しておいた方が学習上いいといふのだ。
それには一理ある気はする。
受験勉強をしてゐるときはボールペンを使つてゐた。
ペンを使ひ切ると勉強した気になるからだ。
えんぴつだとなかなか使ひ終はらないし、シャープペンシルの芯を使ひ切つてもそれとわからないことがある。
そこいくとボールペンなら適当な時点で使ひ切るし、使ひ切つたことも明瞭にわかる。
書き損じた部分は仕方ないそのまま残してゐたが、それもよかつたのかなあ。この点についてはチトわからないし自分は懐疑派だ。

そんなわけで、人がどういふ時にフリクションを使つてゐるのかがよくわからない。
消へたら困るものなんて世の中にはそんなに存在しないといふことか。
手帳に予定を書き留めて、それが消へてもたいした問題ぢやないのか。
さうなのかもしれない。
世の中に生まれ出たものはいづれ消へ去る。
さうしたはかなさを、フリクションは表現してゐるのかもしれない。

だが、いづれにしてもやつがれはボールペンにさうした機能は求めてゐない。
ボールペンにはボールペンらしくあつてほしい。
そもそもすこし前まではボールペンがあまり好きではなかつた。
ペンの持ち方が妙だからだらう、書いてゐるうちにどんどんペンが手の向かう側に倒れていく。
書きづらいとは思はないが、あまり書きやすいとも云へない。
そんなだからペン先が紙に当たる角度も妙なのだらう、書き出しがかすれたりだまになつたりすることが多くて閉口することが多かつた。

数年前、S.T.DupontのJet8といふボールペンに出会つてすこしボールペンへの見方が変はつた。
Jet8は流線型で軸の色の展開が鮮やかでどれもくつきりしてゐる。
そんなわけであんまり「これ!」といふ色がなかつたが、空色を愛用してゐる。
このペン、自然と正しいペンの持ち方(多分)ができるのもいいんだよね。
# あ、これもフランス製?

その後、カランダッシュのネスプレッソのゴミをリサイクルしたボールペンも気に入つて使つてゐるし、三菱鉛筆uniのJETSTREAM Edgeの筆圧をかけずに書けるところにも惹かれてゐる。
油性ボールペンはそんなところかな。この3本はどれも気に入つてはゐるけれど、どうも書いたときの描線があまり好きになれない。なんといふか、途切れてゐる気がするんだよね。そんなのどうでもいいぢやんと思ふけれど、なんだかあまりうつくしくない気がする。

ジェルボールペンでいくと、三菱鉛筆はuni-ball oneがとても好きで、あとサクラクレパスのBallsign iDが最近のお気に入りだ。
uni-ball oneのいいところは、インクのにぢみや裏抜けがあまりないことだ。色の展開はあまり好みではない。赤と緑にもうちよつと微妙な色合ひがあるといいとは以前も書いたとほりだ。
そこは季節ごとに販売される特別色で補完されるのかもしれないけれど、さういふ特別色つて売り切つたらもう手に入らないだらうのが困るんだよなあ。
フランボワーズとか、とても好きなんだけれども、この前やつと売れ残つてゐるのを見かけたくらゐでその後手に入りさうにない。

Ballsign iDは黒のヴァリエーションが多くて、やはりインクのにぢみや裏抜けがあまりない。0.4mmなのに0.38mmのuni-ball oneより細く書ける気がする。そこもいい。

これら気に入つてゐるボールペンで書いた文字が消せたらいいだらうか?
いいなと思ふときもある。
年賀状を書いてゐるときなどはさうかもしれない。
親しい人への手紙なら書き損じのひとつやふたつはご愛嬌ぢやあるまいか。
いづれにせよ、気温だ湿度だで消へてしまふよりはずつといい。
消したいときは鉛筆の出番。
さう思ふんだけどなあ。

 

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Friday, 04 June 2021

万年筆を買つたわけ

一時はずいぶんと万年筆を買つたものだつたが、ここのところ落ち着いてゐる。
去年はキュリダス二本と紫雲とを求めて、「ここのところになく買つたなあ」といふ気分だつた。
新型コロナウイルスに巻き込まれてゐるさなか、本邦の経済を回す助けになつたのではないかと思つてゐる。

今年はいまのところ一本も買つてはゐない。
中屋万年筆の黄昏透かしがとても気になつてゐるが、ちよつと手が出ない価格だ。
それに、まあこれは去年も思つてゐたことではあるけれど、手持ちのペンを使ふ時間の方がほしい気分でもある。

それにしても、なんでこんなに万年筆を買つてしまつたんだらう。
いろいろ考へてゐたが、つまるところ、子どものころ買つてもらへなかつたからなのではないだらうかと思つてゐる。
入学入社の祝ひに万年筆といふのはよくあることなのではないかと思ふし、我が家にも親類から進学祝ひにクレージュの万年筆とボールペンのセットをもらつたものもゐる。
だが、自分は一度としてもらつたことがなかつた。
もらつたことのある万年筆といへば、母からのお下がりでコンヴァータもカートリッジさへない、母曰く「ペン先のつぶれた」万年筆数本だ。
当時は家に瓶に入つたインクがあつたから、つけペンのやうにして使つてゐた。

はじめての万年筆は、近所のスーパーマーケットで購入したフランス製の万年筆だ。
確か三百円くらゐだつたと思ふ。
明るいロイヤルブルーのカートリッジがついてゐた。
だが、インクの出があまりよくなかつたこともあり、またカートリッジが切れてしまつたこともあつてあまり使つた記憶がない。

セーラー万年筆のキャンディなんかもほしかつたなあ。
でも買つてくれとねだることはなかつた。
なんか、さういふことはしてはいけない気がしてゐた。

自分用に万年筆を買つたのは就職してからだ。
建替前の日本橋丸善でモンブランマイスターシュテックのショパンエディションを購入した。
これが実に書きやすいペンだつた。
下手ではあるものの、自分の字が書けるペンだつた。
それはいまでも変はらない。
このペンと、中屋万年筆から求めた中軟のペンが一番自分らしく書けるペンだ。

また、職場のそばの文房具売り場でセーラーのハイエースを見つけて買つて使つてみたら、これがまた書きやすかつた。
ペンによつて書き味が大きく変はることも知つた。

そこからやたらと万年筆を購入する生活に突入するわけだが……
うーん、やたらと買つて使つてみたからどんなペンが好きかわかるやうになつた、とも云へるからなあ。
わるいことだつたとは思ひたくないが、いまとなつてはあまり使はないペンもあつて、なんだかペンや作つた人に申し訳なく思ふこともある。

もし、子どものころ、万年筆がほしいと思つてゐたころに買つてもらつてゐたらどうだつたらうか。
こんなにムダにペンを買ひ求めることはなかつたらうか。
なかつたかもしれないし、やはり自分にとつて一番よいペンを求めて買ひあさつてゐたかもしれない。

でもキャンディ万年筆は買つてなかつたかもしれないな。
キャンディ万年筆といつて、我が家のはA.S.Manhattaner'sだけどさ。

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Thursday, 20 May 2021

十一年目の万年筆

中屋万年筆の十角軸ピッコロに細軟のペン先をつけたものを使用してゐる。
確認したらどうも十年は使つてゐるらしい。ほんたうに? ちよつと疑問だ。
しかしさう思へばなんとなく字幅が太くなつてゐる気がする。国産の細字とは思へない太さだ。
とくに書きづらいといふこともなく、筆圧をかけて書くこともさうないと思ふのだがなあ。
ためしにおなじ中屋万年筆の中軟とくらべてみると中軟の方が太いので、気のせゐもしくはほかの細字に比べて太いといふだけのことなのかもしれない。
とはいへ、使ひはじめて二年ほどたつたときに中屋万年筆のイヴェントで見てもらつたら「ずいぶん使つてゐますね」と云はれたので、もしかしたら使ひすぎなのかも? もうペン先がすりへつて、イリジウムがなくなつて、ダメになつてしまつたのだらうか……などと不安でならない。

思へば、万年筆とのはじめての出会ひは母のお古だつた。
母が昔使つてゐたといふ万年筆を二、三本くれたのだが、母が云ふにはいづれもペン先がつぶれてゐるとのことだつた。
カートリッジといふものやコンヴァータといふものを知らなかつたので、家にたまたまパイロットの瓶のインキがあつたのをいいことにつけペンのやうにしてて使つてゐた。
当時はよくわからないから、つぶれてゐると云はれればなるほどつぶれてゐるのだらうと思つて使つてゐた。

その後、万年筆のペン先といふのはつぶれるものなのかどうか疑問に思つてゐたが、どうやら使ひ過ぎるとペン先のイリジウムが摩耗してしまふのだといふことを聞いた。
それがペン先のつぶれた状態なのだらうと思ひこんで今に至る。

だが待てよ。
母がイリジウムの摩耗するほど字を書いてゐたとは思へない。
もしかすると若い頃は職場でそんな書き仕事をすることがあつたのだらうか。
いやー、どうかなあ。
そんなに長いこと働いてはゐないはずだし。
自宅でもなにか書いてゐる姿など見かけたことはない。
家事と子育てでいそがしかつたから?
それはあるかもしれない。
でもなあ。そんな、何本も使ひつぶすほど書いてゐた時期があつたのだらうか。
ないと思ふんだけどなあ。

イリジウムの摩耗はともかく、そんなわけでペンを見てもらひたいのだがこのご時世である。
なかなかさういふ機会もない。
それに、いま中屋のイヴェントなんぞに行つたら黄昏塗りや黄昏透かしが気になつて気になつて仕方がない。
三月に日本橋丸善で見たんだよね、黄昏染めと黄昏透かし。
どちらも赤がきれいに見えたが、透かしの方は闇にぼんやり浮かび上がるやうな緑もいいなと思つたものだ。
いまだつたら経済に貢献するといふ云ひ訳もできる。
とはいへこれ以上ペンを増やしたところで書く時間が増えるわけでなし……

などと悩んでゐる時が一番楽しい。

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Wednesday, 19 May 2021

ポメラ或は筆記用具

あひかはらずポメラを使つてゐる。
DM100にeneloopを入れてゐる。
DM200は電池内蔵なのらしい。
それもいいけど、なんとなく電池は入替へできた方が長持ちする気がするんだよね。
内蔵電池がヘタれて使へなくなるといふことがないから。

そんなわけで、もし次を買ふことになつてもDM100がいいなあと思ふのだが、世の中さううまくいかないやうな気もする。

友人の子はiPadにキーボードをつけて使つてゐるといふ。
それもいいなと思ふのだが、なにしろお高い。
ちよつと手が出ない。
給付金でも出るか消費税でも下がれば考へないこともないが、どうやらさういふことはないらしい。
をかしいなあ。

最近は口述筆記もありかもしれない。
スマートフォンに話しかけてそれを文字に起こしてもらふのだ。
確かに悪くはないけれど、精度を上げるには喋り方を工夫する必要があるし、なにしろかういふ仮名遣ひにはむかない。
さうすると、やつぱりポメラなのかなあ、といふ気がする。
薄いし軽いし持ち運びやすく打ちやすい。
云ふことないぢやん。

しかし、もう久しくポメラを持ち出してゐない。
いまも家で打つてゐる。
MacBookを立ち上げればそちらで打つのだが、そしてMacBookにはHappyHackin'Keyboardをつなげてゐるのでとても快適なのだが、でもいつもいつもMacBookが立ち上がつてゐるわけでもない。

ポメラはある程度まとまつた長さの文を打つのにも向いてゐるし、メモ帳代はりにもなる。
でもDM200ぢやないんだよなあ。

この後、DM300とか発売されて、また乾電池(または充電電池)入れ替へ式になつたりしないか知らん。
しないかな。
いま、かういふマシンの需要つてあんまりなささうだもんな。
書く人はなにを使つてでも書く。
スマートフォンで書いてゐる人も多からう。
書くには専用マシンがあつた方がいいんだけどね。
あつたからどうといふわけでもない身でかういふことを云ふのもなんだけれども。

とりあへず、このポメラは大事に使つていきたい。
そのうち持ち歩ける日もやつてくるだらうしね。

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Thursday, 13 May 2021

増えるボールペン

最近、よくボールペンを買つてしまふ。
きつかけは三菱鉛筆の uni-ball one だ。
もともと、三菱鉛筆では uni STYLEFIT を使つてゐた。
にぢまないし裏抜けしないからだ。
uni-ball oneもさういふ触れ込みで、しかも濃く書けるといふ話だつた。
色の濃さにはあまり興味はなかつたけれど、書きやすさうだつたことと、クリップのデザインがよささうなこと、そして見た目がすつきりしてゐることから購入してみた。
色はロイヤルブルーとバイオレットとエメラルドで、いづれも0.38mmにした。
紙によつてはちよつと抵抗が少な過ぎる気がしたけれど、案外書きやすく、気にいつた。

STYLEFITには一つだけちよつと不満な点がある。
色の種類が好みに合はないといふ点だ。
青系はいいのだが、もう少し赤に近いチェリーピンクのやうな桃色がほしいし、緑ももうちよつと暗いサップグリーンのやうな色がほしい。
そしてそれはuni-ball oneも同様だつた。
「赤!」とか「青!」とか「緑!」といふ色にはあまり惹かれない。
さういふ色はもつと事務的な筆記用具にあればいい。
個人的に使用するにはもうちよつと微妙な色合ひのインキを使ひたい。

すると、季節限定ではあつたものの、ちよつといい色のuni-ball oneが発売された。
とくにフランボワーズとピスタチオグリーンが気に入つた。
かういふ微妙な色合ひがいいんですよー。
さう思つてゐる人は少なくないのではあるまいか。
万年筆のインキに人気があるのもさういふことなのだと思つてゐる。
ぺんてるプラマンの限定色もどれもよかつたし、さくらぺんてるの Ballsign iD の六色のブラックはどれもいい。これもフォレストブラック(グリーンブラック)とミステリアスブラック(パーブルブラック)を買つてしまつた。

uni-ball oneもBallsign iDもノック式といふところもいい。
書きたい時にさつとペン先を出して書け、終はつたらさつとペン先をしまふことができる。
ボールペンもこれ以上増やすまいと思つてゐるのだが、つひ買つてしまふのが難点だ。

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