文化つて
国立劇場はあひかはらず再建の目処が立たず、今日は文化庁が国立の博物館などへ「利益をあげろ」的な「え、博物館法とか、どうなつてるの?」といふやうなことを云ひ出したといふ報を耳にした。
文楽や歌舞伎は見にいくものの、展覧会にはここのところ年に一、二度行くていどの自分ではあるものの、この様相には「さうなるよなあ」といふ気がしないでもない。
文楽はここのところ国立文楽劇場以外は劇場がまちまちだからよくわからないけれど、歌舞伎座でいふと定員が二千人弱。月に二十日前後の公演が昼の部と夜の部とある。そこにリピータがゐるとして、いつたい月に何人が見られるのだらう。それに、常に満員御礼とも限らない。
また、歌舞伎座は比較的交通の便のよいところにあるとは思ふけれど、行ける人は限られてゐる。もちろん遠方からやつてくる人もゐることは承知してゐるが、さういふ人々も限られてゐるのぢやあるまいか。
展覧会にしても、混雑してゐてなかなか見たいものが見られないなどといふ話を聞くが、行く人は行くけど、行かない人はまるで興味がないやうに見受けられる。
さう、大半の人は、文楽や歌舞伎、展覧会といつたものに興味がないのではあるまいか。
さうしたものに税金が使はれることに、「そんなことに使ふんなら、もつと別のことに使つてよ」と思ふ人とか。
芝居見物はしないし展覧会にも行かないけれど、文化の大切さ・重要さを理解してゐる人も大勢ゐるとは思ふ。
でも、「そんなの、どうでもいいよ」と思つてゐる人が多いんぢやないかなあ。
といふのが、国立劇場の現状や今日の報道の向かうに透けて見える気がする。
大勢はそんなこと気にしないのだから、それでいいぢやないかといふ為政者の姿が。
ぢやあどうすればいいのかといふとそれはわからない。即効性のある手立てはなにも思ひ浮かばない。
せめて学校などで、図画工作や美術、音楽、そして国語の授業で、文化の大切さを学ぶやうな機会が増やせれば、と願ふばかりである。
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