映画ひまはりを見て泣けない
ウクライナが攻撃され始めたころ、映画館で『ひまはり』がかかつてゐた。
『ひまはり』といへばヘンリー・マンシーニのあのテーマ曲を聞くだけで涙が出てきさうになる。話の筋を思ひ出しても、だ。
誰も悪くないのになあ、とか。多分幸せなんだらうけど、でも幸せぢやない人々のことを考へたり、とか。
そんなわけで、もう泣く用意をして映画館に『ひまはり』を見にいつた。
泣く用意つて、泣く用の手ぬぐひを持つて行つたくらゐだけどさ。
でも泣けなかつた。
全然、一滴も涙が出なかつたのだ。
いま、テーマ曲を聞いても泣きさうなのに。
思ふに、戦争になつてしまつたのはいろいろ不可抗力なこともあるだらうとは思ひつつ、ムッソリーニを選んだのはこの人たちだらう、と思つたりとか。
とにかく雪原に延々と点々と連なる力尽きた兵士の姿が圧倒的すぎるとか。
まあいろいろ理由はあるんだとは思ふけど。
多分、見ながら全然話の筋とは関係ない方に興味が向いてしまつてゐるのかもしれない。
最初にジョヴァンナが訪れる役所のやうすに興味津々になつてしまふ、とか。
部屋のインテリアとか壁のやうすに集中してしまふ、とか。
花瓶にどんな花が何本刺さつてゐる、とか。
さういふことが気になつちやふんだよなあ。
おそらくほかの映画もさうなんだらう。
なんか不意をつかれたら泣けるんぢやないかと思ふんだけど。
その日を待つてゐる。







Recent Comments