手芸店の行方
石川町駅から横浜元町商店街に向かふ途中、交差点を渡らずに右手に曲がると手芸店があつた。
かつてはイエーガーの毛糸なども扱つてゐた、大島屋商店といふ店だ。
先日行つてみたところ、店がない。
建物自体が消失してゐる。
呆然としてあたりを見ると、「移転しました」といふ旨の看板が立つてゐた。
ひとつ駅よりの路地に、店舗はあつた。
ほつとしたものの、なんとなくかうなつた理由は想像がつく。
確認はしなかつたけれど。
だいたい、横浜の元町にはまれにしか行かない。神戸の元町とどちらが頻繁かといふくらゐだ。
実際、今日も元町商店街の店のカードの期限が切れてゐるのではないかと気になつてポイントが使へなかつたほどだし。
その自分が大島屋商店のことをとやかくいふのは間違つてゐる。
だが、気になることも確かなのだつた。
昔は憧れの店だつたからだ。上にも書いたやうにイエーガーなどの舶来毛糸を扱ふ店として、いつか自分で稼げるやうになつたら、行つてみたい、と、子供心に思つてゐた。
そのイエーガーも毛糸を売らなくなつた。
いまあみものは人気があるのだといふ。100円ショップに行くと毛糸の棚が空に近いことも多い。人気があるのはほんたうなのだらう。
あみものをする若い人のうち、何人が手芸店といふものを知つてゐるのだらうか。知つてゐたとして、何人が実際に手芸店に足を踏み入れたことがあるのだらう。
できることなら、近いうちにまた元町に行きたい。
毎回行くたびにさう思ふ。
そして行くのはまた二、三年後なのだ。
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