オタクは引用が好き
「オタクは引用が好き」といつたのは水玉螢之丞だつたと思ふ。
自分は残念ながらオタクにはなれなかつたが、オタクの好きになるやうなものが好きだ。
たとへば、戦国鍋TVとかHorrible Historiesがさうだ。
どちらも巷間よく知られた歌をもとに歌を作つてゐたりして(そしてHorrible Historiesは特に「え、こんなの子どもは知らないでせう?」といふやうな歌を元にしてゐたりして)、これが実にをかしいし、楽しい。
ちよつと趣は異なるが、Melodica Menもさうだと思ふ。
有名な楽曲のあちこちをはしよつて鍵盤ハーモニカで演奏する。このはしより方がまた秀逸なんだよなあ。
歌舞伎もさうだ。大江戸歌舞伎。
世界があつて趣向がある。
世界には前太平記とか曽我、平家、太平記といつたものがあり、そこに趣向を載せる。
『仮名手本忠臣蔵』は世界は太平記で趣向が赤穂浪士の討入(多分)だが、『東海道四谷怪談』になると世界が忠臣蔵でそこに伝説といふ趣向を取り込んだことになる。『盟三五大切』になると世界が忠臣蔵で趣向が『五大力恋緘』に『東海道四谷怪談』だ。
知つてゐるものはより楽しく、さうでない人はそれなりに。
落語はもつと引用が多いかもしれない。
ただ、さういふ作品を楽しめる客が少なくなつてきてゐるやうな気はする。だからかからなくなる。
引用はたくさんあるが、知らなくても楽しめる、さういふ作品でないとダメ、といふのはあたりまへのことながら、淘汰される。
だから見られるうちに聞けるうちに見て聞いておかう。
といふのは云ひ訳だらうか。
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