11月の読書メーター
11月の読書メーター
読んだ本の数:7
読んだページ数:1136
ナイス数:36
李陵の感想
李陵も李徴も隴西の人なんだよなあ、と思いながら読む。『大人読み『山月記』』に、武帝は怒れる皇帝というイメージがあるが、それは唐になって隴西の李氏が天下を握ってからで、李広や李陵の仕打ちへの仕返し、というようなことが書いてあった。そういえばこの小説にも、いまの人はひどいと思うかもしれないけれど当時はこれが普通だった、というような記述があってちょっと唸る。
読了日:11月01日 著者:中島 敦
山月記の感想
自分が知るかぎりの話だが中島敦作品の中で一番文章がしまっている感じがする。読んでいて心地よい。こういう文体で書けたらなあと、いま読んでも思う。
読了日:11月01日 著者:中島 敦
Katabasis: 2025’s INSTANT No.1 SUNDAY TIMES best-seller from the author of YELLOWFACE (English Edition)の感想
ケンブリッジ大で魔術を専攻し博士号を狙う主人公が、死んだ指導教官を蘇らせようと地獄へ向かう。単身向かうはずがライヴァルもまた主人公と同じ目的でともに地獄に行く。この二人の関係や地獄での試練がおもしろいことはもちろん、大学での研究生活や、作者はこれが書きたかったのではないだろうかと思われる力関係(ハラスメントとかね)も興味深い。チョークで五芒星を描いて魔術を使ったり、パラドックスを用いて苦境を脱したり、オルフェウスやダンテその他の地獄の話を参考にしていたり。地獄の織姫は怖いし、閻魔大王がちょっと素敵だ。
読了日:11月06日 著者:R.F. Kuang
AIは短歌をどう詠むか (講談社現代新書 2748)の感想
では自分は短歌をどう作っているのか、と考える。この本に書かれている生成AIと大して差はないのではないか。あるとしたら、これも本にある通り、作りたいと思って作っているかどうかであるのかもしれない。あと「こんな短歌を作りたい」という願望があるかないか、か。自作の歌について類想があるかどうかとか、似たような先達の作品がないかどうかを調べられるようになるといいなとは思いつつ、それはいろいろクリアしなければならない問題があるようだ。
読了日:11月16日 著者:浦川 通
現代短歌パスポート2 恐竜の不在号の感想
詩人の作った詩と生成AIの作った詩とを人に読んでもらうと生成AIの作った詩の方が詩っぽいと思われるというような研究結果をどこかで見かけた(間違ってたらごめん)。読み手が詩だと思っているものと現代詩とに乖離があるんだろう。「現代」とつくとそういう感じになるのかもしれない。NHK全国短歌大会の番組で「歌の中にスペースはできれば入れない方がいい」と云っていたけれど、大会応募作もこの本の中の作品もそんなこと全然気にしていない感じがする。必要があるから入れる。恐竜の不在の短歌もそうした作品の一つだ。
読了日:11月17日 著者:岡野大嗣,川野芽生,大森静佳,小島なお,谷川由里子,寺井奈緒美,我妻俊樹,北山あさひ,伊舎堂仁,安田茜
命運―近藤芳美歌集の感想
先の戦争の記憶を引きずり、韓国へ招待されては敵国の人間であることを意識しつつ詩でつながったことを詠んだ歌や、哈爾浜や瀋陽、731部隊の跡地などを訪れた際の歌など、全体的にかたく重たい歌、また破調の歌が多い。戦争に行かなかった人の方が戦争について書く、とは柴田錬三郎のことばだが、本人が書く気にならなかっただけなのではという気もしつつ、行かなかったから思うこともたくさんあるのだろうと思った。図書館で借りた本で読み込めなかったのが残念だが、読み込むのにも気力が必要な歌集だと思う。
読了日:11月19日 著者:
シン・短歌入門 (NHK短歌)の感想
FAQ集のようになっていて、それも初級・中級・上級とわかれている点がわかりやすいように思う。プラス短歌に関するエッセイと短歌の穴空きクイズに公開前に確認すること10点という親切設計。FAQの答えの方も短歌の例が豊富でいい。作者自身の短歌が念力家族だったりウルトラ怪獣を題材にしたものが多かったりするのも好感持てる、個人的に。
読了日:11月29日 著者:笹 公人
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