8月の読書メーター
8月の読書メーター
読んだ本の数:7
読んだページ数:1392
ナイス数:48
「書くこと」の哲学 ことばの再履修 (講談社現代新書 2777)の感想
読み終わって、書ける気はしない。ただ、内容は興味を惹かれるものが多かった。人称の話とかね。一人称と二人称については「そうそう」と思ったし、三人称については「なるほどなあ」という感じ。作者=作中の人物と思い込む読者については確か山本夏彦だったかが(違ったかも)こどものころ教師に「三木露風に姉はいたか?」と訊かれて「知らない」と答えると「姉やは十五で嫁に行きという歌詞があるじゃないか」と云われたという話をしていたから、そういう人が増えたわけではないのでは。最近は個人の意見を発信する 機会が増えたからでは?
読了日:08月02日 著者:佐々木 敦
物語化批判の哲学 〈わたしの人生〉を遊びなおすために (講談社現代新書 2782)の感想
米光一成の『ゲーム作家の全思考』を読んだ時に物語にすることについて注意するようちょろっと書かれた部分があり、気になってこの本を読んだ。読んで思ったのは、物語(化)というよりは、人間の「わかりたい」「たったひとつ真実の答えを知りたい」といった傾向に問題があるのではないかということだ。人は何が本当で何が嘘で何が答えかわからない宙ぶらりんの状態をよしとしない。陰謀論に飛びつく理由も同じだ。世の中は複雑でたったひとつの真実などはなく、でもどうすればいいのか考え続けられるような強さが必要なんだろうけど。難しい。
読了日:08月11日 著者:難波 優輝
ドラえもん短歌 (小学館文庫 ま 17-1)の感想
枡野浩一選ということもあって、読んですっと入ってくる短歌が並んでいる。ブログで短歌を募って、添削などもしていたようで、読み返して「この歌もああした推敲フェイズを経てきたのかなあ」と思ったりもする。選者が違ったら、とか、アンパンマンだったらどうだろう、とか考えたり。『ドラえもん』というとどうしても忘れられないエピソードがあるのだが、そのエピソードを扱った短歌はこの中にはない。自分で作るしか?
読了日:08月12日 著者:
ピュタゴラスの旅の感想
ここのところ『鬼滅の刃』や『野田版 研辰の討たれ』を見て復讐について考えることが多く、「虐待者たち」もそんな視点から読んでしまう。でもそれはちょっと違うのかも。どこからが本当でどこからが夢(非現実)なのかわからない、そういうところを楽しむ短編なのかもしれないと読み終わって思っている。メタだったり、文明とは何かを考えさせられたり、読後感は充実している。あとがきに「易とは未来を占うものではなく現在直面している問題に対処するもの」という旨のことが書かれている。そういう話ももっと読みたかったなあ。
読了日:08月16日 著者:酒見 賢一
思考ツールとしてのタロット (こどものもうそうブックス)の感想
酒見賢一の『ピュタゴラスの旅』のあとがきに「易とは未来を占うものではなく現在直面している問題に対処するもの」という旨のことが書かれていて、「まさにこの本で云ってることじゃん!」と思って読み返す。死神や悪魔、塔のカードが出たからといって悲観することなく、そこから読み取れる視点を持って日々過ごしたり、また一日をふりかえったりするというのはとてもおもしろい。タロットを使ってひとりでもちょっとしたブレインストーミングができる。むしろ他人がいない分ブレインストーミングとしてあらまほしき形になるのかもしれない。
読了日:08月16日 著者:米光一成
現代短歌パスポート1 シュガーしらしら号 (現代短歌パスポート 1)の感想
去年Twitterで「ネット歌枕発掘プロジェクト」が開催されていた時、「歌づくりの参考に」と堀田季何が挙げてくれた本の中に「現代短歌パスポート」があった。その時は見つけられなかったが、やっと読むことができた。上記プロジェクトのおかげで一年間角川の『短歌』を読む機会があった。「現代」短歌を意識するのは年齢縛りがある時とか新人賞受賞作が掲載された時だった。こうして一冊の本にまとまっているのはありがたい。2以降も探して読みたいと思う。自分の感覚だと「現代短歌」は街、かな。それより前の短歌は和風な庭のイメージだ。
読了日:08月17日 著者:榊原紘,伊藤紺,千種創一,柴田葵,堂園昌彦,谷川電話,𠮷田恭大,菊竹胡乃美,宇都宮敦,初谷むい
死者の書の感想
川本喜八郎の命日に飯田市川本喜八郎人形美術館で上映された『死者の書』を見て再読。映画で前面に出てくる執着は、原作ではそれほどでもないというイメージだったのだが、それは郎女にそういう印象がないからだろう。そう見えないだけで郎女の執着というのも相当のものだ。蓮の糸で織る、それもはじめての機織りだというのだから、並々ならぬ根性(という言葉は郎女には似合わないが)だ。映画の時も思ったけれど、家持は自身を「あきらめる人間」と任じている。でもたくさん歌を残したではないか、と思うのだった。
読了日:08月27日 著者:折口 信夫
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