3月の読書メーター
3月の読書メーター
読んだ本の数:5
読んだページ数:1675
ナイス数:38現代思想入門 (講談社現代新書 2653)の感想
哲学はどこから始めたらいいのか。古代ギリシャからはじめて順々に進むのがいいのか。そう思いつつこの本を読むと、実際のところそうなんだろうけれど、でもひとまず「現代」思想をわかりやすく説明していて唸る。
付録の「現代思想の読み方」は哲学以外の本にも使えそうな気がする。
著者の「欲望年表」はこういうところから来ているのか、と思うことしばし。紹介されている本を読む日がくるかどうかはわからないが。
読了日:03月01日 著者:千葉 雅也The Art of Statistics: Learning from Data (Pelican Books) (English Edition)の感想
統計学もPPDACサイクルを回すという話に興味を覚えて読むことにした。Problem, Plan, Data, Analysis, Conclusion and Communicationの頭文字を取ったもので、最初に問題を定義・理解してからプランをたてるというあたり『イシューからはじめよ』の「イシュー」に近い感じかなと思った。長年患者を殺害していた医師の書いた死亡診断書の数からいつ頃その事実に気づけただろうかとか駐車場から発掘された頭蓋骨がリチャード三世である確率は、とか取り上げている例もおもしろい。
読了日:03月15日 著者:David Spiegelhalterカモメの日の読書 漢詩と暮らすの感想
再読。今回、食に関する描写がいいなあと思いつつ読んだ。また、著者には武道の心得があって、パリで痴漢に遭った際、相手が保険に入っているかどうか、怪我をしても医者に診てもらえないのではないかと考えるという話にも感じ入った。痴漢はボクシングを嗜んでたようで、結局著者は鳩尾に二発食らうわけだが、それでも相手のことを慮るなんて。そういう人の書いたものと思って読むとまた趣深い。
読了日:03月19日 著者:小津夜景神聖喜劇 (第一巻) (光文社文庫 お 9-5)の感想
「え、そんなこと云ったら酷い目に合わされるでしょ!」とドキドキしながら読み進めると、案外そうはならない。理不尽さには理不尽さの所以がある、というようなことが回想からの回想や古今の書物等の引用をともなって延々と語られていく。敵地で敵国民を焼き殺したことが隠亡とつながるくだりには「すごい、そこまで云っていいのか!」と一瞬気の遠くなるような衝撃を受けた。小津夜景が勧めていた小説で、書店で5冊並んでいるところを見て腰がひけていたけれど、もっと早く読めばよかった。それくらいおもしろい。
読了日:03月28日 著者:大西 巨人三橋敏雄の百句 (百句シリーズ)の感想
俳句は初学者ながら「俳句ってこういうもの」という思い込みを次から次へと覆されてゆく。読みながら、句作はやめるかもしれないな、と思い、でも俳句を読むのはやめないな、と思わせる。以前『眞神』を勧められて読んだことがあるけれど、全然読めてなかつた。池田澄子の読みに教わることが多い。句集や歌集は手に入れることが難しいことが多いが、こうした名句集のような書籍は実にありがたい。
読了日:03月30日 著者:池田澄子
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