10月の読書メーター
10月の読書メーター
読んだ本の数:7
読んだページ数:1244
ナイス数:37
今を生きる思想 ハンナ・アレント 全体主義という悪夢 (講談社現代新書)の感想
『エルサレムのアイヒマン』が読みたかったのだが書店になく、本棚を見て回るうちに見つけた本。「悪の陳腐さ/凡庸な悪」について知りたかったわけだが、題名からも見えるように主に『全体主義の起源』について書かれている。先に読んでよかったかもしれない。本の内容とは関係ないけれど、本のカバーは湿気のせいかめくれてくるし、本文に使っている紙もあまりいいものではないようでめくりづらいのが残念。
読了日:10月03日 著者:牧野 雅彦,ハンナ・アレント
ことばが変われば社会が変わる (ちくまプリマー新書463)の感想
『「自分らしさ」と日本語』がおもしろかったので読んでみた。「セクハラ」という言葉が生まれたことで生まれた社会の変化や他人の配偶者をどう呼ぶかという点は興味深く読んだが、「セクハラ」「パワハラ」という軽い言葉の影響や「女子」という言葉を使う場合としての「女子トイレ」などに触れられていないのはちょっと納得いかないな。紙幅の問題だとは思うけれど。すこし話はそれるが、いまは飼い犬・飼い猫についても「亡くなる」という言葉を使うんだな、ということも知った。
読了日:10月04日 著者:中村 桃子
すべての、白いものたちの (河出文庫 ハ 16-1)の感想
普段目を背けて暮らしていることに目を向けさせられる。ひどくつらい。そんなこと、考えないで生きていきたいのに。これを読んだ人たちはみんなどうしているのだろう。自分は多分、読んだことを考えないようにしないと生きていけない気がする。普段は文学賞には興味がないのだが「詩的散文」を翻訳でも享受できるのかとても興味があったので読んでみた。読んで、「ああ、そういうことか」と思った。翻訳家の人もすばらしい。他の作品を読むかどうかは、ちょっと考えてしまうけれど。
読了日:10月13日 著者:ハン・ガン
星の嵌め殺しの感想
小説も読んだけれど、川野芽生は短歌が好きだなあ。一読「あ、これは川野芽生の歌かも」と思えるものがあるからだろう。『かわいいピンクの竜になる』を読んだ後だと解像度(というのか)の上がる作品も多くて読み込み甲斐がある歌集だと思う。
読了日:10月20日 著者:川野 芽生
イシューからはじめよ――知的生産の「シンプルな本質」の感想
試験の長文読解問題の長文をいきなり読むのではなくてまずは問いを確認しようという話だと思った。ただ試験なら問いは与えられるけれど、現実の世界では問いも自分で考えなければならない。その対処法を説明しますよ、ということだろう。対処法はできれば試してみたいと思うものが多く読んでよかったと思う。ただ「イシュー」という言葉に引っかかる。辞書の語義まで引っ張り出して説明するわりには辞書の名前や何版かという情報がないところにもひっかかる。もっと違う意味に使う気もするし、著者云うところの「手垢のついた」言葉なんじゃないか。
読了日:10月22日 著者:安宅和人
人生が変わるゲームのつくりかた ――いいルールってどんなもの? (ちくまQブックス)の感想
ゲームを作りたいと思わなくても、「ああ、だからあのゲームは面白いのか」とか「あのスポーツのルールはどうなんだろう」などとわかったり考えたりできるのが楽しい、「自分マトリックス」については、著者も普段人は(主語デカいが)自己検閲が働いていてときに邪魔と思っているのかなと思った。「自分マトリックス」は試してみたい。
読了日:10月23日 著者:米光 一成
決定版 名所で名句 (角川ソフィア文庫)の感想
「俳句」ってこうやって鑑賞するのかととても勉強になった。名所ついては歴史から観光名所まで簡潔に説明されていて行ったことのない場所もわかりやすい。いま読むと能登地方の句や説明に胸ふさがる思いがする。
読了日:10月28日 著者:鷹羽 狩行
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