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Monday, 01 April 2024

3月の読書メーター

3月の読書メーター
読んだ本の数:9
読んだページ数:2146
ナイス数:38

冬の旅、夏の夢: 高山れおな句集冬の旅、夏の夢: 高山れおな句集感想
断片的に読んだことのある作者の句とはどことなく趣の違う句が並んでいる気がする。断片的に、というのは句集が手に入らないからで、この本も市内の図書館の中からやっと見つけた一冊だ。違う気がするのは後記にあるように若い頃の主義原則が変わってきているからなのかもしれない。とはいえ、なにしろ「ぞけさ」の人だからなあ。ものすごく読み落としてるのかも。というわけで、返却する前に読み返すつもり。
読了日:03月05日 著者:高山 れおな
言語ゲームの練習問題 (講談社現代新書)言語ゲームの練習問題 (講談社現代新書)感想
「逆スペクトルの懐疑」っていうのか。子供の頃母親に「私がお母さんの中に入ってものを見たら赤が青だったりするかも」というようなことを子供の語彙ながら一生懸命伝えようとしたら、「妙なこと云わないで!」とひどく怒られた。あの時おそらく母は何か自分の足元が不安定になるような気がしたのではなかったろうか。いずれにせよあの場で「うーん、むつかしい問題ねえ」などと受け入れられていたら今頃は「こんな先生に教わりたい」と思っていたかもしれないなあ。怒られたショックでそういうことは口にしない人間に育ってしまった。
読了日:03月08日 著者:橋爪 大三郎
微苦笑俳句コレクション微苦笑俳句コレクション感想
俳人の句から一般人の句まで著者がこれと思った句を引いてきているのがおもしろい。この本と並行して正統派の俳句アンソロジーのようなものを読んでいるのだが、客観写生は正統派のみのものにあらずだなあ、とも思う。ただ、著者の読みはいまの社会ではチト受け入れられないと思われるものが多い。三十年はたってるからなあ。それでも著者は折に触れ「こんなことを書いたら世の女の人に怒られる」という旨のことを書いているのだが。白石冬美や冨士眞奈美、岸田今日子に山藤章二といった面々の句があったのは嬉しかった。
読了日:03月13日 著者:江國 滋
ホトトギスの俳人101 (ハンドブック・シリーズ)ホトトギスの俳人101 (ハンドブック・シリーズ)感想
客観写生に興味があって読み始めたのだが、俳句とは直接関係のない点が気になってしまった。たとえば血縁者や姻戚関係にある俳人が多いとか、朝日俳壇の選句者の座さえも一族で継承しているとか。そう思うと各俳人を紹介する文章も内輪受けなのではと思えてくる。結社とはそういうものなのかもしれないし、家元制度といえばそうなのだが、昨今の国政のようすなどを見ているとちょっと、ね。もちろん、素晴らしい句を作る人が取り上げられているのだろうとは思うけれど。長寿の人が多い気がする。番外で初代吉右衛門がいるのが個人的に気に入った。
読了日:03月15日 著者:
俳句という愉しみ: 句会の醍醐味 (岩波新書 新赤版 379)俳句という愉しみ: 句会の醍醐味 (岩波新書 新赤版 379)感想
この句会には碁の局後の検討や将棋の感想戦に近いものを感じた。実際はともかく勝敗に感情を交えない。今だったら書きづらいだろう「女流の台頭による句や歌の質の低下」の話も興味深い。ただ著者の訴える俳句のよさ、師系の大切さを読んでいると「俳句は忘れられるのでは?」と不安になる。季語には歴史上の名句の余韻がすべて含まれるというが、ならば季語は忠臣蔵と同じ運命をたどるのではないだろうか。誰もが知っていることを前提とした芸術は通用しなくなる、しても極々限られた人数のみの愉しみになるのではないかと思うのだがどうだろうか。
読了日:03月18日 著者:小林 恭二
孤独の俳句: 「山頭火と放哉」名句110選 (小学館新書 431)孤独の俳句: 「山頭火と放哉」名句110選 (小学館新書 431)感想
山頭火と放哉との違いが明確に見えるすてきな一冊。ただ、俳句の鑑賞には作者の生い立ちを知らねばならないというようなところはどうなのかなあ。俳句の鑑賞とはそういうものということになっていることは知ってはいるけれど、俳句が苦手だと思う点のひとつではある。はじめて小説とか詩でもいい、読むときって作者のこととか知らないことの方が多いんじゃあるまいか。だんだんに知っていけばいいのかもしれないけれど、なんだかひっかかる。
読了日:03月24日 著者:金子 兜太,又吉 直樹
コンサルティング会社 完全サバイバルマニュアルコンサルティング会社 完全サバイバルマニュアル感想
ストーリー仕立てで読みやすい。残業・休出三昧の仕事をしてきた読者の中には共感を覚える人も多いだろう。ただなぜ「マニュアル」としてしまったのか、そこは疑問だ。マニュアルとは手引きまたは説明書のようなものだろう。わからないことがあったら引いて見るような書籍を想像する。これはそうした本ではない。薄い緑色のページがマニュアルっぽいといえばそうだが、著者が訴えたいのはそうしたことではないだろう。著者が訴えたいことは「狂気」なのではないか。「それは違うよ」と云われそうだが、世界を変えるには狂気が必要な気がする。
読了日:03月27日 著者:メン獄
TED Talks: The official TED guide to public speaking: Tips and tricks for giving unforgettable speeches and presentationsTED Talks: The official TED guide to public speaking: Tips and tricks for giving unforgettable speeches and presentations感想
知識(knowledge)ではなく理解(understanding)を伝えようだなんてちっとも覚えていなかった。再読はするものだ。例えば惑星運行について知りたいと思ったとき、全惑星の運行を覚えるのが知識、惑星運行のメカニズムを知り各惑星の運行がわかるようになるのが理解といったところか。仕事で提案のプレゼンテーションの時にも使える気がするし、普段の自分の勉強(というほどのことはしていないのだが)にも役立つんじゃあるまいか。読み返しながら好きなスピーチの動画を見返したりもした。世界はなかなか変わらないね。
読了日:03月30日 著者:Chris Anderson
俳句という遊び: 句会の空間 (岩波新書 新赤版 169)俳句という遊び: 句会の空間 (岩波新書 新赤版 169)感想
こういう句会ばかりだったらなあと思うが、それには参加する本人の資質も問われるわけで難しい。本の中でも一般的な「句会」については二種類あると説明していて、そういう句会って発展性があるのかとかよりよい句を作るためになるんだろうかと疑問だったのが少し晴れた気がした。ただ、その場にいる人と意見が対立してもそれはそれ、という経験を重ねるのには句会はいいんじゃあるまいか。先に続篇を読んでしまったので「こちらを先に読むんだったなあ」と思うことしきりだったがこれは仕方がない。
読了日:03月31日 著者:小林 恭二

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