冷奴と季語
冷奴にして食べやうと思つて買つた豆腐をどうしたものやら悩んでゐる。
いや、まあ、冷奴を食べてもいいのだが、なんだかそんな雰囲気ではなくなつてしまつた。
十月なんだから当然だらうとも思ふが、豆腐を買つたのも十月に入つてからなんだがな。
歳時記などを見てゐると、季語は旧暦をもとに考へるから、たとへば広島の原爆記念日は夏だが長崎の原爆記念日は秋になるのだといふ。「原爆忌」自体は秋の季語らしい。
さういへば七夕も秋の節句だ。
蚊は夏の季語だが、最近よくかまれたりするといふ。
だんだん混乱してくる。
さういへば、七月ごろは角川春樹の句集を三冊ほど読んだ。
なんとなく冷奴や湯豆腐の句に目が止まつた。
豆腐、好きなのかな、とも思つた。
冷奴と湯豆腐とはしばらくは自分の思つたとほりの季節の季語のままだらう。
さう思ふとちよつと安心するのは、やはり変化についていけないからなのかな。
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