腱鞘炎
ここ四、五年ほど腱鞘炎に悩まされてゐる。
全然なんでもないときもあるが、いま、左手の薬指とその周辺が痛くてたまらない。
利き手は右手だから左手なら問題は少ないではないかといふとさうでもなくて、たとへば缶飲料のプルトップは左手で引くし、昨日気がついたのだがビニル袋に入れた肉を揉むときも左手で揉む。
風呂場を掃除する際には左手でブラシやスポンジを持たないと掃除をしづらい場所もあつて不便だし、風呂場に限らず雑巾をうまくしぼれない。
そんなわけで、掃除をはじめとする家事は「腱鞘炎だから」でいい加減――で悪ければできる範囲でしてゐるのだが。
あみものができない。
あみものをして気がついたが、棒針編みにしろかぎ針編みにしろ、左手もよく使ふ。編んでゐると痛い。
痛くないやうに編むことができない。
さういへば、マクラメもダメだつたなあ。三年前にやはり左手が痛くてあみものの代はりといつてはなんだがマクラメをしてみたら、痛くてうまく結べないのだつた。
それでしばらくぼーつとしてゐて、「この毛糸の山はどうすればいいのか」と暗澹とした心持ちになることもあつた。
だが待てよ。
ノールビンドニングがあるぢやあないか。
ちよつとやつてみたところ、腱鞘炎には響かない。
ずつと手をおなじ形のままにしてゐると動かすときに痛くなつたりはするのだが、そこにさへ気をつければあとは大丈夫。
よかつた。ノールビンドニングがあつて。
以前は、棒針編みもかぎ針編みもやるなんてちよつと無謀なんぢやないかと思つてゐた。
好きだからどちらもしちやふけど、でも、なんだかどつちつかずになつてしまふな、といふ気がしたのだ。
やるんだつたらどちらかに集中した方がいいのではないか、とか。
その上タティングにも手を出したりしてるし。
でも、今回手が痛くてあみものができなくて、ノールビンドニングをやつたことがあつたからなんとかものづくりをつづけてゐられる。
本で読んで覚えた自己流だけど、なんとかなつてゐる。
見境なくあれこれやつておいて、よかつた。
かういふこともあるんだな。
« 9月の読書メーター | Main | まだ見ぬ佐賀錦 »
« 9月の読書メーター | Main | まだ見ぬ佐賀錦 »
Comments