貧乏者には断捨離は向かない
衣更へといへば、2019年の秋のこと、あまり家にもゐないし余分な部屋着は捨ててしまはうといふので、必要最小限の服だけ残して処分してしまつた。
年が明けて、3月ごろにはひどく後悔した。
コロナ禍で出かけられなくなつてしまつたからだ。
もともとあまり出かけたい方ではないが、なぜか芝居見物が好きなものだから必然的に出かけざるを得なかつた。
それが、芝居といふ芝居が軒並み休演になつてしまひ、出かける必要がなくなつてしまつたのだつた。
願つたりのはずだつたが、しかし家にゐて着る服がない。まつたくないわけではないが足りない。しよつ中洗濯をするやうである。
もう二度と断捨離なんてしない。
さう心に誓つた。
いまでも部屋着は若干不足気味である。
断捨離とは、持てる人間のすることなのだとしみじみ思ふのだつた。
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