9月の読書メーター
9月の読書メーター
読んだ本の数:6
読んだページ数:1291
ナイス数:54The Picture of Dorian Gray (Penguin Classics)の感想
『緋色の研究』を読み返していたところ、同時代のアイルランド出身作家であるワイルドのことをふと思い出して手に取った。たぐいまれな美少年が独特の美学を持つ貴族の意見にとらわれてしまうあたり、昔の少女まんがにありそうだなと思いつつ読み進むと、上流階級の人々の会話のセリフのやりとりが生き生きしていて洒落ていて、さすが戯作者としみじみ思う。愛を知ると愛を演じられなくなるというのもおもしろい。見た目の美しさだけが美しさなのか。阿片窟にホームズとの関連を見る。
読了日:09月12日 著者:Oscar WildeA STUDY IN SCARLET (annotated) (English Edition)の感想
子どものころはこれと『四つの署名』とが苦手で、というのは解決篇が退屈だったからなのだが、『緋色の研究』はワトソンとホームズとの出会いがおもしろくてたびたび読み返してしまう。ワトソンが従軍経験のある医師であるという設定はしみじみうまい。死体とか見ても怖がったりしないし、いろいろと医学的所見も述べてくれたりするし。解決篇のブリガム・ヤング絡みの話は今だったら書けないんだろうなぁ。過去のことだと抗弁しても。
読了日:09月13日 著者:Sir Arthur Conan Doyle言語ゲームの練習問題 (講談社現代新書)の感想
考えることのおもしろさを教えてもらった気分。本書にもあるとおり「哲学」というと過去の哲人の説を覚え主張を云々するもの、という印象が強いが、そうではないんだよ、というのがこの本の云いたいことだろう。自分の考えることなんてもうとっくに過去の人が悩みに悩み抜いているというのはその通りで、過去の哲人の説を学ぶのはムダなことではないけれど、自分であれこれ考えることには、脳細胞が活性化するような楽しみがある。
読了日:09月13日 著者:橋爪 大三郎はじめての短歌 (河出文庫 ほ 6-3)の感想
何度も読み返してしまう自分は「ボブ」や「だあだあおじさん」の仲間だ。ほんとは仲間になりきれていないのだが、世の中の目に見えない壁にぶつかると、「ああ、いまの自分は「ボブ」だ」と思ってしまう。読み返してあらためて「改悪例」というのがすばらしい。何度も読み返したい一冊。
読了日:09月15日 著者:穂村 弘字幕屋のホンネ (知恵の森文庫)の感想
映画会社のせいでそんなに字幕(や吹替もそうだろう)が改変されてしまうのなら、やはりできるだけ字幕で見てわかる範囲でセリフを聞き取れたらなあ、と思う。著者は吹替に批判的だが、声優人気というものがあるのを失念しているのかあえて書いていないのか。また2007年当時はどうだかわからないけれど、今はIMAXの巨大な画面で字幕を探して読むのは大変だし、4DXで揺れたりしたらますます字幕を読むのは困難だと思う。その一方で邦画の日本語字幕版なんてのも出て来ているから、やはり観る側の資質は低くなっているんだろうけれど。
読了日:09月22日 著者:太田直子大人も読みたい こども歳時記の感想
「大人も読みたい」とある通り、大人が読んでもおもしろい。季語の並びは普通の歳時記のように、時候・天文・地理・人事……といった風になっているのもいい。季語に対して俳人にまじって小中学生の作があるのもおもしろく、「この季語にはこどもの句がないのか」としみじみ感じたりもする。句会の仕方があるのもすてき。西村麒麟が紹介していたので読んでみた。
読了日:09月25日 著者:季語と歳時記の会
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