3月の読書メーター
3月の読書メーター
読んだ本の数:13
読んだページ数:2337
ナイス数:21
天才による凡人のための短歌教室の感想
歌人の生活等、普段は窺い知れない話があるのがいい。結局は中隠になれってことだと思うので、まあそうかとは思うけれど。短歌を作ろうと思わなくても、なにかを作ろうと思う人や仕事をしている人(主婦/主夫業含む)は読んだら参考になることがたくさんあるんじゃないかなあ。自分と作品は別もの、とか。歌はまず紙には書かないというのはむつかしそうな気がした。紙に書いてしまうと固定されてしまうから、ということだけれども、そこを突き抜けて推敲できるようになればいいのでは。試行錯誤の記録も残るし。
読了日:03月03日 著者:木下 龍也
コーヒーに砂糖は入れないの感想
『はじめて詩を読み、書くひとのための詩の教室』で知ってどんな詩を書くのかと読んでみた。先に読んだ本にも出てくるけれど「現代詩はわかりづらい」という先入観を打ち消してくれる。それでいてこちらの想像力・妄想力をかきたてる詞章があちこちにある。
「いのちにいじめられていると
かんじる日が
あります」
とか。
読了日:03月03日 著者:松下 育男
石蓮花 (現代歌人シリーズ26)の感想
リュウグウツカイの歌が掲載されていると聞いて読んでみた。御母堂の死に際しての歌も掲載されているが、そのほかにもなんとなく死を漂わせている歌に惹かれた。蝶は何万回もはばたくのだろうか、とか。青鷺の立っている時間は人間にとっての睡眠時間のようなものだろうか、とか。
読了日:03月03日 著者:吉川宏志
怖い短歌 (幻冬舎新書)の感想
いろんな短歌を読んでみたいと思い読んだ。この本から気になる歌人を探すのが楽しい。個人的にしっくりくる。というわけで、三月はこの本で知った歌人の歌集を読むことしばし。ほかの方のコメントにもあるけれど「電圧が高い」ってどういうことなんだろう。図書館で借りて後に購入。
読了日:03月05日 著者:倉阪 鬼一郎
Confusion (現代歌人シリーズ21)の感想
表紙のレイアウトに惹かれて手にしてみた。歌集を読むと、気に入った歌を書き抜いたりするのだが、この本はそうするよりも本自体を手に入れてそのレイアウトとともに歌を楽しむ本のように思う。
読了日:03月07日 著者:加藤 治郎
ほろほろとろとろ―佐佐木幸綱歌集 (現代三十六歌仙)の感想
『怖い短歌』を読んで「電圧が高い歌とはどんな歌だろうか」と思って手にした歌集。「え、救急車の歌とか、ちょっと怖くない?」と思うがどうだろうか。阿刀田高のブラックジョークにありそうな気がする。先日読んだ吉川宏志の歌集にも御母堂の死に際しての短歌が掲載されていて、この歌集にもまた同様の歌がある。エジプトの100万のデモとの対比とかが電圧の高さなのだろうか(違う気がする)。
読了日:03月07日 著者:佐佐木 幸綱
短歌ください (角川文庫)の感想
木下龍也や九螺ささらの歌を読んでみたくて手にした。木下龍也はこの本の時点ではまだ投稿をはじめてなかったのかな。新聞で目にする投稿短歌とは色も形も違う、違い過ぎる歌が並ぶ。こういうのもおもしろい。第二芸術? なに云ってるの、おもしろければいいじゃない、と思う。
読了日:03月08日 著者:穂村 弘
スプーンの感想
下に弟・妹のいるつらさ・悲しみを外から見た歌が気に入った。いろんな歌集を読み始めたばかりで、行分けする歌をあまり見てこなかったので(『Confusion』はちょっと別格だが)、そこも含めて新鮮だった。どこでどう改行するかって重要だよなあ。
読了日:03月08日 著者:林 あまり
百人一首 うたものがたり (講談社現代新書)の感想
百人一首の歌一首一首に歌の解釈をはじめ歌人のことや歴史的背景などを解説した本。「百人一首、おもしろいじゃん」と蒙を啓かれた心地がする。解説にあった清原元輔の歌とか、いいよなあ。もっと読みたい。著者が芝居好きということもわかった。芝居の解釈は自分とは違うけれど、好きだとつい「ああ、あの芝居のよう」とか思ってしまうことってある。キラキラネームゆえに敬遠していた歌人だったが(すみません)、読んでよかった。
読了日:03月09日 著者:水原 紫苑
人類のヴァイオリン―歌集の感想
透明糊の歌が有名なのかもしれないが、その歌の向かいにあった歌が「もしかして、エヴァンゲリオン?」と思えてしまって己が限界を知る。幻想的でいながら「これはもしかして、写生?」と思われるような歌が多くておもしろい。あちらこちらで見かける名前なので、歌集を読んでみたいと思っていた歌人。引き続き他の歌集を探しているところ。
読了日:03月09日 著者:大滝 和子
世阿弥の墓の感想
『百人一首うたものがたり』を読んで、芝居好きの歌人だと知り手に取った。演じる端見る端から消えてゆく舞台を詠んだ歌がいい。こうして残してゆけるんだな。ただ、自分の好みと合うかどうかはまた別問題ではある。ほかの歌集にもあたってみたい。歌右衛門が好きらしいし。
読了日:03月14日 著者:水原 紫苑
カラー文庫 百人一首の感想
『百人一首うたものがたり』を読んで、「我は百人一首に暗い」と思い、手元に置いておくのに適したものと思って選んだ。ほんとはかるたの札をくりながら見るのがいいのかもしれないが、そんな気分にちょっとだけさせてくれる本。
読了日:03月15日 著者:
フランス語をはじめたい! 一番わかりやすいフランス語入門 (SB新書 611)の感想
2022年度後半ラジオのフランス語講座初級編を聞いていたので、復習になった。映画『最強のふたり』と小説『星の王子さま』からの引用が多く、映画は未見ながらこれがわかりやすさにつながっている気がする。ギャグ(というか)の原典がなんとなく古い気がするのだが、いまの若者はこれくらいなんてことないのかな。「「フラ語」って云ってる時点でダメじゃない? 「フランス語」ってちゃんと云わなきゃ」と常々思っているんだけれど、どうなんだろう。
読了日:03月23日 著者:清岡智比古
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