11月の読書メーター
11月の読書メーター
読んだ本の数:6
読んだページ数:1941
ナイス数:18
決定版 2001年宇宙の旅 (ハヤカワ文庫SF)の感想
映画を見る機会があったので読み返した。映画は狂気と孤独(isolated)だが、小説はとても筋が通っている。小惑星との接近が唯一の他者(というのか)との出会いであとはなにもなくて孤独というようなことが書いてあったりはするけれど、そこは映画で補って読んだ。小説も映画もどちらも『2001年宇宙の旅』なんだけれど、この正気と狂気との違いはどこから生まれてくるのか。
読了日:11月09日 著者:アーサー・C. クラーク
論語 増補版 (講談社学術文庫)の感想
何度も出てくる似たようなことばがいくつかあって、その中に「人の己を知らざるを患えず、人を知らざるを患う」というのがある。思えば学而篇の最初の「人知らずしていからず」なんてのもおなじことなのかもしれない。みんな、他人からの評価に飢えていたんだなあ、と思う。孔子自身もそうだったのかな、とか。コロナ禍で在宅勤務がはじまった時に毎週一章(というのか)毎日音読をするようになってもう三年目。途中やめていたこともあったけど、なんだかんだで続いている。
読了日:11月12日 著者:加地 伸行
The Midnight Disease: The Drive to Write, Writer's Block, and the Creative Brain (English Edition)の感想
白紙を与えられるととにかくあれこれ書いて埋めようとしてしまう。かつて家庭の固定電話を使っていたころは電話の脇のメモ用紙をそうして真っ黒にしてしまった人も多いのではないかと思う。でも過剰書字(hypergraphia)とはそういうものではないのらしい。それをこの本の翻訳で知ったのだが、なかなか手に入らないので仕方なく本書を読んだ。過剰書字はてんかんと関わりが深いという。考えてみたら自分は意味のないことは書かない。あー、腕だけとか脚だけとか描いたりはするけれど。でもこの書きたいという気持ちはどこから来るのか。
読了日:11月12日 著者:Alice W. Flaherty
はじめての短歌 (河出文庫 ほ 6-3)の感想
朝の連続テレビ小説『舞いあがれ!』を見ていたら、短歌をはじめる登場人物がいて、この本を思い出して読み返した。この登場人物もSEとして就職したから「末は総務課長か」と思ったらそうでもないようだ。読み返して、「生きのびる」ことに汲々としていることに気づく。「生きづらい」ということばは好きじゃないけど、でもまあ、生きづらいよなあ。
読了日:11月16日 著者:穂村 弘
これで古典がよくわかる (ちくま文庫)の感想
大河ドラマ『鎌倉殿の13人』を見ていて、源実朝の歌を解説した本が橋本治にあったなあと思い、探し出して読み返した。「源頼朝は、「磯野家のマスオさん」です。」とか書いてある。読んで、自分の実朝のイメージはほとんどこの本から来ていることがわかった。『桃尻語訳枕草子』はでも、その当時のことばで訳しちゃったから今読むとまたわかりづらいってことはあるんだよなあ。だからやつぱり「あはれ」ときたら「エモい(イヤナコトバダネ)」とか云ってちゃダメなんだろうなあ。
読了日:11月29日 著者:橋本 治
The Voices Within: The History and Science of How We Talk to Ourselves (Wellcome Collection) (English Edition)の感想
内言について知りたくて読んだのだけれども、どちらかというと「声が聞こえちゃう」問題の方が多かったように思う。ほら、よくあるでしょう、「神の声が聞こえる」みたような。そういうことが知りたい向きにはいいと思う。
読了日:11月30日 著者:Charles Fernyhough
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