3月の読書メーター
3月の読書メーター
読んだ本の数:6
読んだページ数:1227
ナイス数:21
暗記しないで化学入門 新訂版 電子を見れば化学はわかる (ブルーバックス)の感想
中学生の時外郭は外に行くほどたくさん電子を入れることができると習った。だったらなぜCa2+なのだろうと思っていたが、高校の時にそのからくりを聞いて「そういうことだったのか!」と蒙を啓かれる思いがした。この本にはもっと詳しく電子のことが説明されていて「そういうことだったのかー」と思うこと一度ならず。分子生物学を知った時に生物学はもう化学なんだなと思ったのと同様、化学ももう物理(量子論とか)なんだな、とも思った。そんなわけであまり理解できてはいない。でもわからないってなんでこんなに面白いんだろう。
読了日:03月04日 著者:平山 令明
ボッティチェリ 厄病の時代の寓話の感想
本屋の棚に薄くて不思議なふくらみがあって取り出したらこの本だった。その佇まいにふさわしい不思議な(といっては乱暴だが)短い話が12篇。表題作と最後の「書く」が好きかな。というのは、この事態の中で人と接触できないことや人と近づくことができないことにあまり不自由さを感じていないからだろう。他人の気持ちとしてはわかるけれど、どこか遠い世界の話にも感じられる。それではいけないと云われているのかもしれない。
読了日:03月11日 著者:バリー・ユアグロー 柴田元幸訳
The Fabric of Reality: The Science of Parallel Universes--and Its Implicationsの感想
読み終わってちっともわかった気はしないのだが、なぜだがおもしろい。わからないことってどうしてこんなおもしろいのだろう。量子物理学・認識論・進化論・計算理論の四つを現実の基本構造として統合しようという話、だと理解しているけれど、その一つ一つがすでに難しい。おもしろいのは著者の書きぶりのせいもあるのかな。どこか諧謔的というか、ユーモラスなところがある。前書きに「子供の頃、世界の全てを知ることはできないと云われて不満だった」とあってそこからして引き込まれる。参考図書を読んでからまた読み返したい。
読了日:03月14日 著者:David Deutsch
ヒューマニティーズ 哲学の感想
「ヒューマニティーズ 」というシリーズは人文学のこれからについて各分野の学者が執筆したものなのだろうと思う。薄くて一見入門書のようではあるけれど、「これから」を読むには読者の方にもある程度の知識が必要ということなんだろうな。いま読むと、「哲学とは何か」ということよりも、9.11以降「新しい戦争」と呼ばれたものが実は植民地戦争と変わらないという話にひかれてしまう。文献については詳しい説明があるのはちょっと嬉しい。
読了日:03月15日 著者:中島 隆博
Gorgias by Plato annotated (English Edition)の感想
冒頭の解説が親切で、ゴルギアス、ポルス・カリクレスの役割・ソクラテスとのやりとりの内容がわかりやすく説明されている。解説はちょっと長いけど、とりあえずこの三人のことを抑えた後は本篇に進むのもありじゃないかな。要所要所にプラトンのほかの著作と比較せよなんてな指示もあって親切とも云える。ソクラテス、嫌われ者でしょとか思っちゃうなあ。もっと若い頃に読んで「善とは何か」とか「人より優れているとはどういうことか」とか考えたかったなあと思いつつ、若いとそういうことで悩むのってかっこ悪いとか思っちゃったりするかな。
読了日:03月23日 著者:Plato(translator: Benjamin Jowett) Plato
The Curious Incident of the Dog in the Night-Time: A Novel (Vintage Contemporaries) (English Edition)の感想
サヴァン症候群の少年の目から見た物語で、父親のことは「Father」、母親のことは「Mother」と書き、みなからは「Christopher」と呼ばれている。「Dad」とか「Mom」とか「Chris」じゃないんだな。両親の息子への態度は正反対で、なんとかうまくつきあっていこうとする方が我慢できない方より問題を起こしてしまうというのはつらい。ハッピー・エンドといふ人が多いけど、そうなのかなあ。あと、ゴールデン・レトリバーってあんまり吠えないんじゃないかなと思った。そこが題名にもつながってたり……はしないか。
読了日:03月30日 著者:Mark Haddon
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