クリップは手芸道具である
在宅勤務をしてゐると思はぬ文房具が必要になることがある。
セロテープとか。
セロテープつて最近使はない気がする。
とはいへ、実はやつがれの手元にはある。
なぜといつて、マクラメをする時に使ふことがあるからだ。
テーブルなどに仮止めするときに用ゐる。
そんなわけで、セロテープはいまや自分の中では手芸用具のひとつだ。
さうはいつても筆記用具とかはさみ、のりといつたものは自宅にもある。
筆記用具も考へてみたら油性のマジックはないなあ。あつてももう書けなくなつてゐるだらうと思ふ。
あとホチキスは芯がまだあるかなあ。ホチキスの中に入つてゐればあるけれど、なかつたら芯は買つてくるやうかもしれない。
ところで今回は突然クリップが必要になつた。
社として提出する書類をクリップでまとめよ、といふことだつたからだ。
クリップ。
普通のお宅にはあるのだらうか。
我が家にあつたらうか。
そこで、古の記憶が蘇る。
小学生のときのことだ。
図画工作だつたか理科だつたかの授業でクリップが必要だつた。
それも一箱くらゐ。
クリップを骨組みにして周りに紙粘土をつける、とかだつた気がするから図画工作かもしれないが、錘を作るといふので理科だつたかもしれない。
いづれにしても、翌日クリップが必要だといふことをやつがれはすつかり失念してゐた。
親にも一言も云はなかつた。
翌日学校に行つて、はじめてクリップが必要だつたことを思ひ出した。
小学校と自宅とは目と鼻の先だつたので、家に取りに戻つたが、当然そんなクリップなどあるわけがない。
結局学校に戻つて、周りの子からおあまりを頂戴したんだつたと思ふ。
今回もクリップと云はれて、買ひに行かねばならぬかと出かけやうとしたところ。
待てよ。
タティング用具の中にあるかもしれない。
そのことに思ひ至つた。
いや、きつとある。
なぜといつて、チェインからはじまる作品を作る時に必要だからだ。
或はチェインの下にピコなどをつなぐ時にも必要だ。
そんなわけでタティング用具入れを探したら、無事に三つのクリップを発見した。
よかつたよかつた。
タティング用にはクリップは一つあれば十分なので、といふのはそんなに複雑な大作を作ることはないからだが、めでたしめでたしといつたところだ。
そんなわけでクリップはタティング用具なのである。
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