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Wednesday, 13 October 2021

囲碁か将棋か麻雀か

突然、囲碁か将棋をはじめてみやうと思ひたつた。
チェスやバックギャモン、麻雀でもいい。
なにか、かう、自分の思ひ通りにならないものをはじめてみたいと思つたのだ。
なぜといつて以前からひどく自己中心的で、なにかをした時に自分の思ひ通りにならないとどうにも反応できないことをどうにかしたいと思つたからだ。
予想外のものごとに弱い、といふこともある。これも囲碁とか将棋とかでなんとかならないかと思ふ。

囲碁や将棋といふのはこちらが一手打つたり指したりすると、それに応へて相手が打つなり指すなりする。この相手の手は自分ではどうにもしやうがない。
自分の手からおよその想像がつくこともあるが、「かうなるといいな」と思つた手を打つたり指したりしてくれるとは限らない。大抵の場合は「かうなるといいな」といふことにはならないだらう。
さういふ状態に慣れたいと思つた。
それには囲碁とか将棋だらうと思つのただ。
将棋はいま大人気だらうから、囲碁にしやうかな。

といふわけで、囲碁道場や将棋道場をWeb検索してみたが、このご時世で閉鎖してしまつたところもあるし、いま活動してゐるのかどうかわからないところもある。
オンライン道場などもあるやうだが、どうなんだらうなあ。
でも、以前囲碁か将棋をはじめやうと思つたときよりは格段に大人向けの道場・教室が増へてゐる気がする。
少子化の影響かなあ。

囲碁や将棋は、年老いてからはじめてはダメだといふ。
同年代の囲碁や将棋をたしなむ人はは若い頃からずつと続けてゐる人ばかりで、まづ勝てるやうにならないから、なのださうだ。
平塚囲碁まつりで9路盤で打つといふ催しがあつて、一度だけ体験したことがある。
はじめて人と打つ碁だつた。
相手は高齢者だつた。
全然歯が立たなかつた。
年をとつてからはじめるといふことはさうなる、といふことだ。
その後他人と打つたことはないし、将棋は一度も指したことはない。
見る碁とか見る将はたまにするくらゐ。

でもまあ他人と打つたり指したりすることを目指さなくてもいいのではないかといふ気もする。
たとへば我が家には家族用に買つた柿木将棋があるので、それで将棋を指すといふ手もある。

とはいへ、まづは初歩を学ばねばどうにもならない。
といふわけで、iPhoneのアプリケーションである「世界で一番やさしい囲碁問題集」をはじめてみた。
吉原由香里六段と万波佳奈四段といふ自分が囲碁をはじめてみやうと思つたころから活躍ゐる棋士の監修したものだといふ。
まづは9路盤に石が置かれてゐる盤面を見てアタリを見つけるといふ問題を数十問解くことになる。
これがね、つひ考へずに答へてしまふんだね。
パッと見て「ここ」と答へてしまふ。
そこでハッと我に返る。
いやいや、自分がしたかつたのはさういふ脊髄反射的に答へにとびつくことぢやあなくて、考へて考へ抜いた末に放つた手への反応が自分の思ひ通りぢやなかつた時にちやんと対処できるやうになることなんであつて、とか。

でも考へてみれば、このアプリケーションは「問題集」だ。
自分で打つた手に相手がどう答へるかなんてなものは出てこない。
「問題集」でも詰碁なら話はまた別かもしれないけれど。
ハッ、さうか、詰碁か。
詰碁とか詰将棋とかプロブレムとかか。
それなら他人がゐなくてもできるし、問題に対して自分が考へた手がどう受けられるかによつてその先の展開が変はつたりする。
当初の目的はそれで果たせるのではあるまいか。

などと云ひつつ、「世界で一番やさしい囲碁問題集」は行けるところまでは行つてみやうかといふ気もしてゐる。

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