昔の歌を聞く機会
先日、宝塚歌劇団宙組の「シャーロック・ホームズ The Game is Afoot!」と「Delicieux 甘美なる巴里」のライヴ・ヴューイングに行つた。
元々はどちらかといふとお芝居(といふよりはミュージカルだらうか)の方が好きで、レヴューはどうもと思つてゐたのだが、あらためて見ると宝塚歌劇団のレヴューは楽しい。
贔屓の組子がゐればもつと楽しいのだらうけれども、よく知らなくても見てゐておもしろい。
なにしろ選曲もいいしね。
今回はわりと冒頭に「パリの空の下川は流れる」が使はれてゐて、ヴェルサイユなのかプチ・トリアノンなのかマリー・アントワネットの出てくる場はクラシック音楽の編曲を多用してをり、ほかにも「ベサメ・ムーチョ」とか「誰にも奪へぬこの思ひ」とかいくつもの名曲を使つてゐた。
「Je Te Vous」とか大好きなんだよねー。
「バリの空の下川(セーヌ)は流れる」とか「ベサメ・ムーチョ」とか、今時のお若い方は聞く機会がないのではないかと思ふが、ずつと宝塚を見てゐるとくりかへしくりかへしあちらこちらのレヴューで使つてゐたりして覚えてしまふのだらうなあ。うらまやしい話である。
いづれにしても、かう、舶来版懐かしのメロディを聞く感じがあつて、悪くない。
帰宅後久しぶりにビートルズの「ベサメ・ムーチョ」とか聞いちやつたもんね。
いま聞くと「チャチャ、ウッ!」とか可愛い。
結局、古い歌が好きなんだなあ。
柳亭市馬ではないけれど、「あたしは昭和40年代までの歌しか聞かないんです」くらゐのいきほひでさうかもしれない。
親世代の知つてゐる曲しか聞かない、とかね。
それこそビートルズの「Your Mother Should Know」ぢやないけれど、「君のママの生まれる前に流行つた歌で踊らうよ 君のママは昔々の生まれだけれど 君のママなら知つてゐるはずさ」みたやうな、ね。
踊れないけど「Cheek to Cheek」とか「Anything Goes」とか「I Got Rhythm」とか、聞いて知つてゐる。
下手すると親の生まれる前に流行つた歌だつて知つてはゐる。
いまはYouTubeなどのおかげでさうした古い歌を聞くことが可能だ。
昔だつたら「懐かしのメロディ」の放映を待たなければならなかつたのに。
でも知らないと聞くことはないだらう。
そもそも検索しないと出てこなかつたりするわけだし。
知らなければ検索のしやうもない。
それを考へると、宝塚に馴染みがあるととつかかりといはうか、入口があつていいなあといふ気がする。
昔の曲なんて知らなくてもかまはないとは思ひつつ、でもフランスの歌なんて最近聞かないし、さう思ふとありがたいなあといふ気がするのである。
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