編み終へられぬ理由
林ことみの『エストニアで習ったレース』に掲載されてゐるかぎ針編みの三角ショール、そろそろ糸を使ひ切りさうなので終はりにしやうと思ひつつやめられない。
やめられない理由はいくつかある。
ひとつは、終はるのがめんどくさいことだ。
編み終はると糸端の始末や水通し、整形などさまざまな作業が待つてゐる。
あみものの一環とわかつていつつも、どうもかうした作業が好きになれない。
今回は一巻の糸で編んでゐるから糸端の始末は編み始めと編み終はりの二回……と書きたいところだが、それが二回づつあるので計四回で済むのはありがたい。
水通しはまあかんたんに洗へばいいからいいけど、整形して乾かすのが苦手だ。
きれいに整へることができない。
三角ショールくらゐの大きさになるとむつかしいんだよね。広げる場所がないしさ。
また、編み終はつたら次になにを編むかを考へないといけない。
もうだいたい決めてはあるけれど、なにかを始めるといふのは案外大変なことだ。
はじめたら道半ばと思つていいといふ説さへあるくらゐだ。
実際のところ、九割がた終はつたところが道半ばだなと思ふことが多いけどね。
とはいへ。終はるのがめんどくさいのはいつものことだ。
今回はまたちよつと違ふめんどくささがある。
使つてゐる糸が、最初は白くてだんだん生成りのやうな色になり、どこか薄汚れたやうな色になり、最後は青くなつて終はる、そんな色合ひの糸だ。
青くなるところまで使はないと、なんだかどんどん汚くなつていくやうな色に見えてしまふのだ。
そろそろ本体を編み終へて縁編みに入つてもいいのだが、いま縁編みに入ると青いところまで到達しないのではないかといふ気がするのである。
わかつてゐる。
糸が足りないなとか糸があまりすぎるなと思つたら、ほどいて編みなせばいいのだ。
でもそれがなんとも面倒臭い。
それだけのことなのである。
それでも、この感じだと今週中には編み終はるかな。
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