何も考へずに
著しく眠たい。
薬のせゐなので仕方がない。
ところが、その眠気の合間に時折妙なやる気の芽生えるときがある。
……タティングしちやはうかな。
なにを作るかとか考へずに。
そんなやる気が。
もちろん日中は仕事があつてそんなわけにはいかず、結局手付かずのままなのだが、この「なにを作るとか考へずに」といふのはなんだかいいんぢやあるまいか。
その昔、鈴木光明の書いた「少女まんが入門」といふ本があつて、これの続篇に萩尾望都のことばとして、「先生のまんがスクールでは16ページで一作描くことにしていますが、思へば私たちがこどものころは好きな内容のまんがを好きな長さだけ描いてゐました。生徒さんたちはこれをやつてみてはどうでせう」といつた内容の文章が載つてゐた。あの旧ソ連旅行の直前のことだつたといふ。
この「少女まんが入門」といふのは実にストイックといはうか、さういふ内容の本で、16ページのまんがを決まつた期間に一作、毎日クロッキー、四コマまんがを描く、三題噺を考へる、カラー原画の練習をする、その他さまざまな課題をまんが家志望の人に提示したものだつた。
プロにならうと思つたらそれくらゐお茶の子さいさいといふことなのかもしれないが。
でも、さうだなあ、タティングも、なにを作るとかどれくらゐの大きさ長さのものを作るとか考へないで、とにかく好きなモチーフをひたすら作つてつないでみるとか、好きなエジングを延々と作つてみるとか、いいかもしれない。
いづれ何かにはなるだらう。
こちとらプロにならうといふでなし、だいたいタティングのプロつてなんだよ、といふ話だしね。
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