文房具への愛着
サクラクレパスのBallsign iD 0.4が気に入つてゐる。
ミステリアスブラック(パープルブラック)とフォレストブラック(グリーンブラック)とを持つてゐて、どちらもいい色だ。
気に入つてゐる点は主に三つ。
まづ書きやすいこと。
ちよつとすべるかな、と思はないこともないが、まつたくすべらないよりは好みだ。
次に細く書けること。
0.38のuni-ball oneより描線が細い。ちよつと書き込みたいとか書き足したいといふ用途にとても向いてゐる。
そしてにぢんだり裏抜けしたりしづらい。
すくなくともいままで使つてゐてにぢんだことも裏抜けしたこともない。
いいことづくめだ。
三菱鉛筆のuni-ball oneも好きで、ほぼ0.38ばかりだが何色か持つてゐるし、中でもブルーブラックは書き込み用、すなはちマージナリア用に3本用意した。
自宅に置きつぱなしにしてゐるものと、持ち歩くものと、予備。
uni-ball oneも書きやすいし(書き出しがかすれるといふ人もゐるが、自分が使つてゐる範囲ではさうしたことはいまのところない)、にぢみも裏抜けもしないのだが、ちよつと描線が太いんだよね。
まあ、Ballsign iD 0.4に比べると、といふことだけれども。
昔の本、とくに聖書にあるやうなやたらとマージンの大きい本ならいざ知らず、大抵の書物はマージンがそんなに多くはない。
あー、歌集とか句集とかは大きいか。
あと、最近だと『独学大全』のマージンがかなり大きくとつてあると思つてゐる。これはきつと書き込む人用なんだらうなと思つてゐるんだけど違ふかな。
いづれにせよ、自分が読む本にはそれほどマージンがさほど大きくない。
さうすると、できるだけ細く書けるペンがいいんだよね。
でもなー、uni-ball one、買つちやつたしなあ。
使ひきつたらBallsign iDにしてもいいけど、いつになつたら使ひ切るやら。
なにしろ用途がマージナリアだからねえ。
それで思ひ出したのが、岸裕子のまんがだ。
多分、「玉三郎 恋の狂騒曲」の中のどれかだつたと思ふ。
人は一度愛着を失つたものには二度と見向きもしない、といふのだ。
どんなに寵愛を受けてゐたものでも、或は寵愛を受けてゐればこそ、それを失ふと、二度と愛されることはない、と。
そのころはよくわからなかつたけれど、なるほど、かういふことなのかな、と思ふ。
あんなにuni-ball oneのことを気に入つてゐたのに、いまはBallsign iDに夢中、みたやうな。
Ballsign iDはブラック系の六色だけだから、uni-ball oneのブルーブラック以外の色はいままで通りに使つてゐるけれど。
ブルーブラックへの愛は戻らないかもしれない。
無論、Ballsign iDが製造中止などといふことになつたら話はまた別かもしれないが。
でもさうしたら、岸裕子のまんがでいくと、uni-ball oneではなくて、なにか別の新しいペンを求めてしまふんだらうな。
いまのところ、まだBallsigh iDのブルーブラックは買つてゐない。
そこは自分なりにけぢめかなあと思つてゐる。
« サブスクリプションと写真 | Main | 6月の読書メーター »
Comments