なほもうるさく原稿用紙の使ひ方
高校生の書いたといふ小説を読ませてもらふ機会を得た。
いまどきだからPDF文書になつてゐる。
縦書きなのは小説とはさうしたものだからなのか書いた人の趣味なのか、そこのところは聞きそびれた。
A4横と思しき設定になつてゐて、時折気になるのが行末の空白だ。
どうやら行頭に「っ」や「々」などが来ないやう、その一つ前の字を次の行頭に送つてゐるやうなんだな。
もひとつ、行頭に句読点が来ないやうに、同様にその一つ前の字を次の行の頭に送つてもゐる。
句読点の場合は、行末にぶら下げるのが筋だらう。さういふ設定もできるはずだ。
問題は「っ」や「々」で、決まつた行数×列数で書くのなら文字数が重要になつてくるはずなので、行頭に来てもかまはないと思ふ。実際に印刷する場合のレイアウトにした時にはじめて調整すればいいのぢやあるまいか。メフィスト賞などの場合は実際に印刷するときのレイアウトで投稿することになつてゐたと思ふので、予めその調整は済ませておくやうだらう。
こんなことにうるさいのも、小学生のとき国語で原稿用紙の使ひ方を習つたからだ。
段落の頭は一文字下げる。
行末の句読点は行末外にある枠内に収める。
閉ぢかぎかつこと句点はおなじマスに書く。
クエスチョンマークやエクスクラメーションマークのあとは一文字空ける。但し閉ぢかぎかつこは一文字空けずに書く。
さう、この「クエスチョンマークやエクスクラメーションマークのあとを一文字空けるのはヲタクの証拠」といふ話を聞いたときのおどろきといつたらなかつた。
え、学校で習はないの? 習ふでせう。
だが、どうやら原稿用紙の使ひ方については同年代でもどの程度教はつたかはまちまちのやうだ。
もちろん、今の学校で原稿用紙の使ひ方を教へてゐるとは思はない。
それに、学校で習つたからといつて覚えてゐるとは限らないし、覚えてゐることが正しいとも限らない。
自分が読んだことのある狭い範囲では、上記にあげた四つの規則のうち、「閉ぢかぎかつこと句点はおなじマスに書く」以外の三つはほぼすべての本にあてはまると思つてゐる。
クエスチョンマークやエクスクラメーションマークのあと一文字空けるといふのはヲタクの決まりではない。本を読んでゐればそれとわかるはずなので、さういふ人は本を読んだことのない人なのだらう。
新聞はこの限りではないやうではあるが。
原稿用紙といふものを使はないのであれば、上記のやうな決まりは必要ないのかもしれない。
でも、1文書の文字数が決まつてゐる場合はやはり原稿用紙の書き方を参考にしつつ書くやうだと思ふんだよなあ。
Microsoft Wordにはないかもしれないが、おそらく一太郎には原稿用紙モードといふのがあるんぢやないかと思ふ。
Macな人ならegwordに原稿用紙モードがある。
それで一度試してみるとおもしろいんぢやないかなあ。
ちなみにegwordの原稿用紙モードだと、初期設定では「っ」や「々」が行頭にくる場合、その前の一文字を次の行頭に送るやうになつてゐる。書式を弱い禁則に変更すると解除される。
ちよつとおもしろい。
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