TVで映画
明日、金曜ロードショーで『ボヘミアン・ラプソディ』を放映するといふ。
地上波初放送ださうで、最近金曜ロードショーはひとり気を吐いてゐるといつた状況なのらしい。
「なのらしい」といふのは、ちかごろあまりTVを見てゐないから人伝てだといふこと。
どうも日曜日の朝に三十分といふのが限界らしい。
一時間ものとか、ちよつと無理。
ニュースも天気予報だけ見てあとは見ないやうな状態がつづいてゐる。
でも映画はよくTVで見た。
先日若山弦蔵の訃報に接した。
さうなんだよー、ショーン・コネリーは若山弦蔵の声で喋るんだよねえ。
まあ世代的にどちらかといふとTVで見るのはロジャー・ムーアの007の方が多かつたので広川太一郎なのだがそれはともかく、そんな感じで映画はTVで見てきた。
思ひ出すとあの映画もこの映画も最初はTVだつた。
TVで見られると聞いたら見るといふ感じだつたこともある。
だいぶ前にここにも書いたけれど、「このくつ下は『七人の侍』で千秋実が死ぬところを見つつ完成したもの」といふのもある。
なんか、そんな感じなんだよなあ。
『大脱走』とか『荒野の七人』なんかも絶対吹替。
と書きつつ、のちに映画館で見たりもしたけれど。
TVで映画が見られると、特に見たいものでなくても見る。
その結果、見たことのあるものの幅が広がる。
偶然の出会ひがおもしろい方向に進むこともある。
#多分。
日曜洋画劇場では淀川長治が「これは日本では封切られてゐないのだけれども、とくにみなさんに見ていただきたいので」といつて放映した映画もあつた。
まあ、もしかしたらネタ切れだつたのかもしれないけれど、でもわざわざシナリオを翻訳してそれを元にアフレコして、TV用に編集したものを放映してゐたのだから、手間がかかつてゐる。
いまは日本に来なかつた映画はディスクに焼かれたり動画配信サーヴィスにあがることもあるが、それなりにアンテナを張つて注意してゐないと知らぬままに過ぎてしまふ。
多分、ほとんどの場合知らぬままに過ごしてしまふことだらう。
淀川長治、荻昌弘、水野晴郎といつた映画のキュレータと呼んでもいいやうな人々がゐなくなつてのち、TVで放映される映画はほぼ固定化されてしまつたやうな感じだつた。
気がつくとジブリとかさ。
あとは続篇が上映される前に前作が放映されるとか。
そんな状態だつたのに、最近の金曜ロードショーは違ふ。
『バック・トゥ・ザ・フューチャー』三作を週ごとに放映したのがまづよかつた。
だれだ、いいぞ。
そんな感じ。
ところではたしてやつがれは明日の『ボヘミアン・ラプソディ』を見るのだらうか。
もうさんざん映画館で見たのに。
一応、DVDも持つてゐるし、見もした。
吹替版は一度しか見てないから、TVでは第一音声で見るといふ手もある。
音楽部分は元の音源どほりだらうし。
それとも第二音声で見て、一緒に「Not the coffee machine!」と叫ぶ手もあるか?
さて。
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