モンティ・パイソンにたどりつく
最近『ドクター・フー』ばかり見てゐて、『Horrible Histories』をなかなか見られずにゐる。
『Horrible Histories』は見るといつてもYoutubeの公式チャンネルで部分的に見るだけだから、時間さへあればいつでも見られるといへばさうなので、見ることもあるけれど、以前のやうに毎日毎日見続けるといふことはなくなつてしまつた。
少しさみしい。
でも『Horrible Histories』を見ておいてよかつたな、と思ふことは多々ある。
『Horrible Histories』は、本邦でたとへると『歴史にドキリ』に似た番組だ。時期的に考へると、『Horrible Histories』の存在を知つたEテレのfantasticな人々が「いつちよやつてみるか」といふので作つたのが『歴史にドキリ』だつたのではないかと思つたりもする。
『Horrible Histories』はもともとは本として発売されてゐて、中世、テューダー朝、スチュワート朝などといふやうに時代を分けて取り扱つてゐる。
中には古代エジプトや古代ギリシャ、古代ローマ、アステカといつた区分やヴァイキングといふテーマの本もある。
が、基本的にはイギリスの歴史を取り扱ふことが多い。
TV番組は本を元にして作つてゐて、番組全体を通して見たことはないが、Youtubeに後悔されてゐる動画から、スケッチ(ショートコント)と歌とで構成されたものだと推察してゐる。
おかげで、『ドクター・フー』のシリーズ2エピソード2「Tooh and Claw (女王と狼男)」を見たときに「ジェイムズ五世」と云はれたら「ああ、スコットランドの、ね。スチュワート朝の。戦ひで殺されたとかいふ」と、即わかつたりする。
まあ、ヴィクトリア女王に「We are not amused.」と云はせたがる所以はモンティ・パイソンで知つたんだけどさ。
思へば、『Horrible Histories』を見るきつかけは「なんだかモンティ・パイソンに似てゐる!」と思つたからだつた。
歌の感じといひ、スケッチの感じといひ、どことなくモンティ・パイソンなのだ。
第二次世界大戦中、イギリスでは電車の中で次の駅名を知らせなかつた時期があつたといふ。
ドイツのスパイに知られないやうに、といふのだが、このことを題材にしたスケッチが、モンティ・パイソンにあつてもをかしくないやうなものだつたりする。
四人がけのコンパートメントに車掌がやつてきて、これこれかういふ理由で次の停車駅の名前をお教へできません、といふ。
ただし、これこれかういふ条件がととのへばお教へできます、と。
さうすると客から「でもそれぢやあドイツのスパイがゐたら駅名を知られてしまふぢやないか」と云はれる。
車掌は「ぢやあかうしませう」と解決策を提案するが、次から次へと客から却下されていく。
このときの車掌の云ひやうや云ふことが矛盾の極みのあたり、なんだかモンティ・パイソンなんだよなあ。
さういへば、『ドクター・フー』でもシリーズ4のエピソード8でドクターがモンティ・パイソンに言及する下りがある。
ドクター、いろんな時代のいろんなところに行つてゐるのはわかつてゐるけど、モンティ・パイソンとか見てゐる余裕があつたのか知らん。
誰に見せられたのかな。
といふことで、結局もとをたどるとモンティ・パイソンに行き着いてしまふのだなあ。
偉大なり、モンティ・パイソン。
まあ、番組自体は『ドクター・フー』の方がずつと前にはじまつてゐるんだけどね。
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