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Wednesday, 09 December 2020

きやわきやわして見る時代劇

四年前のいまごろは八世松本幸四郎の『鬼平犯科帳』を、三年前は『暗闇仕留人』を、きやわきやわしながら見てゐたやうだ。
そのころのTwitterの記録からわかる。
どちらも昼間の再放送で、録画して見てゐた。
録画機が壊れなければ、いまごろもなにかしら見てゐたのではないかと思ふ。

もちろん、いまも楽しみに見てゐる番組はある。
『魔進戦隊キラメイジャー』とかね。
でも見られない日もある。
それに、なぜか、時代劇のやうにきやわきやわしながら見られないんだよね。
キラメイジャーは楽しいし、いいドラマだとわかつてゐてもなほ、だ。
なんだらうなあ。
よく知る俳優が出てゐないからかなあ。
それはあるかもしれない。

四年前のいまごろの『鬼平犯科帳』では小林昭二が悪役で出てゐて、普段はとても穏やかな声で喋りものやはらかな調子なのだが、一朝ことがあるとガラリと変はつておそろしいといふ、親分さんのやうな役だつた。
小林昭二といふと、『ウルトラマン』のムラマツ・キャップだつたり仮面ライダーシリーズのおやつさんだつたりするわけだが、『病院坂の首縊りの家』とかいいんですよつて柳家喬太郎に話してもらひたいくらゐだし、映画『切腹』で仲代達矢演じる主人公を出迎へる若侍役のときの座つた際のかしこまつて躰の小さくなる感じとかちよつといまの役者でもこれができる人はまれといつた感じで、この鬼平での役も得体の知れない怖さをかもし出してゐていいんだなあ。
あ、『ウルトラセブン』の「あなたはだぁれ?」なんかもよくないですか。
あのドラマは小林昭二だから真に迫つてゐる部分があると思ふんだよなあ。
真に迫つてゐるといふか、普通なんだよね。普通にかういふ人、ゐさうつて感じ。
普通にをぢさんで、普通に会社で働いて普通に団地に帰つてくる、そんなそこらへんにゐさうな人。
だからあの不思議な展開がとても展開に感じられる。
さう思ふんだがなあ。

『暗闇仕留人』だと山形勲かなあ。
商人なんだけど、自分が見たことのある必殺シリーズの悪役の中では一、二を争ふくらゐおそろしい。
なんといふか、底が知れないのだ。
やつてゐることは悪事を行ひながら自分の商ひを広げるといふ、ほかの悪役もよくやることなんだけれども、なにかそれだけではない、欲得づくだけではない怖さがあつた。
見てゐてぞつとしてしまつたもの。
山形勲といふと、『水戸黄門』の柳沢吉保とか、いろんな映画での松平伊豆守とかの印象が強い。
ザ・悪役でもある。
さういふ人の演じる悪役の凄さ、といふべきか。

さういや山形勲は八世幸四郎の鬼平で「老盗の夢」に出てゐる。
中村吉右衛門の鬼平では丹波哲郎が出てゐた話だ。
実をいふと丹波哲郎はちよつと苦手なのだが、この話はいいと思つた。
思つてゐた、といふべきかもしれない。
さう、山形勲の「老盗の夢」を見るまでは。
丹波哲郎の老盗は老いてもなほ様子がよかつたけれど、山形勲の老盗には様子のよさの影に老醜がある。
萬屋錦之介の鬼平のときの中村竹弥もさうだつた。
かつこいい。
でもどこか老いたゆゑのゆがんだものが見え隠れする。
おそらく「老盗の夢」といふのはさういふ物語なのだ。

なんてな話は延々できてしまふのだが、キラメイジャーだとむつかしい。
特撮番組の知識が乏しいからかなあ。

いづれにしても、いまはTVをほとんど見てゐないし、見る予定もない。
あ、でも、この冬休みは『ドクター・フー』か『ホリブル・ヒストリーズ』を見るつもりでゐる。
それはちよつと楽しみかな。

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