コレポンと綯交ぜの世界
あひかはらず朝一枚タロットカードを引くことをつづけてゐる。
米光一成の『思考ツールとしてのタロット』を読んではじめた。
この本で好きなのは、「コレポン」といふ概念だ。
無関係と思われるものの共通点を見つけ出し繋ぎ合わせることと、この本にはある。
朝の一枚引きについては、朝引いたカードを念頭におくことで
いつもと違う視点で道を歩ける。ぼんやり歩いてると見えないことに気づく。のださうな。
無関係と思はれるものの結びつきつて、綯交ぜの世界に似てゐる気がする。
道明寺にある菅原道真の像と当時めづらしかつた三つ子の話を取り入れてみた「菅原伝授手習鑑」とか。
忠臣蔵の世界に四谷であつた怪談を取り入れてみましたといふ「東海道四谷怪談」とか。
隅田川の世界にとんでもない坊さんを登場させた「隅田川続俤」とか。
綯交ぜの世界がコレポンの世界なのかどうかはわからないが、全然関係ないもの同士を結びつけたといふあたり、おなじやうなものなのではないかと思ふ。
そして、やつがれはどうにもこの綯交ぜの世界の芝居が好きで仕方がないのだつた。
綯交ぜの世界を持たない歌舞伎は歌舞伎ではないと思ふくらゐ好きだ。
新作歌舞伎がどうしても好きになれない理由はそこにあるのだと思つてゐる。
『ONE PIECE』にしても『ナルト』にしても『風の谷のナウシカ』にしても、歌舞伎といふ世界に原作のあるものを持ち込んだといふ意味では綯交ぜなのかもしれないが。
違ふんだよなあ。
『ONE PIECE』には先代萩とか碇知盛からもつてきた場面があるぢやない、といふかもしれないが、それも違ふ。
たとへば、さうだなあ、『風の谷のナウシカ』の世界に『新世紀エヴァンゲリオン』の登場人物が出てきて活躍する、さういふのが綯交ぜの世界だ。
でもいまの世の中これをやつちやふと、下手したら著作権にひつかかるからね。
生きにくい世の中になつたなあ。
それはともかく、そんなわけで毎朝一枚カードを引いてゐるのだが、どうもコレポンがうまくいかない。
話によると腐女子はコレポンの天才なのだといふ。
だからダメなのかなあ。
粗にして野だが腐ではないからなあ。
朝ではなく夜引いてみて、その日1日をふり返つてみる方がいいかな。
ちよつと考へてみん。
« 今年買つた万年筆 キュリダスその一 | Main | 2020年の編み物事情 »
Comments