布団の中でぬくぬくが楽しい訳
年末年始や五月の連休など何日か休みのつづくあひだはその日のうちに布団に入ることを目標にしてゐる。
今年は昨日から休みだつたのでなんとかギリギリその日のうち布団にすべりこんだ。
それでゐて今朝はいつまでも目が覚めなかつたのは、やはり寝つきが悪かつたからだらうな。
普段そんなに早い時間に寝ることがないので、なかなか寝つけなかつたのだらう。
と思つたが、Apple Watchは布団に入つて四分後には眠りについてゐるといふのでどうなのかなあ。
ときどき、「眠れない眠れない」と思ひながら眠つてゐることもあるから、さういふ感じなのだらうか。
ところで、なかなか起きられなかつたのにはわけがある。
目が覚めた状態で布団の中でぬくぬくしてゐたかつたからだ。
アーシュラ・K・ル=グウィンだつたと思ふけれど、朝目が覚めてからしばらくは布団の中でぼんやりするやうにしてゐるといふ人がゐたと思ふ。
これつて、眠らうとするときにはできないことなんだよね。
眠りから覚めて、しかる後でないとこの布団の中でぬくぬくといふ経験はできない。
まあ、頑張れば眠る前でもできるのかもしれない。
このままいつまでも眠りにつきたくない、とか思ひながら布団の中でぬくぬくすることは可能ではあらう。
だが、眠りにつきたくないといふのがどうも、なあ。
もちろん、さういふ人はゐるだらう。
眠る時間がもつたいないといふのでいつまでも布団に入れない人がゐることは理解できるし、自分もさういふ時がある。
しかし、布団に入つたといふことはもう眠ると決めたといふ証拠であつて、いくら布団の中でぬくぬくできても「眠りにつきたくない」とは思はないものだ。
ところが、起きる時といふのは別に起きたくて起きるわけではない。
自然と目が覚めてしまつたとか、家族または目覚まし時計のアラームに叩き起こされたとか、起きるときといふのは自分の意思はあまり関係がない。
もしかしたら「自分はいまから起きるんだ!」と思つて目を覚ます人もゐるかもしれないけれど、寡聞にして知らない。
だから、目が覚めると起きたくないのだと思ふし、布団の中でぬくぬくとしてゐたいと思ふし、その布団の中のぬくぬくを楽しみたくなるのぢやあるまいか。
そんなわけで、この休みはその日のうちに布団に入ることを死守しつつ、目が覚めた後の布団の中のぬくぬくも楽しむつもりでゐる。
例年だと「早寝早起きする」とかいふ目標をたてるんだけどね。
目覚めた後の布団の中のぬくぬくなんて、休みのあひだでもないと楽しめないもんね。
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