惰眠を貪る
最近、やたらと寝てしまふ。
起きてゐてもいいことないし。
だつたら普段から足りない睡眠を補つておくか。
それくらゐの気持ちだ。
三原順のまんが『はみだしっ子』に、眠り姫が眠つてゐたのはなにかいいことが起きるまで寝てゐたいから、みたやうな話があつたやうに思ふ。
なにかいいこと起きるまで。
ないな。
なにかいいことなど起きるはずがない。
だから寝てしまふ。
さういふ面もある。
単に眠いといふ話もある。
夜になると明日はあるひは週末は映画にでも行かうといふ気になる。
まだ『テネット』を見てゐないし、週末からは神保町シアターで成田三樹夫特集がある。
見に行きたい。
だが朝起きるととてもとてもそんな気にはならない。
映画館、遠いしな。
行つて帰るのに時間がかかりすぎる。
食事もどのタイミングでとつたらいいのかよくわからない。
食べなくてもいいけれど、映画を見てゐる最中におなかが鳴るのも申し訳ない気がする。
生理現象なんだからいいぢやない、とも思ふのだが、芝居を見る人は結構さういふところにうるさいんだよね。
「お前の腹は鳴らぬのか!」と思ふこともあるけれども、仕方がない。
今日ももうすでに眠い。
だいたい眠たくないときがない。
眠たくないのは眠らなければならないときくらゐだ。すなはち夜、もういい時間になつたころ。
どうしてかうなんだらうね。
睡眠は死の予行演習なのかなと思ふこともある。
世の中いいことがない。
眠つてしまはうか。
なにかいいこと起きるまで。
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