捨てられない病
キーケースを買ひ換へた。
これまで使つてゐたCOBUのキーケースからorbitkeyのKey Organiser (zぢやなくてsなところがいい)にした。
COBUのキーケースはナガサワ文具センターで買つたと記憶してゐる。
革製で水色のケースで、COBUの製品についてゐるウサギの刻印がある。ファスナーで開け閉めするタイプで、中にカラビナのやうなカニカンのやうな金具が三つついてゐる。
中は全然問題ないのだが、外がもうダメだ。
外には長方形の金具がついてゐてほかのリングなどにつなげるやうになつてゐたのだが、これが取れてしまつた。
この金具をつなぎとめてゐた革が切れて分解してしまつたからだ。
糸がほつれてゐるから縫つてあつたんだらう。生憎切れた革の部分はなくしてしまつたので詳細はわからない。
もう一度金具をつけやうかとも思つたが、ちよつとやつがれの手には負へさうにない。
せめてファスナーの引き具に穴が空いてゐたらそこになにか通して使へるんだけど、残念ながら空いてゐない。
外の革もだいぶボロボロだし、これは買ひ換へ時か、と、外の金具が取れた時に思つた。
しかし、捨てられずに使ひつづけてきた。
このキーケースの何がいいかといふと、飯田の川本喜八郎美術館をはじめ博物館や美術館、或は歌舞伎座や国立劇場などでロッカーを借りた際、ロッカーの鍵を入れるのにちやうどよかつたからだ。
キーケースに鍵を入れる。
これならどこにロッカーの鍵を入れたか忘れずに済む。
だから次に買ふとしてもおなじやうなタイプのキーケースにしたいと思つてゐた。
気分なんてあてにならないものだな。
orbitkeyのKey Organiserは、細長い革を半分に折つた形で、両端をつなぐネヂがついてをり、鍵の上の方についてゐる穴にネヂを通して使ふやうになつてゐる。
……これでわかるかなあ。
細長い革で鍵を包み、鍵と革とは足の長いネヂでつながつてゐる。
そんな感じのキーケースだ。
ネヂを開け閉めしないと鍵のつけたりはづしたりができないので、借りたロッカーの鍵などはその場で即追加するのはむつかしい。
そこでおなじorbitkeyのringを買つた。
このringはちよつとおもしろい機構になつてゐて、わりとかんたんに鍵をつけたり取つたりできる。
ファスナーを開けて鍵を入れてファスナーを閉める方がずつとかんたんだが、まあ、なんとかなるんぢやないかな。
その前に、展覧会や芝居に今後どれくらゐいくのかといふ話もあるし。
そんなわけで、キーケースは新しくなつたのだけれども、例によつていままで使つてきたキーケースを捨てられずにゐる。
完全にダメになつてしまつたわけではないしなあ。
それよりも、いままで世話になつたのにゴミとして捨てるなんて、といふ思ひの方が強い。
なぜ命のあるないに関はらずものといふのはダメになつてしまふのか。
使ひ方が悪かつたから? それはあるかもしれないけれど。
壊れなければ、或は壊れてもなほせればずつと使つていけるのに。
資本主義には向かないのかもしれないけれどね。
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