好きなことには時間を作る?
お気に入りのペンは何本もある。
だが一度に使へるのは一本だけだ。
もちろん、両手に一本づつ持つて書くとか、利き手に何本か持つて書くといふ手もないわけぢやない。
でもそれは曲芸の部類だらう。
きちんと書きたいと思つたら、やはり利き手に一本きちんと持つて書く或は描く。
さうするのが正しいと思ふし、正しくなくてもさうしたい。
だが、実際にはさうする時間がなかなか取れない。
これは云ひ訳なのだらうか。
以前、いまの市川猿翁が猿之助だつたころ、TVコマーシャルに出て云つてゐた。
人間、ほんたうに好きならどうにかして時間を作るものなんですよ、と。
猿之助にさう云はれると、さうなのだらうと思はざるを得ない。
さういふ力が三代目にはあつた。
いま思へば、それは猿之助だから云へたことだつたのぢやあるまいか。
やはり凡人にはむつかしい。
そんな気がする。
凡人だから、やらない云ひ訳はいくらでも出てくる。
時間がない。
睡眠時間の方が大切だ。
仕事に差し支へる。
日々の生活をまともに過ごすことにしたい。
それができてはじめて趣味のことをするべきだらう?
さうやつて日一日と過ぎてゆき、今年ももうすぐ終はる。
What have I done?
や、「なんていふことをしてしまつたのだ!」ぢやなくてさ。
ま、それでもいいか。
Comments