もしかして推し?
Tim Harford の新刊を読み始めた。
How to Make the World Add Up といふ統計に関する本だ。
まづはサンプルを入手して読んでゐたのだが、その部分だけですでにおもしろい。
『統計でウソをつく方法』に見られるやうな冷笑的な態度はよろしくない。
統計は、もつときちんと役立つはずだ。
序章にはさう書かれてゐる。
第1章では、自分の感情を意識するやうにといふことで、ファン・メーレンに騙された美術史家・ブレディウスのことが書かれてゐる。
人は、自分の信じたいことを信じてしまふ。
まだ途中だけれど、そんなことが書かれてゐる。
すこし前に、やはりティム・ハーフォードの Fifty Things That Made the Modern Economy を読んだ。
最初に出てくるのが鋤だ。
おそらくは欧州で狩猟を主にしてゐた人々が農耕生活に移つていく。
農業をしていくうちに人は鋤を生み出す。
鋤を使ふことで広い土地を耕すことができるやうになり、たくさんの作物が取れるやうになる。
一人で二十人分くらゐの食料を作ることができるので、農業に従事しない人間も出てくる。
かうしていろいろな職業が生まれ、その過程で人々を統べる役割が誕生する。
鋤は土地を耕すことしかしない。
だが、鋤がこの世の現れ使はれるやうになつて人間の生活は大きく変はつていく。
ひとつの小さなものごとが大きな変化を生み出す。
さういふ話がおもしろかつた。
とにかく読みたくて、時間を作つては読んでゐた。
今度の本もそんな風に読むやうになりさうだ。
とにかくおもしろくて仕方がない。
いままで「推し」などゐた試しがないが (Jasper Ffordeがそれに近いかもしれないが)、もしかしたら見つけたかもしれない。
とりあへず、"More or Less" のポッドキャスト版も聞いてみるつもりだ。
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