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Thursday, 01 October 2020

推しに会ひにゆきます

これまで生きてきていはゆる「推し」といふものがゐたことがない。
だから「推しに会ひに行く」みたやうなこともない。
中学生のころからいまで云ふ「墓参ラー」のやうなことはしてゐたけれど、つひぞ「推し」や似た概念の存在がゐた試しがない。

そんなやつがれの人生の中で、一番「推しに会つて来た」に近いのはこれだらう。

長いこと、「したいことリスト」の中には入つてゐた。
「ナショナル・ギャラリーで猊下に拝謁する」
これだ。
昔はルーブル美術館にゐるものと思つてゐた。胸像は確かルーブルにあるはずだ。
この大きい肖像画がナショナル・ギャラリーにあると知つてからは「まづはロンドンだな」と思つた。

「したいことリスト」に追加して、しかし実行にうつすことはないだらうと思つてゐた。
だつてロンドンだぜ。
ロンドンといふところには夜中になると躰の表と裏とが入れ替はる、すなはち内臓丸出しになる妖怪がゐるのだといふ。
そんなところに行くわけがない。
怖いぢやんよ。

考へてみたら、内臓丸出しだなんてひどく脆弱な妖怪だ。
見た目が怖いだけなのだ。
でもそれが怖いつてものなんぢやないの?

などと云ひ訳しつつ、去年までは生きてきたわけだ。

会つたね、どうも。
至近距離での謁見が叶つたわけだ。
猊下の絵の前にはソファがしつらへられてゐて、長いことそこに腰掛けて絵を眺めてゐた、といふ話は以前もここに書いたやうに思ふ。
推しに会ふといふのは、こんな感じなのだらうか。

こんなご時世だが、まだあと二つほど現地で見たいものがある。
どちらもフィラデルフィア博物館にある作品だ。
ひとつは覗くもの。
日本でもレプリカが公開されることはあるけれど、やはり現地に行つて覗くに如かずといつたところなのらしい。

もうひとつは真似するもの。
ルノワールの「タティングレース」の絵の前でタティングをする、だ。
うをー、やつてみたい。
日本のルノワール展でも展示なされないこともない絵だが、日本でやるのはちよつとね。
どうせ混んでてできやしないしね。
このご時世であつても、だ。

でもフィラデルフィアでならできるんぢやないかな。
もちろんポケットにタティングシャトルを忍ばせていくのだ。
シャトルなら小さいからポケットにもおさまるだらう。
やつてみたいなー。

推しから話がどんどんそれていくが、おそらくあまり「推し」といふ概念を理解してゐないので仕方がないことと思ふ。
でも、推しがゐたら毎日楽しからうなあと思ふのだがどうだらうか。
少なくとも生きる張り合ひはありそうだと思つてゐたのだが、「推し、燃ゆ」の話とか聞くとさうでもないのかな。

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