うまくできないチェイン
タティングレースの替襟は、七宝模様が三つできたところだ。
全部で二十三模様なので、八分の一、と云ひたいところだが、外周があるのでさうかんたんにはいかない。
十分の一も進んでゐればいい方だらう。
替襟を作るきつかけはルース・ベイダー・ギンズバーグだつたが、なんだかもうそんなことは忘れてしまひさうな気がする。
少なくともできあがるころには、否、二十三模様作つて外周に入るころには「そもそもなんで替襟を作らうと思つたのだらう」と首を傾げてゐるに違ひない。
この替襟は、藤戸禎子の『華麗なるレース タッチングレース』に掲載されてゐる作品だ。
実は一度作らうとしたことがある。
そして見事に挫折した。
なぜ挫折したのか。
理由は、チェインが丸くならなかつたからだ。
写真でいふと、真ん中の七宝模様の下から三段目は左側のチェインがなんだかいびつな形になつてゐる。
本来はきれいな半円になつてゐるはずなのに、なんとも云ひ難い形だ。
これでもだいぶマシになつた方で、はじめてこの替襟に挑戦したときにはひどい形になつてゐた。
それで挫折してしまつたのである。
おそらく、コツはピコのつなぎの部分にある。
ここがちやんとつなげられればチェインの形も半円になる。
なんだかうまくいかないとチェインの形がくづれる。
「なんだか」といふ書き方から知れるとほり、どうすると失敗するのかよくわかつてゐない。
まあでも、それなりにうまくできてゐる部分もあるから、なんとなくわかつてきてはゐるのだらう。
さう、「なんとなく」。
でもまあ、最初に作らうとしたときのことを考へてみれば格段の進歩だし、いづれにせよ替襟は使ふ機会もないだらうから、今後も気をつけつつ進むつもりだ。
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