8月の読書メーター
8月の読書メーター
読んだ本の数:5
読んだページ数:1043
ナイス数:27
心にとって時間とは何か (講談社現代新書)の感想
時間はないとかいう説もあるし、もうここは哲学しかないのかと思って読んでみたけれど、むつかしかった。全八章、一章と五章、二章と六章というように対になっている。「自殺」の「ある意味未来の自分を殺してしまうという他殺」というのはちょっと「今宵ヴァンパイアになる前に」にあった「変容の経験」みたようなものかな。あと「責任」と「因果」が興味深かった。「ルパン三世カリオストロの城」をあまり評価しないのは、あれはルパン三世である必要がないからだ。まさに「因果」で書かれている通り。ただ、時間についてわかったかというと悩む。
読了日:08月02日 著者:青山拓央
マルジナリアでつかまえて 書かずば読めぬの巻の感想
本に何か書き込むのが苦手だ。そのはずがKindleで線を引きメモを残すようになって変わった。読んでみると著者も以前は本に何か書き込むなどとんでもないという人だということだった。口絵の写真がまたおもしろく、石井桃子が自らの翻訳書を何かに取り憑かれたように修正している様子にはちょっと背筋の寒くなるし、夏目漱石のモーパッサン評には笑う。著者による「文学論」や「文字禍」への書き込みも興味深い。本に索引がないと嘆くなら自分で作ればいいというのもちょっと新鮮だった。しない気がするけど。
読了日:08月09日 著者:山本貴光
泣き虫弱虫諸葛孔明 第伍部 (文春文庫)の感想
結局宇宙とはなんなのだろうか。孔明と宇宙の話ができた馬謖の末路はアレだし、最初は宇宙がわかりそうだった姜維にも実はわかっていなかったらしい。殷周は不明だけど春秋戦国のあと秦が足がかりを作って漢、その後も分裂してて隋が足がかりを作って唐、その後も分裂して、というのはよく思っていたことだけれど、それとはまた別な気がする。冒頭に「兵」のことがよくわからないとある。一兵卒のことだろう。そして孔明は必ず余力のあるうちに撤退を決する。それが宇宙の意思なのだろうか。『詩歌三国志』の影響が大きいラスト。
読了日:08月17日 著者:酒見 賢一
銀河英雄伝説 1 黎明編 (創元SF文庫)の感想
再読。この本を人に勧めるにあたり、序章をとばして読むようにいう、というのがあるけれど、序章がダメな人は残りもダメな気がするんだけれどどうだろう。実際それで「布教」に成功した例があるのかな、もしかすると。毒舌家と皮肉屋しか出てこないのではないかと時に思うが、おとなしい人間が一番厄介なものを心の中にためこんでいるのかもしれないとも思う。キルヒアイスとかね。
読了日:08月18日 著者:田中 芳樹
Horrible Histories: Groovy Greeks (English Edition)の感想
この本を元にした子供用テレビ番組「Horrible Histories」を勧められてあまりのおもしろさに読んでみた。子供の喜びそうな「先生も知らないネタ」とか「グロテスクなネタ」「下ネタ」が多い。古代ギリシャの歴史がざっくりわかっていれば英語の勉強にもいいかも。このシリーズ、英国史がメインでエジプト、ギリシャ、ローマ、インカ、アステカはあるようなんだけれど、中国があるかどうかがわからない。インドとかペルシャとかもか。そういうところ、ちょっとリン・ハントの「なぜ歴史を学ぶのか」を思い出しちゃうな。
読了日:08月27日 著者:Terry Deary
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