ツアー旅行に行かないわけ
去年の今頃はロンドンにゐた。
この機会を逃したら次はない。さう思つて行つた、とはここにも書いたとほりだ。
ひとつには今後は体力がどんどん落ちていく一方であること、もうひとつには十月には消費税率があがることになつてゐて、経済的に行けなくなるであらうこと。そしてもうひとつには、EUであるあひだの英国に行くほぼ最後の機会であること。
まさかこんな形で行けなくなるとは当時は思つてゐなかつた。
旅の手配は、往復の飛行機と宿泊先をH.I.S.で見つくろつた。
あとはまつたく自分ひとりの旅だつた。
オプショナルツアーに参加することも考へたけれどもやめた。
理由はひとつ、体力的についていけるかどうかわからなかつたからだ。
ここのところTLに、ツアーで旅行するか否かといふ話題がRTされてきてゐた。
どちらかといふとツアーに参加するのではなく、自分でなにもかも日程を立てて旅行するのが好きな人のつぶやきであるやうに見受けられた。
といふのも、世の中には旅の日程を決めることやそのための手配がまつたくできない人がゐるのだ、といふやうな内容だつたからだ。
おそらく、と、これは推測だが、なぜツアー旅行などといふものがあるのだらう、といふやうなところから話題がはじまつたのではないかと思ふ。
ツアー旅行にはツアー旅行のいいところがある。
自分の行きたいところが網羅されてゐるパッケージであれば、あれこれ悩まなくても行くことができる。
また、ツアー所以の優待があつたりする場合もある。
個人で行つたら入れないやうなところや入りづらいところに、ツアーだつたら入ることができることがある。
それに、バスや電車で二時間など長い時間をかけて移動をする場合、個人の旅行だつたら居眠りするのはちよつと怖いが、ツアーで乗り物を用意してくれればそれほど怖れることもない。
一方で、ツアー旅行は強行軍である場合が多い。
早朝から移動を開始し、一箇所に滞在できる時間はわづか、それであちこちに移動する。
ちよつとつらい。
いや、かなりつらいかもしれない。
そんなわけで、去年はまつたくのフリープランといはうか、行ってみてその日の天候次第で行く先を組み替へやうといふくらゐの気持ちで行つてきた。
丸々一日使へるのは三日間。
初日は大英図書館の展示と大英博物館の展示をそれぞれ見る予定でゐた。
大英図書館まで行けばユーストン駅がすぐそばなので、ブレッチリー・パークへ行くのにどこでどうやつて切符を買つて電車に乗ればいいか確認するといふ目的もあつた。
別の一日はブレッチリー・バークに行く日。
残りの一日はナショナル・ギャラリーほか、いはゆる「聖地巡礼」にあてる日。
お土産などはブレッチリー・バークや博物館・美術館で求めやう。
そんなゆる〜い予定だつたけれど、まあなんとかなつた。
運がよかつただけかもしれないけれど。
飯田に行くときも京都に行くときも万事こんな感じだ。
国内だと、飛行機に乗るやうな場合以外は切符や座席、宿も自分で手配する。
飛行機に乗る時だけは宿とセットだと安い場合があるのでさうする。
そんな感じ。
ツアー旅行に憧れないこともない。
なにも考へずに、決められた予定通りに動いてゐればすべて済む。
楽さうぢやあないか。
だが、如何せん、体力がついていかないんだよなあ。
« 座れない若人 | Main | スピリチュアルは抜きで »
Comments