手芸のブーム
あみぐるみとビーズ手芸とは、あるときものすごく盛り上がつてしばらくすると下火になり、またあるときものすごく盛り上がる手芸のやうに思つてゐる。
一度ブームになるとものすごい、といはうかね。
ビーズ手芸はブームになると手芸屋の大半がビーズ売場になるし、見たことないやうなビーズが並んだりするし、手芸屋周辺にビーズショップが増えたりするくらゐすごい。
が、しばらくするとまつたく見なくなる。
あみぐるみはそこまですごくはないが、でもブームになると何体も何体も編む人が出てきて、いつのまにか収束する。
おそらく、作るのが楽しいんだな、あみぐるみもビーズ手芸も。
作るのは楽しい。
そして、案外時間をかけずに作ることができる。
だからいくつもいくつも作つてしまふ。
だが、作つたところでどうにもしやうがない。
オリジナル作品なら売りに出すこともできるが、本など手本を見て作つたやうなものは売りに出せない。
こつそり売る手もあのかもしれないが、それつて犯罪だしね。
或は、ある程度作ると満足してしまふのかもしれない。
それで、結局作らなくなつてしまふ。
あみもの自体もまれにブームになつて、でもいつのまにか去つてゐる。
思ふに、こものを作るのがいけないんぢやないだらうか。
こものつて、増えるぢやん、作ると。
さうすると、どうにもならなくなつてしまふんだと思ふ。
たくさんあつたところで、遣ひきれないし、邪魔になるだけ、みたやうなさ。
大物を作るといいと思ふんだよね。
時間のかかるのがいい。
ビーズ手芸だつたらビーズ織りとか。
あみぐるみだつたら巨大なものとか。
あみものだつたらセーターや、スーツなんかもいいかもしれない。
だが、さういふものにはブームは来ない。
作るのにそれほど時間がかからなくて、いくつもいくつも作れるくらゐのサイズのもの。
ブームが来るのはさういふ手芸のやうに思ふ。
ビーズ手芸がさうだし、あみぐるみもさう。フェルト手芸やミサンガ作りなどもさうだらう。
タペストリー作成とか着物を仕立てるとか、スーツを編むことがブームだ、といふ話は寡聞にして聞いたことがない。
そんなことを考へながらあみぐるみのパーツを編んでゐる。
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