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Thursday, 04 June 2020

風呂敷が好き

客先と職場との行き来にふろしきを遣つてゐる。
黒字に白く「itoya」といくつも染め抜いた中にひとつだけ赤いクリップがあるといふ伊東屋のふろしきを愛用してゐる。
大きさは三巾と呼ばれる105cmくらゐのものだと思ふ。
ほかに、雨の用心に二四巾と呼ばれる90cmくらゐの大きさの撥水性ふろしきも持ち歩くことがある。

職場の人にも「いまどきふろしき?」と云はれてしまつた。
なぜふろしきなのか。
それは、客先でわりあてられてゐるスペースがせまいからだ。
A4サイズの書類の入るやうなかばんを置く場所がない。
書類を出したらたたんでおけるふろしきは、とてもよいのである。

手ぬぐひほどではないが、ふろしきも結構好きで遣つてゐる。
旅行のときには服を包んで持つていく。
クリーニング屋に行くときもふろしきだ。
上にも書いたやうに、雨のときには撥水性ふろしきを持つて出て、いざといふときは革の鞄を覆ふ。
洒落た柄ならショール代はりの防寒具にもなる。
買物袋が有料になることを考へると、エコバッグとしてのふろしきの出番も増えるものと思ふ。
会計の済んだ商品を入れるかごにふろしきを敷いておけば、そのまま包んで持つて帰れるといふ寸法だ。
サイズも弁当箱を包むやうな小さなものから布団を包むやうな大きなものまでさまざまだ。

以前、京都のSPIN HOUSE PONTAで大量に羊毛を買つたことがある。
このときも三巾のふろしき一枚で羊毛すべてを包んで持つて帰つてきた。
まるまるとした手荷物はいつたいなにに見えたことだらう。
中身によつて如何様にも包むことができる。
ふろしきにはそんな利点もある。

ふろしきを遣ふやうになつたのは、京都掛札といふふろしき屋のふろしきが気に入つたからだつた。
あつらへの絹のふろしきを扱つてゐた店の若旦那が、木綿の「プレタポルテ」のやうなふろしきを作つて売るやうになつた店だと理解してゐる。
色といひ柄といひ、ぱつと目を引く大胆でうつくしいデザインが多く、はじめて買ふときには目移りしたものだつた。
その後も苦労して選びつつ何枚か購入した。
残念ながら、Webページを見るかぎり現在のところ木綿ふろしきは取り扱つてゐないやうである。

ふろしきもまた古典柄からちよつとおもしろい柄までさまざまある。
サイズにもよるが、二、三枚あれば足りるよな、と思ひつつ、つひつひ増やしてしまふんだよなあ。

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