とつさのメモに使ふ筆記具
万年筆以外の筆記用具を使はうかな、と思ひはじめたのにはわけがある。
万年筆だと、ぱつとひらめいた時に書き留めるのがむつかしいことがあるからだ。
万年筆には、大抵キャップがついてゐる。
いい万年筆のキャップほどねぢつてつけはづしをすることが多い。
なにか思ひついて書きつけやうとした場合、万年筆のキャップを開けるといふ動作が入ることになる。
キャップをはづしてゐるうちに、ひらめいたものが消へてしまふのではあるまいか。
あるまいか、といふか、実際にさういふこともある。
だつたら、ノック式のボールペンやシャープペンシルの方がいいんぢやないだらうか。
無論、万年筆にもノック式はある。
パイロットのキャップレスやプラチナのキュリダスを愛用する理由はそこにある。
実際、Bullet Journal として使用してゐるRollbahnと一緒に持ち歩いてゐるのはキャップレスデシモだし、最近購入したDIALOG NOTEBBOKと一緒にしてゐるのはキュリダスだ。
しかし、万年筆は落ち着いて使ふ必要がある気がする。
手帳やメモ帳を立てた状態で書くのはむつかしいし、最初のうちは書けてゐても即書けなくなる。
かういつてはなんだけれど、乱暴に使ふのもどうかといふ気もする。
ぱつと思ひついたときにさつと取り出して書くといふ行動は、あまり丁寧とは云ひがたい。
かういふときに向いてゐるのは、やはりボールペンなんぢやないかなあ。
といふわけで、ボールペンも持つてゐないわけぢやない。
最近は、サラサクリップのカシスブラックやブルーグレーが気に入つてはゐる。
とくにブルーグレーは好きな色だ。
あまり主張しない色なんだよね、といふあたりは、プラチナのカーキブラックとつながるところがある。
実際のところ、ぱつと思ひついて書くことなどほとんどない気もする。
でもそれは、万年筆を使つてゐるからなのではあるまいか。
もうちよつとボールペンやシャープペンシルを使ひ慣れるといいのかなあ。
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