パイロットのエラボー
パイロットのエラボーにインキを入れた。
モンブランのロイヤルブルーを入れてゐて、インキが切れて以来眠らせてゐた万年筆だ。
万年筆はさうさう買ふものではないとは思ふが、インキは切れると困る。
行動範囲内にある文房具屋はすべて休業中だ。
通信販売か、すこし足を伸ばして開業してゐる文房具屋に行くか。
そんな折、丸善万年筆友の会の期限がやつてきてしまつた。
期限がやつてきたからといつて、即退会させられるといふものでもないが、気になつていつた。
前回更新したときに、「次はオリンピックの年ですね」と云はれたからだ。
職場からは「できるかぎり在宅勤務で」と云はれてゐるのに、上司から出勤を命じられて、県境を越える必要が出てきた。
不要不急の外出とは全然思はないが、外出せざるを得ない。
だつたら、丸善丸の内店に行つてもいいのではあるまいか。
といふわけで、丸善萬年筆友の会の期限更新に行き、一緒にインキを買ふことにした。
で、早速エラボーにインキを入れたら、「え、こんなに書きやすかつたつけ?」と思ふくらゐいい。
やつがれのエラボーは、リニューアルしたときのもので、ペン先は極細だ。
エラボーは、弾力があつてやはらかい書き味のペンといふふれこみだつた。
それで、買つた当初はちよつと持て余してしまつてゐた。
線の太さが安定しない。
弾力があつて、線の強弱がつけやすいのが売りのペンだから、当然といへば当然だ。
でも、なんだか線がかすれる気がしてゐたんだよね。
そんなこともあつて、インキが切れたのを機に休ませてゐたわけだ。
うーん、なにがよかつたのかなあ。
さういへば、おなじくパイロットのフォルカンも以前は苦手だつたのだが、いつの間にか書きやすくなつてゐる。
なんだらうな、慣れてきたのかな。
或は、いま悩まされてゐる腱鞘炎に向いたペンといふことなのかもしれない。
いづれにしろ、書きやすいのはいいことである。
インキを入れたからにはせつせと使はないとねえ。
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