5月の読書メーター
5月の読書メーター
読んだ本の数:5
読んだページ数:1349
ナイス数:22
タイムトラベル 「時間」の歴史を物語るの感想
「時間旅行」という考えは比較的新しくウェルズの「タイムマシン」がほぼ最初という。毛色はだいぶ違うが昔の人は今の人ほど色を細かく識別していなかったという話を思い出した。「オデュッセイア」などを読むと空の色を表現していないとかそういう話。「時間とはなんぞや」と思っていたころ本屋で偶然出会った。先に量子論で時間を説明する本を読んでしまって「わけがわからん」と思い、手に取るのが遅くなってしまった。こちらを先に読むのだったな。
読了日:05月01日 著者:ジェイムズ グリック
孤独の価値 (幻冬舎新書)の感想
ここでいう「孤独」は「solitude」だ。「loneliness」ではない。最初に読んだ時は、孤独とは物理的にも心理的にも余裕のある人に許されたものだろうと思った。ハンガリー当局に七年のあいだ不当に監禁されていたエディス・ボーンの場合は精神が頑健だったこともあろうがやはり豊かだったのだろう。
今回読んで思ったことは、世の中には孤独を必要としない人もいるんだろうなということだ。そしてそういう人がメジャなのだろう。今回のことで「孤独は悪」「孤独は避けるべきもの」という人が増えないことを祈るばかりだ。
読了日:05月02日 著者:森 博嗣
教え学ぶ技術 ──問いをいかに編集するのか (ちくま新書)の感想
オックスフォード大学で実践されているチュートリアルを紙面で再現しようとしたもの。同大学では一人の教員が一〜三人の学生を相手に個別指導をするのだという。これだけ少人数だと教員と合わなかったら大変だなあと思ったが、合ったら合ったで「罠」があるのだそうな。先生の話がおもしろいとその場ではわかった気がするが、あとになって考えてみるとわからないというのがそれ。何事もまずは一人で読み書き考える時間が必要で、それがないといくら他者とやりとりをしてもムダというのはブレイン・ストーミングを考えるとよくわかる。
読了日:05月15日 著者:苅谷剛彦,石澤麻子
Solitude: In Pursuit of a Singular Life in a Crowded World (English Edition)の感想
前書きに出てくるエディス・ボーンの逸話が強烈だ。ボーンはハンガリーの秘密警察に突然拉致され、七年の間拘束されていたという。その間、暗闇の中に六ヶ月監禁されていたこともあったし、独房はほぼベッドくらいの広さしかなく、手を伸ばせば天井に触れるような高さだった。そこで如何に過ごしてきたか、それは本篇を読むといいと思う。また、ジョン・ハート主演映画やスティングの「Englishman in New York」でも知られるクエンティン・クリスプの逸話もおもしろい。孤独とは何か、という点では物足りないが。
読了日:05月18日 著者:Michael Harris
愛とか正義とか―手とり足とり!哲学・倫理学教室の感想
哲学というと先人の学説(というのか)を学ぶものという印象があるが、そればかりでもないんですよ、という。とてもわかりやすく書いてあると思うけど、例としてあげている映画やマンガがいつまで通用するかが気になる。わからなくなったら書き直せばいいのかな。あと、逆接の接続詞の使い方に特徴があって、読んでいてときどきひっかかる。
読了日:05月21日 著者:平尾 昌宏
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