垂直になるペン
筆記用具に万年筆を使ふやうになつてずいぶんたつ。
なにかを書くときに使ふのはほぼ万年筆だ。
ほかに傍線を引くとき用の赤青色鉛筆、クロッキー帳にあれこれ書くときは鉛筆、書き味が好きなのでぺんてるのプラマン、あれこれ迷ひながら書くときはシャープペンシルといつたところだ。
すくなくとも、二年ほど前まではそんな感じだつた。
二年くらゐ前から、少しづつ違ふペンも使ふやうになつてきた。
たとへば三菱鉛筆のSTYLE*FITだ。
にぢまないときいて使ふやうになつた。
字を書くときは0.38mm、ちよつとはつきり書きたいとき用に0.5mmを使つてゐる。
他社製品に比べて色数が少ないのが難だが、ほんとににぢみにくいのでいい。
Moleskine を使つてゐるときは、にぢみにくさは勝利だからね。
しかしSTYLE*FITはたまに使ふだけだ。
なぜかといふと、書いてゐて、だんだんペンが紙に対して直角になつていくからだ。
下手すると手とは反対の方向に倒れていく。
書きづらい。
一説に、ペンが紙と垂直になる人は筆圧が高いのだとか。
残念ながらやつがれにはそれはあたらない。
こどものころから筆圧は低かつた。
きちんと鉛筆を持ててゐないこともあつたのかもしれない。
でも、おそらく筆圧が低いから万年筆に向いてゐるのだらうし、万年筆を使ふやうになつてより筆圧が低くなつたといふこともあらうかと思ふ。
そんなわけで、鉛筆にしてもボールペンにしても、使つてゐるうちにペンが立つてしまふ。
書きづらいことこのうへない。
それが、万年筆では起こらない。
大抵の万年筆はあるていど寝かせて使はないとうまく書けない。
ペン先がさういふ仕組みになつてゐるからだ。
万年筆で書けるのにほかのペンでなぜさうできないのか不思議でならない。
気をつけて書けば垂直になつたりしないのかな。
気をつけなければいけない時点でもうダメな気もするのだが。
Recent Comments