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Wednesday, 04 March 2020

えんぴつ ときとき

Bleistift

えんぴつが好きだ。
筆記用具としては万年筆の次に好きかもしれない。
でも考へてみたらえんぴつと万年筆とでは用途が違ふので、どちらもおなじくらゐ好きかも。

とはいへ、小学一年生くらゐのころはそんなにえんぴつが好きといふわけでもなかつた。
いつごろだつたらう。
たぶん、シャープペンシルをもつぱら使ふやうになつて、なにかのタイミングでえんぴつにふれたときに、「えんぴつつて、いいなあ」と思つたのだつたやうに記憶する。

また、庄司薫のエッセイでトンボのMONO 100が好き、といふ話を読んで、MONO 100にあこがれたのがそのちよつとあとだつたと思ふ。

えんぴつがあまり好きではなかつた理由は、常にえんぴつの先がとがつてゐないとイヤだつたからだ。
どこだつけ、さういふの、「ときとき」つていふんでせう?
いいな、ときときなえんぴつ。
字が汚い人間にありがちだと思ふのだが、太字で書くとますます字が汚く見える。
すくなくともそんな気がする。
細字で書くとちよつとまし、みたやうな。
そんなわけで安価なシャープペンシルが出回るやうになると、シャープペンシルに自然に移行していつた。

もうどんなきつかけだつたかは忘れてしまつたが、ふとえんぴつを手にしてみたら、これが案外いい。
授業中ノートに板書するといふでなし、多少罫線からはみだしても問題ないといふ気楽な気分で書いてみたのもよかつたのかもしれない。

えんぴつのなにがいいかといふと、やはり削りたての香りだ。
シャープペンシルにはこれがない。
手で削るやうになると、木の部分のなめらかさにも惚れ惚れする。
まあ、そんなに手で削ることはありませんが。
持つたときの軽さもたまらない。

六角形のえんぴつが好きだけれど、丸いのもいいし、三角形とか四角形とか五角形とか、ちよつと変はつた形のもいい。
えんぴつ削りにもいろいろあつて、それぞれ削り方に特徴があるといふのもいいな。

写真はトンボのMONO 100だ。
仕事がつまらなくて仕方がなかつたときに、気晴らしに買つた。
160円くらゐだつたらうか。
それで気晴らしになるんだから安いものだ。

あひかはらず、ときときなえんぴつが好きだから、もつぱら家で使つてゐる。
なにかえんぴつを持ち運ぶのにいいものつてないか知らん。
や、もちろん筆箱だらうけど、それにもいろいろあるぢやないか。

などと考へてゐるときも楽しい。

 

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