社会人としてのボールペン
ボールペンはあまり好きではない。
以前、我が家のボールペンはなぜかみなキャップを失ふかペン先が出しつぱなしの状態で書けなくなつてゐるものが多い、といふ話を書いた。
そのせゐもあるかもしれない。
でもそれよりもなによりも、だまができやすいことや線が途切れ途切れに見えるのがいやだつた。
これはいまでもいやかもしれない。
あと、これもなぜかボールペンを使つてゐるといつのまにかボールペンが紙に対して垂直になつてゆき、ひどくすると反対側に倒れるかたちになつてしまふといふことがある。
書きづらい。
自分が悪いんだらうけれども。
万年筆だとこれはないんだよね。
万年筆でそんなことになつたら書きづらくて仕方がない。
そんなわけでボールペンはあまり使はない。
だが、社会人の端くれともなると、まつたく使はないといふわけにもいかない。
筆箱には一応ボールペンを入れておく必要がある。
水色のボールペンはデュポンのJET8だ。
うはさを聞きつけて試し書きに行つたら、聞きしに勝る書き味だつた。
ちやうど消費税が8%に上がる前で、それを云ひわけに購入した。
ボールペンなのに紙にしつとり吸ひつくやうな書き味で、とてもなめらかだ。
また、ペンを持つと自然と正しい持ち方になるところもいい。
緑色のボールペンはカランダッシュの849。
こちらも大変評判の良いペンだが、以前試し書きしてみたときはそれほど気に入りはしなかつた。
だが、去年のとある日、店頭に並んでいたペンを何の気なしに試してみたら、いいぢやあないか。
見た目に比べて手にしたときのずつしりくる感じがいい。
多分、もつと軽いものだらうと思つて持つから重みを感じるのだと思ふ。
書く分には気にならない重さだ。
JET8とくらべると乾いた書き味で、でもなめらかに書ける。
JET8がぬらぬらならカランダッシュはするするといつたところか。
JET8が太字のやうで、カランダッシュはもう少し細字といつた趣でもある。
カランダッシュは六角形なところもいい。そのせゐか書いてゐてペンが紙に対して垂直になることはないやうに思ふ。
万年筆のインキは一年間で使ひ切れといふけれど、ボールペンのインキも同様だと聞いた。
JET8はいま2本目の替芯を使つてゐるところ。すなはち3本目の芯といふことになる。
カランダッシュは去年買つたばかりでまだまだ書けさう。
もつと使はないと、かな。
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