この冷たいしやべり方の人は自分?
高校生のとき、八つくらゐ下の子となかよくしてゐたことがあつた。
トランプで遊び、ゲームをし、TVドラマを一緒に見た。
時折、その子が見たいTVドラマの曜日と時間帯やチャンネルを間違へることがあつた。
それを指摘するたびにかう云はれた。
「なんでも知つてると思つてるでせう」
そりや八つ下の子に比べたらさうだし、見たいTV番組と曜日・時間帯・チャンネルの組み合はせについては三つかそこらのころから覚えてゐたと親から聞いてゐる。
でもそれをして「なんでも知つてゐる」といふことはない。
最近、顧客にいろいろと話を伺つてゐる。
とりこぼしがあるといけないので、許可を得て内容を録音しながら行つてゐる。
先日、はじめてその録音内容を聞くことがあつた。
そして、自分のしやべり方に愕然とした。
まー、なんて冷たくて高慢ちきなしやべり方をしてゐるんだらう、この人間は。
といつて、それは自分なのだが。
しやべつてゐるときは全然そんなつもりはない。
相手は客だし、むしろ丁寧に話してゐるつもりだ。
それがどうだらう、この、おつにすまして気取つたやうすは。
なるほど、あのとき、あの子から「なんでも知つてると思つてるでせう」とイヤミのひとつも云はれるはずだ。
こんな云ひ方をされたら自分だつてさう思ふ。
普段からこんなしやべり方なのか、この自分は。
どうしたもんだらうね。
しばらくは録音しそれを聞く機会もあるだらうからなんとか修正していけるだらうか。
とはいへ、しやべつてゐるときは普通にしやべつてゐるつもりなのだから、なほしやうがないともいへる。
とりあへずはできるだけしやべらないやうにするか。
他人についても「なんていけすかないしやべり方をする人だらう」と思ふことがある。
でも本人はさういふつもりはまつたくないのかもしれない。
用心用心。
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