正しい「ニット」の使ひ方
土曜日に「風工房のニット小物」を買つてきて、交差模様の帽子を編み始めた。
This-Is-The-BBC Waistcoatを編んであまつたパピーのシェットランドを使つた作品であり、デザインも気に入つたからだ。
風工房は昔から好きだ。
みづから編み針などを揃へて編むやうになつたころにはもう活躍してゐたと思ふ。
「毛糸だま」などで見て「これ、編みたいなあ」と思ふと風工房の作品だといふことが多い。
あみもの作品は個性の出づらいものだといふ印象がある。
ぱつと見て「あ、これは誰某の作品だ」とわかるものではない。
わかることもあるけどね。スウェーデンの北方民族博物館で「どこからどう見ても広瀬光治の作品なんだけど」と思つてふり返つたら広瀬光治の写真のポスターが貼つてあつた。「あみもののプリンス」といふ惹句付きで。
でもまあ、よくよく見て「もしかしたらこれはあの人のデザインではないか」といふ気がしてくる。
そんな感じなのではあるまいか。
それでもいろんな人のデザインが並ぶ中で「これ、いいなあ」と思つたものがおなじ人物の手によるもの、といふのは、好きだといふことなんだらうな、と思ふのだつた。
この本はほかの本にはない特徴がある。
題名に「ニット」と銘打つてゐて、ほんたうにニットの作品、すなはち棒針編みの作品のみを掲載してゐることだ。
世の中には題名に「ニット」と謳つてゐるのにかぎ針編みの作品しか載せてゐない本もいくらもある。
本邦ではそれでいいとは思ふ。
ただ、最近のやうに「英語で編まう」といふやうな本が出版されたり、あみもの雑誌に英語の説明の読み方を掲載したりするやうな世の中では、だんだん「ニット」といつたら「棒針編み」といふ本が増えていくのではあるまいか。
この本にはほかにも編みたいものがいくつもあつて、手持ちの毛糸で編めないだらうかとstashを見てみたところ、記憶にないお宝毛糸が出てきて、といふのはまた別の話。
表紙のベレー帽とか、編んでみたいなあ。
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