指なし手袋を編むわけ
指なし手袋はまづ左手を編んでゐて、親指を編んで編み終はつた。
すかさず右手を編みはじめた。
手袋やくつ下、セーターなどの袖を完成させるときの定法だ。
これまで、片方だけ編んでそのまま完成させずに終はつたくつ下や手袋はない。
なぜか片方の途中ではふりだしてしまつたものはある。
あ、マジックループで同時編みのくつ下などはその限りではないけれど。
指なし手袋はereborといふものを編んでゐる。
映画の「ホビットの冒険」や「指輪物語」を見てデザインしたものだといふ。
さういふ手袋だから、縄編みが入つてゐて編んでゐて楽しい。
それまでひたすらメリヤス編み地獄のヴェストを編んでゐたせゐもあらう。
毛糸はパピーのシェットランドで、四号針で編んでゐる。
かなりしつかりつんだ目で編めてゐて(注: やつがれ比)、手にはめるととてもあたたかい。
なぜ指なしの手袋ばかり編んでゐるのか。
有り体に云つて、指を編むのがめんどくさいからだ。
穴が開くしね。その始末がまた面倒だ。
それに、最近は外でスマートフォンを使ふことが多く、指は出てゐた方がなにかと便利だ。
でも、編むときは必ず親指はあるものを編んでしまふ。
親指の編みだしの地が好きだからだ。
編んでゐるときはそんなに楽しくないが、編み上がつたあとの編み地を見ると、斜めに突き出してくる親指のあたりの編み目がとてもいい。
英語でも指なし手袋のことは「fingerless glove」などといふ。
fingerがless、すなはち、thumbはある、といふことだ。
英語の「fingers」には親指は含まれないからね。
手袋のいいところは、くつ下に比べて見せびらかすのが容易、といふことか。
「これ、編んだの〜」と人に見せるとき、手を突き出すのと足を突き出すのとどちらが様子がいいか考へてみればわかる。
そんなわけで、もつと手袋も編みたいのだが、くつ下も編みたい。
アフガン編みもしたいし、普通のかぎ針編みもいいなあと思つてしまふ。
心千々に乱れたまま、年末の休みに突入する予感。
« 「アナと世界の終わり」 | Main | 失敗への対処 »
Comments