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Tuesday, 17 December 2019

レースのドイリーの劣化(エイジング)

タティングレースのドイリーを作つてゐる。
RenulekのSpring Doily 2014だ。
糸はLisbeth #40を使つてゐる。

二段目がちやんと円になるだらうかと心配してゐたが、最後は波打たずに円になつた。
よかつたよかつた。
といふことで、三段目に入つたところだ。

まあ、とにかく楽しいね。
デザインがいいから、先週も書いたとほり「レースを作つてゐる!」といふ気分になる。
なんかもうこの先ドイリーばかり作つて暮らさうかと思ふくらゐだ。

はじめてスウェーデンはストックホルムに行つたとき、古い家を利用した喫茶店につれて行つてもらつたことがある。
この店では各席にかぎ針編みのレースのドイリーを敷いてゐた。
ちよつと太めの糸、本邦でいふところのオリムパスのエミー・グランデとおなじくらゐの太さの糸で編んだドイリーだつた。
中にはコーヒーか紅茶だらう染みの残つたドイリーもあつて、日常使用されてゐる感じがあつてとてもよかつた。

タティングレースをはじめたばかりのころ、こんな話を聞いたことがある。
国産のレース糸は使つてゐると色が褪せてくるが、DMCのレース糸は褪せない。
DMCの糸も褪色はするのかもしれないが、もつと長い時間がかかるといふことだらうと理解した。

そんなわけで、その後可能であればDMCのレース糸を使ふやうにしてゐたが。

ストックホルムの喫茶店のドイリーを見て、褪色してもいいぢやない、といふ気になつた。
使つてゐれば劣化するのは当然だ。
手を入れて修復できるものならもとの状態に戻すこともできるかもしれないが、レースのドイリーはさうしたものではない。
ちよつとした部分なら編みなほすといふ手もあるけれど、さうするとそこだけ新しくなつてちよつと妙なんではないか。

革の鞄はエイジングを楽しむといふ。
エイジングとは、すなはち劣化にほかならない、と、ある革細工職人の人が云つてゐた。
レースのドイリーもまた、「劣化」を楽しんでもいいのぢやあるまいか。

ドイリーをどんどん作つて、どんどん使つていくといふのも楽しいかもしれない。

問題は、我が家ははドイリーのふさはしいたたずまひをしてゐないといふことだが、さて。

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